【オールカマー】ハイブリッド式消去法の本命はデアリングタクト! 内枠なら要注意のキングオブドラゴン

八木遊

2022年オールカマー消去法データ,ⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

先週の『セントライト記念』は、ローシャムパークを自信の本命に抜擢したが、消去したガイアフォースとアスクビクターモアを前になすすべなく3着に敗れた。馬券は本命馬の複勝を押さえていたが、まさにトリガミ中のトリガミ。それでも的中したことを前向きにとらえたい。

今週予想するのは日曜の中山メイン、『オールカマー』。先週のセントライト記念と同じく中山競馬場で開催された過去10回(2014年新潟開催を除く11~13、15~21年)を対象に、複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップ。条件に当てはまった馬を消していく。

『前走東開催』×『非社台系生産』★3.0%★

まず注目したのは前走で東京・中山・新潟・福島の「東開催」を走った馬。過去10回の成績は【2-3-4-44】(複勝率17.0%)で、複勝率は前走「西開催」組の約半分(33.3%)だった。特に苦戦しているのは社台系列以外の牧場で生産された馬で、その成績は【1-0-0-32】(同3.0%)。唯一馬券に絡んだのは、13年1着のヴェルデグリーンだけだった。

今年このデータに当てはまったのは以下の4頭。昨年の2着馬ウインキートスに加えて、長期休養明けのクリスタルブラックとバビット、さらに今回が昇級初戦のロバートソンキーもまとめて消去する。

【今年の該当馬】
・ウインキートス
・クリスタルブラック
・バビット
・ロバートソンキー

『関東馬』×『前走9番人気以下』★3.1%★

2つ目は東西別データから過去10回で【6-5-5-71】(複勝率18.4%)の関東馬を取り上げたい。これに掛け合わせるのは前走時の人気だ。前走8番人気以内の関東馬は【4-5-4-38】(同25.5%)と水準以上の成績だったが、同9番人気以下は【1-0-0-31】(同3.1%)とかなり苦戦している。

今年このデータに当てはまったのはアドマイヤアルバとクレッシェンドラヴの2頭。どちらも年齢的に上がり目も見込めず、ここは消去して問題ないだろう。

【今年の該当馬】
・アドマイヤアルバ
・クレッシェンドラヴ

『前走ハンデ戦』×『前走から斤量増 or 同斤量』★5.0%★

3つ目は前走でハンデ戦を使われた馬をチェックする。過去10回の成績は【2-3-3-49】(複勝率14.0%)で、このデータだけでも厳しい条件であることが分かる。これに前走からの斤量増減データを掛け合わせる。前走から斤量減で臨んだ馬は【1-2-3-11】(同35.3%)と、高い確率で馬券に絡んでいた。ところが、前走から斤量増もしくは同斤量でオールカマーに臨んだ馬は【1-1-0-38】(同5.0%)。前走ハンデ戦組からは斤量減の馬を狙いたい。

今年、消去条件に当てはまったのは4頭。すでに消した2頭に加えて、どちらも福永祐一騎手が主戦を務めるジェラルディーナとフライライクバードの2頭をリストに追加する。

【今年の該当馬】
・(アドマイヤアルバ)
・(ウインキートス)
・ジェラルディーナ
・フライライクバード

『前走GⅢ以下』×『前走人気>前走着順』★5.6%★

4つ目は前走GⅢ以下のクラスから参戦してきた馬。過去10回の成績は【2-3-3-64】(複勝率11.1%)と低調だ。特に苦戦しているのは、その前走で人気を上回る着順に好走していた馬たち。その成績は【0-2-0-34】(同5.6%)で、複勝率はほぼ半減する。

今年この条件に該当したのはアドマイヤアルバとヴェルトライゼンデの2頭。後者は長期休養明けの鳴尾記念を勝ち、今回は上位人気が濃厚。オールカマーに向けた調教でも好時計を出しており、勝っても全く驚かないが、ここはあえて逆らってみたい。

【今年の該当馬】
・(アドマイヤアルバ)
・ヴェルトライゼンデ

『キャリア21戦以上』×『今回6~8枠』★2.9%★

ここまで登録13頭中9頭を消去し、残ったのは4頭。最後はキャリア21戦以上の馬を取り上げたい。過去10回の成績は【1-3-3-67】(複勝率9.5%)と、このデータだけで複勝率は10%を下回る。これに掛け合わせるのは今回の枠順だ。1~5枠の【0-3-3-33】(同15.4%)に対し、6~8枠は【1-0-0-34】(同2.9%)とその違いは明らか。最後はこの組み合わせを採用したい。

残っている4頭のうち、21戦以上こなしているのはキングオブドラゴンだけ。もし外目の枠を引いた時は素直に消去する。

【今年の該当候補】
・キングオブドラゴン

5つの条件を終えて、確実に残るのはソーヴァリアント、テーオーロイヤル、デアリングタクトの3頭となった。そろって上位人気が濃厚の実績馬で、おそらく1番人気に支持されるのはデアリングタクトだろう。現時点の序列はデアリングタクト、テーオーロイヤル、ソーヴァリアントの順。ただし、5つ目のデータでキングオブドラゴンが消去を免れたときは、この馬の粘り腰に注意したい。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2021年には全重賞の予想、買い目、年間収支をTwitterに掲載したが、回収率は自己ワーストの46.4%に終わる。単複ワイドに絞った今年の回収率は62.0%(9月19日現在)。

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