【天皇賞(秋)】「前走1番人気」など好データが後押し 連覇に向け視界良好イクイノックス
門田光生
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前走1番人気が10勝
2023年10月29日に東京競馬場で行われる第168回天皇賞(秋)。昨年は3歳馬イクイノックスがここへ出走し、見事に優勝。3着にも3歳馬ダノンベルーガが入り、世代レベルの高さを証明した。
2021年も3歳馬のエフフォーリアが勝ったが、今年は3歳馬の出走はなく、しかも登録の時点で13頭(うち、スターズオンアース、アサマノイタズラが回避を表明したため、出走見込み11頭)とフルゲート割れが確定。頭数が少ない分、中身の濃いレースを期待したいところだ。
そんな天皇賞(秋)にはどのような傾向があるのだろうか。今回も過去15年の成績を基にして検証していきたい。
☆所属
美浦所属馬が7勝(13連対)、栗東所属馬が8勝(17連対)。勝利数はほぼ互角。出走頭数は栗東所属馬の方が倍近く多いので、勝率、連対率では美浦所属馬が上回っている。
☆性別
牡馬が11勝(23連対)、牝馬が4勝(7連対)。牝馬は24頭出走しての7連対で、連対率が30%近くある。少数精鋭のイメージだ。
☆年齢
最も多く勝ち馬を出しているのは、5歳馬で7頭。次いで4歳馬で5頭。連対数では4歳馬の13連対が最多で、次いで5歳馬の12連対。勝率や連対率だけで見れば3歳馬も負けていないが、今年は出走馬がいない。よって、4、5歳馬が中心と考えていいだろう。
6歳馬は42頭が出走して連対馬が出ておらず、7歳馬は36頭出走して1頭も馬券に絡んでいない。最高年齢勝利は2009年カンパニーが記録した8歳。また、6歳以上の関東馬は39頭が該当して、すべて馬券を外している。
☆前走クラス
馬券に絡んだ馬は、いずれも前走で国内のGⅠかGⅡを走っていた。前走でGⅢ以下、もしくは海外、地方で走っていた馬はすべて馬券外だ。
☆前走レース
勝ち馬を最も多く出しているレースは毎日王冠。1着馬を5頭、2着馬を3頭出している。その毎日王冠を、勝率、連対率で上回っているのが、宝塚記念組と札幌記念組。この3つが相性のいいレースとなっている。
☆前走着順
7頭の勝ち馬を出している前走2着馬が狙い目だったのだが、今回は該当馬がいない。となると、1着馬4頭、2着馬も6頭いる前走1着馬を狙うのが無難になってくる。前走4着以下からは勝ち馬が、12年エイシンフラッシュと17年キタサンブラックの2頭しか出ておらず、いずれも前走9着。ただ、前走9着馬も今回は該当馬がおらず、今回に限って前走4着以下は勝ち馬が出ていないマイナスデータとする。
☆前走人気
前走1番人気が10勝、2着7回で断然。同4番人気以下は【3-2-5-124】勝率2.2%、連対率3.7%と低く、同7番人気以下だと、該当する65頭すべてが連対を外している。最低でも前走3番人気以内には入っていてほしい。
☆その他
そのほかで気になったデータは2つ。まず前走馬体重だが、458キロ以下だった馬から連対馬は出ていない。ただ、これも今年は該当馬なし。登録が少ないと、該当馬なしのデータが増えてくるのが悩みの種だ。
もう1つは栗毛、49頭が出走して1回も勝っていない。これはスプリンターズSや秋華賞と全く同じ傾向で、鹿毛や黒鹿毛が多いサンデーサイレンス系の種牡馬が大活躍している影響があるのかもしれない。実際、1986~2000年の栗毛成績も調べてみると、ほかの毛色と比べて大差なかった。
GⅠ・5連勝に向けてデータも後押し
天皇賞(秋)のデータをまとめてみよう。
【好走データ】
A「美浦所属馬」
B「牝馬」
C「4歳か5歳」
D「前走が毎日王冠、宝塚記念、札幌記念のいずれか」
E「前走1着」
F「前走1番人気」
【勝ち馬なし】
G「前走4着以下」
H「栗毛」
【連対馬なし】
I「6歳 or 7歳」
J「前走4番人気以下」
連対馬が出ていないI「6歳 or 7歳」J「前走4番人気以下」に該当する6頭(回避表明のアサマノイタズラ含む)を消して、残ったのは7頭(回避表明のスターズオンアース含む)。この中で、最も多い5つのプラスデータを持つイクイノックスを本命とする。
2019、2020年にアーモンドアイが連覇した例があり、宝塚記念→天皇賞(秋)というローテーションは、2017年の勝ち馬で、父でもあるキタサンブラックと同じ。GⅠ・5連勝に向けてデータも後押しする。
2番手以下は少し難解。近年の勢いは3歳馬なのだが、今年は出走馬が0頭。同じく近年で相性がいい安田記念組もいない。今回はマイナスデータに該当しない馬で、プラスデータを複数持っているプログノーシス、ジャスティンパレスを2、3番手とする。
扱いが難しいのはドウデュース。予定していたドバイのレースを出走取消したので、前走を京都記念とするとプラスデータが3つになるが、このレースで海外遠征明けの馬がすべて馬券外に沈んでいるのは、輸送の影響も大きいはず。現地まで行って取り消したドウデュースも、それに当てはまるといえなくもない。しかし無視もできないので、4番手評価としておく。
◎イクイノックス
◯プログノーシス
▲ジャスティンパレス
△ドウデュース
《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
今年は楽勝で逃げ切れると思っていた馬券の収支が、10月に入って急降下。ペースを落として買い続ければクリアできそうですが、ギャンブラーとして、それは選択肢にありません。自分でいうのもアレですが、間違いなく中毒者です。
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