【中日新聞杯】12月開催では複勝率高い「牝馬」 斤量54kgの紅一点ピンハイに期待
佐藤永記
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12月開催となって7年目
中日新聞杯は長い歴史のなかで、開催時期や距離、出走条件などの変更が多い重賞だ。2017年に3月開催から12月開催に移ってからは、現在の条件で開催されている。今の条件になってから7回目、しかもハンデ戦であることから、傾向を掴むのが難しいレースでもある。ただ、性別に着目して調べていくと、牝馬に注目したくなるデータが浮かび上がってきた。
牝馬の成績を見ると、3月開催の本レース(2012~2016年)では【0-1-0-6】複勝率14.3%だったが、12月開催に替わった2017年以降は【1-1-2-11】同26.7%まで上がっている。特にここ4年では【1-1-2-7】同36.4%で、4年連続で馬券に絡んでいる。馬券に絡んだ4頭はいずれも8~10番人気で、妙味もあった。
牝馬が好成績を挙げている理由として考えられるのは、やはり開催時期の変更だろう。3月開催だったころは前後に牝馬限定の重賞が多く、中日新聞杯以外の選択肢も多かった。しかし、12月の牝馬限定戦には翌週にマイルのターコイズSがあるものの、中距離で出走したい牝馬にとってはエリザベス女王杯が終わると翌年1月2週目の愛知杯まで約2ヶ月空いてしまう。そのため、距離や番組の都合から、牝馬がここに出走するケースが増え、軽ハンデを味方に好走することも増えていると考えられる。
唯一の牝馬ピンハイは斤量54kgでチャンス
今年は牝馬の登録は一頭のみ。それがピンハイだ。ここ4年のように人気薄とまではいかないだろうが、斤量54kgで出走できるのは魅力的だ。
春は東京新聞杯、阪神牝馬Sとマイルで2戦して8、11着。前走1800mと距離を延ばしたカシオペアSでは、斤量55kgで中団から運び、直線では外からしぶとく伸びて2着に好走した。3勝クラスも1800m戦で勝ち上がった馬であることを考えると、1600mより2000mのほうが期待できるのではないだろうか。さらに前走から斤量1kg減で出走することも好材料。ワイドや三連複の軸で一考だ。
<ライタープロフィール>
佐藤永記
20代を公営ギャンブラーとして過ごし、30歳から公営競技の解説配信活動を開始。競馬を始め多くの公営競技ファンに各競技の面白さや予想の楽しみを伝えている。現在はYouTubeで配信活動を続けながらライターとして公営競技の垣根を超えて各所で執筆中。
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