【京都記念】参考レース振り返り ダービー馬ドウデュースの復帰戦、データは有馬記念組が優勢

三木俊幸

2023年京都記念に出走するドウデュース,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

出走予定馬の参考レース

2月12日(日)に阪神競馬場で京都記念(GⅡ・芝2200m)が行われる。京都競馬場の改修工事に伴い今年も1回阪神開催の開幕週が舞台。大阪杯や天皇賞(春)、来月に行われるドバイミーティングを見据えた重要な一戦だ。特別登録は13頭。主な参考レースを過去10年データを交えて見ていく。

有馬記念【データ:A レースレベル:S】

過去10年の成績【2-0-2-4】勝率25.0%、連対率25.0%、複勝率50.0%

最多の2勝をマークしている前走有馬記念組。今年と同じく阪神で行われた2021年にラヴズオンリーユー(有馬記念10着)が勝利している。

レースはタイトルホルダーがスローペースで逃げる展開となったが、中団を追走していたイクイノックスが4角で外から進出を開始。直線に向くと一気に後続を突き放し、2着ボルドグフーシュに2馬身半差をつけて快勝した。

ここからは5着エフフォーリア、6着ウインマイティー、13着ラストドラフトが出走を予定している。

エフフォーリアは3歳時に年度代表馬に輝いた。そのまま古馬中距離路線の主役として君臨するかに思われた昨春、大阪杯9着、宝塚記念6着とまさかの敗戦が続いた。休み明けの有馬記念は5番手から運び最後は差される形となったが、3着とは0.1秒差。春と比較すると復活の気配が感じられた。

これまで関西への輸送がある競馬で結果を残せていないだけに今回も不安はあるが、厩舎側でも精神的なケアも含めて日々工夫されていることだろう。全てが上手く噛み合えば復活があっても不思議ではない。

ウインマイティーの6着は10番手追走から内をロスなく立ち回った結果だが、相手を考えれば健闘したと言える。マーメイドSを勝利、京都大賞典では3着という実績もあり、阪神コースに替わるのは歓迎。開幕週ではあるが上がりのかかる展開になってほしいところだ。

ラストドラフトは11番手からレースを進めたがイクイノックスから2.2秒差。相手が強すぎた。

凱旋門賞【データ:B レースレベル:A】

過去10年の成績【0-0-1-0】勝率0.0%、連対率0.0%、複勝率100.0%

凱旋門賞からの帰国初戦として京都記念に参戦したのは2017年のマカヒキただ一頭。1番人気に支持され3着、最低限の結果は残した。

昨年の凱旋門賞はレース直前の豪雨により日本では考えられないほどの道悪馬場で行われた。結果は好位を追走していた英国のアルピニスタが勝利。日本馬はタイトルホルダーの11着が最先着だった。

ダービー馬ドウデュースは後方からレースを進めたが、フォルスストレートに差しかかるところでは最後方まで下がり、全くレースに参加できず19着に終わった。

当初はジャパンCに出走予定だったが自重し、目標をドバイターフに切り替えた。今回はその前哨戦的な意味合いが強いが、2月1日の追い切りでは栗東CWで6F80.3-66.0-51.8-36.9-22.5-11.2という動きを披露。今回はドバイで好勝負するためにも結果が求められる。

日経新春杯【データ:C レースレベル:B】

過去10年の成績【1-0-0-18】勝率5.3%、連対率5.3%、複勝率5.3%

19頭が出走して3着内に入ったのは昨年の優勝馬アフリカンゴールドのみ。数字面では決して良いとは言えない。

レースはアフリカンゴールドが1000mを1:02.1とスローペースで逃げる展開。直線では馬場の良い外から伸びたヴェルトライゼンデが差し切り、ハンデ59kgを克服してジャパンC3着馬の貫禄を見せつけた。

このレースからは2着キングオブドラゴン、3着プラダリア、9着アフリカンゴールドが出走を予定している。

キングオブドラゴンはゴール前でクビ差交わされたが2番手からしぶとく粘った。しかし、ハンデ戦で55kgだった前走に対して今回は別定戦で57kg、条件好転とは言えない。

最後は失速したアフリカンゴールド、ここは京都記念連覇がかかる。開幕週の馬場と展開を味方につけたいところだが、近走成績も不振で同型ユニコーンライオンの登録もある。昨年のようにはいかないだろう。

プラダリアは中団から4角大外を回る形となったが、勝ち馬と並んで伸びて0.1秒差という内容。相手強化となるが、持久力勝負に持ち込めば上位に割り込む力はある。

中日新聞杯【データ:C レースレベル:C】

過去10年の成績【0-0-0-1】勝率0.0%、連対率0.0%、複勝率0.0%

京都記念への参戦は2022年のラーゴムの9着のみ。ラーゴムは13着からの臨戦だったが、今回は中日新聞杯を勝利したキラーアビリティが出走予定。

1000mを1:01.9というスローペースでギベオンが逃げ、先行集団は一団となった。直線に向いて各馬がズラッと横に広がる混戦となったが、キラーアビリティは4角13番手から馬群を割って、先に抜け出したマテンロウレオをクビ差捉えた。ホープフルS以来となる久々の勝利を飾った。

この馬の武器は機動力があり、長く良い脚を使える点。それだけに阪神の内回りコースも合いそうな印象だ。前走の勢いそのままに上位争いが期待される。

ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。

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