【朝日杯FS】複勝率55.6%の激走ローテ発見 今年の該当馬はただ一頭
逆瀬川龍之介
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前走1400m組はGⅠ級の実力が必要
先週の阪神JFは新潟2歳S覇者のアスコリピチェーノが勝ち、赤松賞を制して参戦したステレンボッシュが2着と、マイル路線組のワンツー決着となった。対照的に1400m以下を歩んできた馬は、京王杯2歳S覇者のコラソンビートが3着(2番人気)、もみじS勝ち馬のナナオが12着(8番人気)、ファンタジーSを勝って挑んだカルチャーデイが16着(7番人気)と、人気以下の着順に終わった。さすがは直線が長く、急坂が待ち受ける阪神マイル戦。経験の浅い2歳馬にとっては、距離以上のスタミナが問われるレースといえる。
今週の朝日杯FSにも同じ傾向がある。阪神開催となった14年以降の9回に限れば、前走が1200mだった馬は【0-0-0-5】、同じく1400mだった馬は【1-2-3-51】と大苦戦。ちなみに勝ったのは翌年のマイル戦線でも主役級の存在となった20年のグレナディアガーズ、2着の2頭はともに京王杯2歳S覇者の16年モンドキャンノ、19年タイセイビジョンだった。これぐらいの実力馬、あるいは将来性を秘めた馬でなければ、好走するのは厳しいローテーションなのだ。今年の登録馬では、2戦2勝でC.ルメール騎手が騎乗予定のダノンマッキンリー、小倉2歳S覇者のアスクワンタイムなど6頭が該当するが、割引が必要だろう。
激走ローテ該当馬は一頭のみ
もちろん相性のいいローテーションもある。それが前走1600mだった馬で、【6-6-5-42】勝率10.2%、複勝率28.8%。連対馬18頭のうち、3分の2にあたる12頭を占めている。ただ、該当馬が多く、もうひと捻りする必要があるだろう。
そこで注目したいのが、前走が東京芝1600mだった馬。該当18頭で【5-2-3-8】勝率27.8%、複勝率55.6%。前走がサウジアラビアRC(前身のいちょうSを含む)だった馬が【3-2-2-6】と好走馬の過半数を占めるが、前走1勝クラスだった馬も【2-0-0-2】と健闘している。阪神と同様に直線が長くて上り坂のある東京で結果を残した馬は、少々実績で見劣っても注意が必要だ。
今年の登録馬19頭中、唯一前走で東京芝1600mを走っているのがオーサムストロークだ。14年の覇者ダノンプラチナ、16年の覇者サトノアレスと同じく、ベゴニア賞の勝ち馬。決して派手なタイプではないが、どんなペースにも対応できるレースセンスが売りだ。前走も勝ち時計こそ平凡だが、前半1000mが63秒5の超スローをピタッと折り合い、上がりをまとめての快勝だった。しかも2着は牝馬クラシック候補の呼び声が高いイクイノックスの半妹ガルサブランカ。実は価値が相当高かったレースといえるのではないか。
また、オーサムストロークには展開利も見込める。今年は先行馬こそ多いが、明確な逃げ馬は1800m戦の札幌2歳S勝ちセットアップ1頭のみというメンバー構成。ならば、そこまでペースが速くなることはないだろう。おそらくオーサムストロークは好位でセットアップを目標にする形。スローかミドルペースの決め手比べとなれば、まんまと押し切るシーンがあっても驚けない。
《ライタープロフィール》
逆瀬川龍之介
国内の主要セール、GⅠのパドックはもちろん、時には海外のセリにも足を運ぶ馬体至上主義のライター。その相馬眼を頼りにする厩舎関係者、馬主は少なくない。一方、マニアック、かつ実用的なデータを駆使して、ネット媒体や雑誌などにも寄稿するなど、マルチな才能を持っている。
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