【フェブラリーS】参考レース振り返り レモンポップ筆頭に大混戦、データは東海Sと根岸S組に軍配
三木俊幸
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
フェブラリーSの参考レースを振り返る
2月19日(日)に東京競馬場で行われるフェブラリーS(GⅠ・ダート1600m)。一昨年、昨年と連覇を果たしたカフェファラオはサウジアラビア遠征のため不在、人気を集めることが予想されたギルデッドミラーは故障で急遽引退となった。
第40回にして初めての海外馬・シャールズスパイトがカナダから参戦、地方馬スピーディキックの中央挑戦など楽しみな要素もあって、混戦に拍車がかかる状況だ。過去10年のデータとともに参考レースを振り返っていこう。
根岸S【データ:B レースレベル:B】
過去10年の成績【3-2-3-49】勝率5.3%、連対率8.8%、複勝率14.0%
最多タイの3勝をあげ、2016年以降は毎年3着内に好走する馬を送り出している。ただし出走頭数も最多の57頭と多いため、率はさほど良くない。
スタートからオーロラテソーロとヘリオスが並走して12.2-11.0(23.2)のペースで向正面を進む。3角でオーロラテソーロが先頭に立ち隊列が決まるもペースは緩まず、前2頭は直線で失速。抜群の手応えで5番手から抜け出したレモンポップがギルデッドミラーの追い上げをしのぎ1:22.5で勝利した。
登録があるのは1着レモンポップ、4着タガノビューティー、6着ケンシンコウ、9着ジャスパープリンス、11着アドマイヤルプス、13着セキフウ、14着テイエムサウスダン、15着ヘリオスの8頭。
レモンポップは2走前の武蔵野Sの内容も踏まえると、成績どおりベストは1400m。今回はライバルのギルデッドミラー不在であっさり勝っても不思議ではないが、死角もありそうだ。
タガノビューティーはマイルも守備範囲だがギリギリという印象。ケンシンコウは距離は問題ないが乗り難しく、展開に左右されるタイプだ。アドマイヤルプスは東京コース巧者だが、近走内容を見るとやや能力で劣る。ジャスパープリンス、セキフウも同様のことが言え、距離の壁もある。
テイエムサウスダンは昨年の2着馬でマイル実績もあるが、前走は負けすぎで状態面がどうかだ。ヘリオスも1400m向きだが、根岸Sは前半競り合ったことが失速の原因と考えると、能力を出しきっての負けではないとも言える。
東海S【データ:A レースレベル:B】
過去10年の成績【3-1-1-17】勝率13.6%、連対率18.2%、複勝率22.7%
こちらも最多タイの3勝をマーク。直近3年は好走馬が出ていないが、2015年のコパノリッキーや2019年インティなどが勝利しており、複勝率では根岸S組を大きく上回っている。
レースは連勝中の上がり馬プロミストウォリアがスローペースに持ち込む。直線に向いてもそのままリードをキープし、最後は後続に2馬身差をつけて重賞初制覇。勝ちタイムは1:51.2だった。
フェブラリーSに登録があるのは、8着のオーヴェルニュ。道中は3番手の内でレースを進めたが、直線に向くと後退してしまった。左回りは合っているが、1600mでスピードが求められるレースになると厳しいだろう。
東京大賞典【データ:C レースレベル:A】
過去10年の成績【0-2-1-12】勝率0.0%、連対率13.3%、複勝率20.0%
優勝馬は出ていないが、2013年2着のエスポワールシチーや2019年2着のゴールドドリームのように実績あるGⅠ馬がこのローテーションで結果を残す傾向にある。
レースはショウナンナデシコが主導権を奪い、1:03.5で1000mを通過する。しかしスローペースを嫌ったサンライズホープとリンゾウチャネルが3角手前で捲っていきペースアップ。そうした中、じっと中団で構えていたウシュバテソーロが直線で大外から一気に差し切りGⅠ初制覇を果たした。勝ちタイムは2:05.0、ウシュバテソーロはその後川崎記念も勝利している。
ここからは3着メイショウハリオ、6着ショウナンナデシコの2頭がフェブラリーSへと挑む。
メイショウハリオは、3角で捲っていった2頭を追いかける形で早めに進出。結果的にこれが最後に響いてしまった。近走は右回りで良績が残っているが、10走前に東京ダート1600mの薫風Sを勝利している。3走前の帝王賞ではチュウワウィザードを破っているように、地力は上位。久々の東京コースと距離にすんなり対応できればチャンスはある。
ショウナンナデシコは最後失速して1.3秒差。昨秋以降、牝馬同士でも勝ちきれないレースが続いているが、牡馬相手に勝利したかしわ記念をはじめベストパフォーマンスを発揮したのはマイル戦。久々に適距離となる今回は巻き返しがあってもいい。
すばるS【データ:D レースレベル:C】
過去10年の成績【0-0-0-3】勝率0.0%、連対率0.0%、複勝率0.0%
すばるSからの参戦は3例しかないが、いずれも8着以下と大敗している。
このレースはコパノマーキュリーが12.2-10.7-11.3(34.2)というペースで引っ張った。中団追走から直線では外から伸びたバトルクライが突き抜け、1:23.8で勝利した。バトルクライはその後、根岸Sに出走し、レモンポップから0.2秒差の3着だった。
ここから参戦するのは2着ドライスタウト。2歳時に全日本2歳優駿を勝利したが、3歳春は兵庫CS4着で休養へ。秋に霜月Sを勝ってすばるSに駒を進めた。しかし直線でバトルクライに蓋をされ、その後は外に持ち出してジリジリと差を詰めたがクビ差及ばなかった。
バトルクライを物差しにすれば、ここでも十分通用する力は秘めている。レモンポップの主戦でもある戸崎圭太騎手がこちらに騎乗するのも期待の表れということだろう。
ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。
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