【セントライト記念】春クラシック大敗が高配当の鍵 オープン以上の連対実績から見直し可能の4頭
佐藤永記
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ソールオリエンス中心も……
皐月賞馬にして日本ダービー2着のソールオリエンスが出走予定のセントライト記念。同馬を前段階で消す理由はなにもない。ただ、単複しか馬券が売っていないのならともかく、3連系の馬券もあるのだから、穴馬を推奨することに意味はある。
当レースの過去傾向を見ると、極端な傾向があるわけではない。正直、ペースや馬場だけでなく、出走する馬のレベルまで年によって差が大きい印象。過去の傾向からピックアップするのも難しいレースだ。
こういう時は思い切って過去の穴馬と同じパターンの馬を狙う。過去データに該当しているのならば、今年それが再び現れるかもしれないという狙いだ。
下位人気で複勝圏内に入った例は?
過去10年のセントライト記念において複勝圏内に入った最低人気馬は10番人気だ。また、人気別成績で見ると8~10人気は【1-2-2-25】で、5頭が複勝圏内に入っている。このうち直近の例を見てみよう。
2021年に9番人気で1着と波乱を起こしたのはアサマノイタズラ。14頭立てのレースで道中11番手から1頭だけ34秒台の上がりで、2着にクビ差先着した。それまでの戦歴は、ラジオNIKKEI賞12着、皐月賞16着(最下位)、スプリングS2着。つまり、前走重賞とクラシックで大敗を喫していたものの、それ以前には好走例があり、巻き返しといえる結果だったことになる。
2019年に8番人気で2着だったのがサトノルークス。18頭立てで道中8番手から差して好走した。この馬も日本ダービー17着、皐月賞14着、すみれS1着で、アサマノイタズラと同様にクラシック大敗前にはオープンで好走例がある巻き返し組であった。
この他は2015年まで遡るが、9番人気2着のミュゼエイリアンが日本ダービー10着、皐月賞7着、毎日杯1着で、これまた巻き返し組だった。
この3例に共通するのは「日本ダービーや皐月賞で大敗しているが、それ以前のオープンや重賞で連対実績があった」こと。今年これに該当するのが4頭いる。
春クラシック苦戦からの巻き返しを狙う4頭
1頭目はグリューネグリーン。同馬は日本ダービー15着、皐月賞11着で、その前も弥生賞8着、ホープフルS11着となっているが、2歳時に京都2歳Sで1着と重賞勝ちがある。しかし、2歳11月時であるうえに、この馬唯一の逃げ切り勝ちと不安定。とても狙いづらいが、その分ハマれば好配当が見込める。
2頭目はウインオーディン。同馬は皐月賞8着。ただ前走の阿賀野川特別2着や、過去にも共同通信杯5着、新潟2歳S2着と、大きく崩れておらず、ヒモとして狙いやすいほうではある。
3頭目はシャザーン。同馬は日本ダービー9着、皐月賞6着で大敗とまではいかないが、その前にすみれS1着だったのは、2019年サトノルークスに重なる。毎回、速い上がりを出している馬で、大穴とまではいかないだろうが拾っておきたい一頭だ。
最後に取り上げるのがドゥラエレーデ。宝塚記念10着、日本ダービーは落馬競走中止、UAEダービー2着にホープフルS1着で、クラシック大敗組の域を超えているインパクトの強い戦歴だ。日本ダービーでは本命にしていたのでレースがすぐに終わってしまったが、今回はこのパンチある戦歴からの巻き返しを見せてほしいところだ。
<ライタープロフィール>
佐藤永記
20代を公営ギャンブラーとして過ごし、30歳から公営競技の解説配信活動を開始。競馬を始め多くの公営競技ファンに各競技の面白さや予想の楽しみを伝えている。現在はYoutubeで配信活動を続けながらライターとして公営競技の垣根を超えて各所で執筆中。
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