【安田記念】前走着差と上がり順位が攻略の鍵! 京大競馬研の本命はソウルラッシュ
京都大学競馬研究会
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前走大差勝ちor僅差で負けた馬に着目!
6月4日(日)に安田記念(GⅠ・芝1600m)が東京競馬場で行われる。昨年は牝馬ソングラインが制し、3着には8番人気サリオスが食い込むなど比較的荒れ模様のレースとなった。今年は例年にも増してメンバーが揃い、白毛のアイドルホース・ソダシ、マイルCS勝ち馬セリフォス、ヴィクトリアマイル勝ち馬ソングライン、昨年の2着馬シュネルマイスターなどGⅠ馬が10頭も集う一戦となった。過去のレース傾向などを踏まえて予想していく。
まず、過去10年の安田記念における前走着差別成績について調べた。なお、前走が海外遠征などで着差不明の馬は除いている。
ここでは前走0.3秒以上の着差を付けて勝った馬、または0.5秒以内の着差で敗れた馬が好成績を残していることが分かった。前者は【1-3-1-4】で複勝率55.6%と圧巻の成績だが、今年は該当馬がいない。次にいいのが後者の【6-5-2-62】で、勝率8.0%、連対率14.7%、複勝率17.3%はいずれも他の組を上回っている。今回はソダシを筆頭に、ソウルラッシュ、ガイアフォース、ダノンスコーピオンなどが該当する。
逆に、これらの馬と比べると若干劣るのが前走0.2秒以内の着差で勝利した馬、および前走0.6秒以上の着差を付けられて負けた馬だ。前者は【1-0-3-26】で連対率3.3%と、前走で勝利しているにもかかわらず苦しい数字になっている。後者も【1-1-3-33】で連対率5.3%にとどまっている。今年であれば、前者にはソングライン、ジャックドール、シュネルマイスターらが、後者にはメイケイエールやドルチェモアなどが該当する。
最低限の上がりは必要
次に、過去10年の安田記念における上がり順位別成績を調べた。やはり一定以上の上がりを使える馬が好走傾向にあり、上がり順位5位以内の馬が【9-6-8-35】で勝率15.5%、連対率25.9%、複勝率39.7%。反対に同6位以下の馬は【1-4-2-95】で、連対例がないわけではないが、好走率は劣る。脚質や展開、馬場状態などを踏まえた上で、最低限の速い上がりが使えないであろう馬は評価を下げたい。
2つの好走条件を満たす馬から
◎ソウルラッシュ
前走は0.1秒差の3着で、上がりも使える馬。明らかに騎乗ミスがあった昨年の安田記念以外、近走は強敵相手にも大崩れしておらず、マイル戦線で地力は上位。以前は位置をあまり取れないところがあったが、富士S以降はそれなりの位置につけながら、変わらぬ末脚を使えるようになっており、成長が見て取れる。
32~33秒台前半の上がりが要求されるようになると、根本的なスピード能力が足りないために好走できておらず、(芝の道悪3戦3勝の)戦績的にも今回馬場が渋って上がりがかかりそうなのはプラス。また、今回は逃げの競馬をしてきたジャックドール、ウインカーネリアン、1200m戦で先行しておりハナに行くことも示唆しているメイケイエールがいて、ペースが落ち着くことは考えにくく、展開的にもこの馬に向きそう。調教も松山弘平騎手が継続的に騎乗していることもあって、しっかりとコンタクトが取れており、前走を叩いて状態も上向いていそうだ。
枠も5枠10番と最高の枠でありながら、他馬に比べて目立った戦績ではなく、そこまで人気もしなさそうなので狙い目と判断して本命に推す。
◯ソングライン
速い上がりが使えるタイプ。東京芝1600mでは現役トップクラスの強さを見せる馬で、NHKマイルC2着、富士S、安田記念、ヴィクトリアマイル1着などの成績を残している。前走は戸崎圭太騎手の好騎乗もあったが、負かしたソダシもマイル戦線では牡馬を含めても上位の力がある馬であり、能力の高さを証明する一戦となった。昨年このレースを制した時と同様のローテで来ており、状態的にも前走より上向いているそうなので、より高いパフォーマンスも期待できる。
大外枠となったが、天気次第では外の方が伸びる馬場になることも考えられ、またこの枠が嫌われて人気が落ちるならかえって狙い目になる。そこまで悲観することではない。
▲ソダシ
速い上がりを使えないタイプの馬から1頭選ぶなら、間違いなくこの馬になる。前走は大外枠が響いてアタマ差の2着となったが、もう少し内枠なら勝っていたような内容であり、評価できるもの。近走は勝ち切れていないものの、昨年のマイルCSでも3着に入るなど安定感は健在。東京芝1600mはこの馬にとって向くコースだと思うし、鞍上・川田将雅騎手もテン乗りではあるが先行馬を粘らせる腕力や技量は日本でトップクラスの騎手だ。単勝系の人気は集めるタイプの馬であるが、連系であれば過剰人気にはならなそうだ。
△シュネルマイスター
2年連続でこのレースで馬券内に入ったほか、マイル戦線での実績は現役トップ。近走の敗戦はどれも不利や馬場などの明確な敗因があるもの。また、外枠に入れたのもプラスで調教の動きも良さそうだ。しかし、過去のレース等を見ると馬場が渋るのは明らかにマイナスなのでこの評価。当日、良馬場でのレースになるのならば本命にしたいだけの力はある。
×セリフォス
前走は距離が長かった。マイルであれば末脚は確かで、この相手関係でも自分の走りさえ出来れば通用するポテンシャルはある。調教で鞍上と上手にコンタクトが取れていないのはマイナスであるが、内枠で上手く壁が作れて、脚を溜めればチャンスはある。
×レッドモンレーヴ
能力はある。1600mならある程度位置は取れるはずなので、そこからいい脚が使えれば。
買い目は◎-◯▲△×への馬連・ワイド計10点で勝負。今週から新馬戦が始まります。安田記念当日の6Rに出るジュントネフは調教時計が素晴らしいので、どんな走りをするのか注目しています。
▽安田記念予想印▽
◎ソウルラッシュ
◯ソングライン
▲ソダシ
△シュネルマイスター
×セリフォス
×レッドモンレーヴ
京都大学競馬研究会
25年以上の歴史がある、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えの本格派が揃う。
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