【京都大賞典】年齢など好データ揃うビッグリボン 相手は過去10年で5勝の「前走宝塚記念組」

門田光生

京都大賞典の年齢別成績(過去10年),ⒸSPAIA

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前走宝塚記念組が優勢

2023年10月9日に京都競馬場で行われる第58回京都大賞典。1990年代はスーパークリークやメジロマックイーン、2000年代はテイエムオペラオーやナリタトップロード、2010年代はキタサンブラックやサトノダイヤモンドと、名ステイヤーが勝っている伝統の一戦だ。2020年代も香港GⅠ・2勝のグローリーヴェイズ、ダービー馬マカヒキ、そして昨年はジャパンC勝ちのヴェラアズールなどが優勝馬に名を連ねている。

今年は実績馬が勝利を挙げるのか、それとものちに覚醒する素質馬が台頭するのか。注目の京都大賞典を、過去10年の成績とともに検証していきたい。

☆所属
ここ10年で133頭が出走。うち美浦所属馬は15頭と少なく、1、2、3着に1頭ずついるだけ。勝率や連対率で見ると大きな差はないが、美浦所属馬が馬券に絡んだのは2018年(2着レッドジェノヴァ、3着アルバート)と、2020年(1着グローリーヴェイズ)。2013~17年は馬券に絡んでいなかったことを考えると、近年は巻き返しが目立っている。

京都大賞典出走馬の所属,ⒸSPAIA


☆性別
全133頭中、牝馬は16頭で、これも1、2、3着馬が1頭ずつ。2017年1着のスマートレイアー、2018年2着のレッドジェノヴァ、そして2022年3着のウインマイティー。こちらも好走が近年に偏っている。

京都大賞典出走馬の性別,ⒸSPAIA


☆年齢
勝率では5勝を挙げている5歳馬、連対率では7頭が連対している4歳馬がほかの世代をリードしている。

京都大賞典出走馬の年齢,ⒸSPAIA


☆前走クラスと前走
伝統のGⅡだが、条件戦やオープン組からも勝ち馬が出ている。とはいっても、勝ち馬や連対馬を一番多く出しているのは、やはり前走GⅠ組。6勝、2着5回はともに断トツで、6勝中5勝は宝塚記念組。また、宝塚記念からここを勝った5頭のうち4頭はGⅠ勝ちのある実績馬だった。

京都大賞典出走馬の主な前走クラス,ⒸSPAIA
京都大賞典出走馬の主な前走,ⒸSPAIA


☆前走距離
最も結果を出しているのは、前走で2200mを走っていた馬で【5-2-6-19】。宝塚記念組の成績が【5-2-6-14】だから、この組が数字を押し上げていることになる。1800m以下を走っていたのは12頭いて、連対した馬はいない(今年は該当馬なし)。

京都大賞典出走馬の前走距離,ⒸSPAIA


☆種牡馬
相性がいいのは5勝を挙げているディープインパクト、連対率が25%近くあるキングカメハメハ、出走した3頭中、2頭が連対しているハービンジャー、そして複勝率が40%を超えているルーラーシップの産駒。逆に長距離に強いステイゴールドの産駒、そしてその仔オルフェーヴルの産駒からは連対どころか馬券に絡んだ馬もいない。

京都大賞典出走馬の父系,ⒸSPAIA


☆その他
その他で気になったデータを挙げていこう。まずはローテーション。中2週以内で挑んできた馬(今回は該当馬なし)は連対なしだった。そして前走馬体重が458キロ以下だった場合も連対馬なし。最後に、前走で1番人気に支持されていた馬は【3-2-2-8】と、ほかの人気に比べて勝率がいい。

京都大賞典出走馬におけるその他のデータ,ⒸSPAIA


トレンドを先読み

京都大賞典のデータをまとめてみよう。

【好走データ】
A「4歳か5歳馬」
B「宝塚記念組」
C「ディープインパクト、キングカメハメハ、ハービンジャー、ルーラーシップのいずれかの産駒」
D「前走1番人気」

【凡走データ】
E「ステイゴールド、またはオルフェーヴル産駒」
F「前走馬体重458キロ以下」

今回はなかなか難解なメンバー構成となったが、好走データ4つのうち、A「4歳か5歳馬」、C「ディープインパクト、キングカメハメハ、ハービンジャー、ルーラーシップのいずれかの産駒」、D「前走1番人気」の3つをもつビッグリボンに注目。近年、好走馬がポツポツ出始めた牝馬でもあり、トレンドになる可能性があるとみて先物買いする。また、昨年の3着馬ウインマイティーと同じマーメイドSの1着馬。マーメイドS組はこれまで2頭しか該当馬がいないが、ビッグリボンが勝てば、この路線も来年以降のトレンドになっているかもしれない。

宝塚記念組は昨年こそ6着が最高だったが、ここ10年で6回、複数頭が馬券に絡んでいる好相性のレース。今年はヴェラアズール、ディープボンド、ボッケリーニの3頭が該当している。「宝塚記念からここを勝った5頭のうち4頭はGⅠ勝ちのある実績馬だった」と書いたが、これに当てはまるのはジャパンCを勝ったヴェラアズールだけ。これが相手筆頭だ。

残る2頭はGⅠ勝ちこそないが、GⅡを勝っている実績馬で2頭とも押さえておいて損はない。好走データのC「ディープインパクト、キングカメハメハ、ハービンジャー、ルーラーシップのいずれかの産駒」にも当てはまるボッケリーニの方を上に取る。

最後にジューンS(3勝クラス)勝ちのサクセスシュートを。昨年の勝ち馬ヴェラアズールは3勝クラスの緑風S(3着)からジューンSを勝ってここを制した。サクセスシュートも同じパターンで、しかも、父はともにキングマンボ系。歴史は繰り返すかも。

◎ビッグリボン
◯ヴェラアズール
▲ボッケリーニ
△ディープボンド
×サクセスシュート

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
これまで徒競走で1位を取ったことがなかった娘が、初めて1着をゲット。思わず「万馬券や」とつぶやいてしまったことはナイショです。

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