【阪神大賞典】参考レース振り返り 連対率6割超の有馬記念組、ボルドグフーシュの内容を高評価

三木俊幸

阪神大賞典に出走予定のボルドグフーシュ,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

参考レース振り返る

3月19日(日)に阪神競馬場で行われる阪神大賞典(GⅡ・芝3000m)は天皇賞(春)に向けた前哨戦。過去10年のデータとともに主な出走馬の参考レースを振り返っていく。

有馬記念【データ:A メンバーレベル:A】

過去10年の成績【5-5-1-5】勝率31.3%、連対率62.5%、複勝率68.8%

過去10年で5勝と抜群の相性を誇る臨戦過程。今年は2着ボルドグフーシュ、7着ジャスティンパレス、8着ディープボンド、16着ブレークアップが出走予定だ。

レースはタイトルホルダーがマイペースでハナを奪い、2番手以下も差がなく追走する展開。勝負所の3角から徐々に進出を開始したイクイノックスは直線に向いても手応え十分で、鞍上ルメール騎手は後続を振り返る余裕がありながら2馬身半差、2:32.4での完勝だった。

ボルドグフーシュは道中後方2番手からレースを進め、2周目の3角から大外を回して進出開始。イクイノックスには及ばなかったが、自ら動いて3着ジェラルディーナ以下を完封した内容は高く評価したい。

ジャスティンパレスは3番手につけるが勝負所に差しかかると手応えが怪しくなり1.1秒差の7着。スッと動くことができず機動力で上位馬に劣ったとも言えるので、菊花賞と同じ3000mへの距離延長はプラスとなるだろう。

ディープボンドもジャスティンパレスと同様に好位からレースを進めたが、着順が振るわなかった。凱旋門賞→有馬記念→阪神大賞典のローテーションは昨年と同じ。連覇を果たした過去2年よりも今年はメンバーが揃った印象を受けるが、レースへの適性については語るまでもない。

ブレークアップは勝ち馬から3.8秒差の16着。2周目の3角で躓くような場面が見られるなど、最後はフォームがバラバラになってしまった。今回は栗東・吉岡辰弥厩舎に転厩しての出走となる。

ステイヤーズS【データ:B メンバーレベル:C】

過去10年の成績【0-1-0-1】勝率0.0%、連対率25.0%、複勝率50.0%

出走は2例だけだが、2022年アイアンバローズが2着、2018年アルバートも4着と大崩れはしていない。今年は前走ステイヤーズSからメロディーレーン、ユーキャンスマイルが登録、また4着アイアンバローズも東海Sを1戦挟んで参戦する。

レースは好スタートからディアスティマがハナを奪い、最初の1000mは1:04.8。その後1周目の3角でアイアンバローズが2番手へとポジションを押し上げていくもペースは淡々と流れていった。最後の直線では前2頭が粘るところに最内の狭いスペースを割ってきたシルヴァーソニックが勝利。勝ちタイムは3:46.3、レーン騎手の好判断が光った。

5着メロディーレーンは終始内でロスなく立ち回ったが、勝ち馬と0.5秒差。現状における自身の能力は発揮しての結果と言える。

8着ユーキャンスマイルは2周目向正面で外から押し上げるも伸びきれず。器用さに欠ける内容だった。2020年の阪神大賞典優勝馬ではあるが、現状ではこれが精一杯という状況だ。

ダイヤモンドS【データ:C メンバーレベル:B】

過去10年の成績【0-1-3-17】勝率0.0%、連対率4.8%、複勝率19.0%

成績はあまり振るわないが、3着内に入った4頭はいずれも4番人気以下で、複回収率でみると166%と悪くない。今年はメイショウテンゲンが登録している。

ウインキートスがレースの主導権を奪いスローペースで流れていたが、2周目3角で中団にいたスタッドリーが一気に捲っていき、先頭が入れ替わる。最後の直線は馬群が横に広がる展開となり、大外から抜け出したミクソロジーと、ぽっかり開いた最内を伸びたヒュミドールが内外離れてゴール。クビ差で制したのはミクソロジー、4連勝での嬉しい重賞初制覇は3:29.1とレコードタイムでの決着となった。

メイショウテンゲンは道中14番手を追走し、最後の直線は大外に持ち出すも見せ場なく、勝ち馬とは1.7秒差の9着。近走内容からは厳しいと言わざるを得ない。

ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。

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