【朝日杯FS】ディープインパクト産駒が7頭も馬券内に 2歳マイル王決定戦の「記録」を振り返る

緒方きしん

朝日杯フューチュリティステークスにまつわる記録,ⒸSPAIA

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7頭が馬券圏内に好走 ディープインパクト産駒

阪神JFや香港国際競走が終わり、今週は朝日杯FSが開催される。過去にはグラスワンダー(父Silver Hawk)をはじめ、父が外国血統という馬が多く制してきた一戦でもある。そのほかの例を挙げると以下のようになる。

1990年 リンドシェーバー(父Alydar)
1992年 エルウェーウィン(父Caerleon)
1998年 アドマイヤコジーン(父Cozzene)
1999年 エイシンプレストン(父Green Dancer)
2002年 エイシンチャンプ(父Mi Cielo)
2007年 ゴスホークケン(父Bernstein)
2013年 アジアエクスプレス(父Henny Hughes)
2020年 グレナディアガーズ(父Frankel)

このように多種多様な血統の馬が制している朝日杯FSだが、その中でも多くの産駒を馬券圏内に食い込ませている種牡馬がいる。

1位は7頭の好走馬を輩出したディープインパクト。ダノンプラチナ、サトノアレス、ダノンプレミアムと3勝をあげているほか、牝馬のグランアレグリアも3着と好走した。2位は6頭のサンデーサイレンス、3位は5頭のキングカメハメハ。サンデーサイレンスはフジキセキ、バブルガムフェロー、キングカメハメハはリオンディーズと、種牡馬としても活躍する名馬がここを制している。

母父として最も好走馬を送っているのはサンデーサイレンスで、その数はなんと10頭。配合相手として最多は3頭のキングカメハメハだが、特筆すべきはローエングリン。2012年に1着ロゴタイプ、3着ゴットフリートと同タイプの配合で2頭を馬券圏内に送り込んだ。また、管理する調教師はこの10頭全てが別々の調教師と、環境の多彩さも印象的。騎手で唯一『母父サンデーサイレンス』を複数回にわたって好走させたのは、M.デムーロ騎手(ロゴタイプ、グランプリボス)である。

母父の2番手タイとしては、スペシャルウィーク、Danzigがそれぞれ3頭ずつ好走馬を出している。ディープインパクトやトニービンは2頭と、意外と苦戦している印象を受ける。今年だと、アスクワンタイム、サトミノキラリ、ミルテンベルクの3頭が母父ディープインパクトに該当する。


人気薄で好走したマイネルハイル

調教師として最も好走馬を出しているのは、藤沢和雄調教師で、その数は7回(2勝、2着2回、3着3回)。次点の境勝太郎調教師の4回を大幅に上回った。藤沢調教師はバブルガムフェロー、サトノアレスで2勝を挙げるなど、このレースでの適性の高さを見せつけた。

人気薄での好走としては、14番人気から3頭出ており、これが最も人気薄となっている。1989年3着のマイネルハイル、2014年2着のアルマワイオリ、2019年3着グランレイの3頭がこれに当たる。勝ち馬としては2000年10番人気のメジロベイリーが最低人気で、唯一、二桁人気での勝利を挙げている。

マイネルハイルは、未来のダービー馬アイネスフウジンの3着。上がりは36.6とかかっているが、勝ち馬アイネスフウジンは37.4、2着馬サクラサエズリは37.9で、マイネルハイル自身は全体で2番手の上がりタイム。レース全体でみれば良い末脚を見せている。上がりに最も時間がかかっている馬券圏内の馬は、1996年のオープニングテーマ。なんと39.2というタイムを残している。

勝ち馬の馬体重として最軽量はドリームジャーニーの416キロ。2番手の軽量であるエルウェーウィンは430キロであり、それよりも14キロ軽い計算となる。最重量はサリオスの538キロ。ドリームジャーニーもサリオスも、2歳時だけでなく古馬になってからも活躍を続けた実力派である。ドリームジャーニーは凱旋門賞4着馬スルーセブンシーズをはじめ、ヴェルトライゼンデ、トゥラヴェスーラ、ミライヘノツバサなど重賞好走馬を輩出した。今年種牡馬になったサリオスは、最軽量2歳王者ドリームジャーニーに対抗できる成績を残すことができるだろうか。今後注目したい。

ライタープロフィール
緒方きしん
競馬ライター。1990年生まれ、札幌育ち。家族の影響で、物心つく前から毎週末の競馬を楽しみに過ごす日々を送る。2016年に新しい競馬のWEBメディア「ウマフリ」を設立し、馬券だけではない競馬の楽しみ方をサイトで提案している。好きな馬はレオダーバン、スペシャルウィーク、エアグルーヴ、ダイワスカーレット。

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