【ヴィクトリアマイル】Cアナライズからはマイル適性と血統を重視しソダシを本命視 スターズオンアースは距離に不安あり

貴シンジ

2023年ヴィクトリアマイルの前走着順別成績,ⒸSPAIA

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3つのファクターから推奨馬を見つけ出す

NHKマイルCではエエヤンを推奨し2番人気9着。同馬は折り合い、直線の進路取り、ともにスムーズさを欠いたレースで、不完全燃焼に終わってしまった。これも競馬の難しいところだ。さて、今回は5月14日(日)東京競馬場で行われるヴィクトリアマイルについて下記3つのファクターを組み合わせる、コンプレックスアナライズで分析を行っていく。

・レースの好走馬及び凡走馬の共通項を探る「重要データ」
・目には見えない上積みを探る「前走不利データ」
・適性と素質を知るための「血統評価」

特別登録のあった19頭のうち、回避予定のアートハウスを除いた18頭を検討対象とし、過去10年のデータを使用する。

重要データ:前走1着馬は危険

前走着順別成績,ⒸSPAIA


重要データで取り上げるのは前走着順別成績。意外なデータかもしれないが、ヴィクトリアマイルでは前走1着が【0-3-0-38】で勝ち馬が出ていない。

前走1着馬41頭の中には、14年阪神牝馬S1着からの臨戦だったスマートレイアー、15年中山記念1着のヌーヴォレコルト、17年阪神牝馬S1着のミッキークイーンなどがいて、この3頭は全て1番人気で馬券外に沈んでいる。牝馬が良い状態をキープすることは難しいということだろう。

対して前走2~5着は【4-5-8-41】、6着以下は【6-2-2-68】となっていて、2着以下だった馬の成績が良い。前走1着馬は割引が必要だ。

【前走1着から臨戦の出走予定馬】
・アヴェラーレ
・サウンドビバーチェ
・ステラリア
・ララクリスティーヌ


前走不利データ:大阪杯のスターズオンアース

スターズオンアースの前走は大阪杯2着。大阪杯は社台ファームが不得手としているレースで、過去10年間の社台ファーム生産馬の成績は【0-0-2-12】と低調だ。16年ヌーヴォレコルトは3番人気6着、15年スピルバーグは2番人気4着と人気馬もこの成績だ。勝ち切ることはできなかったが2着と好走したスターズオンアースの実力は評価すべきだろう。

ヴィクトリアマイルでの桜花賞好走馬は、18年2着リスグラシュー、20年1着アーモンドアイ、21年1着グランアレグリア、22年1着ソダシ、2着ファインルージュ、3着レシステンシアと成績も良好。スターズオンアースも注目したい一頭だ。


血統解説:スターズオンアース、ソダシ、ナミュール

・スターズオンアース
日本での牝祖は母サザンスターズだが、祖母スタセリタを根幹とする一族の馬たちも日本で多く走っている。祖母スタセリタは仏オークスなどGⅠを6勝した名牝で、牝馬の馬名の頭文字がSで続くいわゆるSラインの一頭。本馬は叔母に17年オークス馬ソウルスターリング(父Frankel)、18年アルテミスS勝ちシェーングランツ(父ディープインパクト)がいる社台ファームが誇る超良血馬の一頭。

末脚の爆発力とスピード性能は抜群である一方、気性的に難しいタイプが多く出るファミリーでもある。しかし、スターズオンアースは難しさをあまり見せないタイプで、ドゥラメンテ牝馬らしく中距離で自慢の末脚を発揮している。東京コース替わりはプラスだが、追走力が高いタイプではないだけに、久しぶりのマイルという距離が不安要素だ。

スターズオンアースの血統表,ⒸSPAIA


・ソダシ
日本での牝祖は3代母ウェイブウインドだが、祖母シラユキヒメがその後継として一族の枝を伸ばしている。この一族は日本に入ってくる前は7代母Milongaを根幹として繁栄を見せ、Milonga自身はイタリアオークス2着の実績がある一流馬でもある。

アメリカで広がったファミリーではあるものの、ダート一辺倒というわけではなく、Milongaの良さを継承した芝向きの産駒も輩出することができている。日本では18年キーンランドC勝ちのナックビーナスもこのファミリーだ。

持続力を活かして競馬をするタイプが多く、成長力も兼ね備えている馬が多いのが特徴。ソダシは父がクロフネなので、牡馬であればダート特化タイプになっていた可能性が高いが、牝馬に出たから芝ダート両方で高いパフォーマンスを維持し続けている。

東京コースも問題なく、高速決着も対応可能。成長力のある血統なので5歳シーズンの今は充実期と言えるだろう。鉄砲駆けするタイプでマイルは適距離なだけに、この舞台であればスターズオンアースに土をつけても驚けない。

ソダシの血統表,ⒸSPAIA


・ナミュール
日本での牝祖は10代母シユリリー。長く日本で繋がってきたファミリーで、遡ればオグリキャップも同じ一族だ。3代母キョウエイマーチは97年の桜花賞馬。そのキョウエイマーチを根幹としてファミリーは繁栄していて、産駒には09年皐月賞2着のトライアンフマーチがいる。

祖母ヴィートマルシェも繁殖として優秀で本馬の母サンブルエミューズの他に、新潟2歳Sと東スポ杯2歳Sでそれぞれ2着のアヴニールマルシェ、BCディスタフ勝ち馬のマルシュロレーヌ、マーキュリーC勝ちのバーデンヴァイラーなどを輩出。

キョウエイマーチ以前は数代活力を見せていなかったが、ここにきてまた再燃の兆しがある。スピードがあり極端な前傾ラップにも対応できるタフさを持った馬が多いことがこのファミリーの特徴だろう。

母サンブルエミューズの父はダイワメジャーでスピードタイプのファミリーの長所を伸ばす形に。本馬はそこにハービンジャーでギアが備わった印象だ。大味な競馬になるタイプで東京コースは合っていて、高速決着にも対応可能だ。ただ、この馬の良さが出る消耗戦にはなりにくいレースであり、勝ち切るには展開の助けがほしい。

ナミュールの血統表,ⒸSPAIA


Cアナライズではソダシを推奨

今回のCアナライズではソダシを推奨する。過去10年のヴィクトリアマイルは複勝回収率100%超え。それだけ荒れやすいレースであることは間違いないが、今年は上位拮抗といった印象だ。

その中でもマイル適性が最も高く、充実一途のソダシを最上位評価とする。スターズオンアースも実力は間違いなく、前走不利データも持っているが、マイルとなると差し遅れる可能性は十分に考えられる。ナミュールも血統適性は高く、割引データにも該当していない。台頭する余地は十分あるだろう。

【ライタープロフィール】
貴シンジ
競馬ライター。サラブレッドの血統をファミリー中心に分析する牝系研究家。3つのファクターから構築する「コンプレックスアナライズ」を駆使して競馬予想を行う。WEBサイト『ウマフリ』で「牝系図鑑」も連載中。競馬予想のほかPOG本での執筆、一口馬主クラブ募集馬やセリ馬の血統分析、血統の魅力の伝承、繁殖牝馬の配合提案などを独自の切り口から行う。

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