【ひまわり賞】九州産2歳馬の頂上決戦 注目は4連覇中「本田土寿牧場」と複勝率90%超えの「1・2番人気」

東大ホースメンクラブ

ひまわり賞条件別成績,ⒸSPAIA

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九州産・2歳馬の頂点へ

ジャックドールの勝利で終わった札幌記念に続き、今週は若駒たちの飛躍の第一歩となる新潟2歳S、名物障害レース・小倉サマージャンプ、サマースプリントシリーズ第5戦・キーンランドCの3重賞が行われる。最終盤に差し掛かった夏競馬、それぞれのフィールドで熱き戦いが繰り広げられることだろう。

ただし、注目すべきは華やかなグレードレースだけではない。土曜小倉9Rに施行される特別戦「ひまわり賞」。今週は夏の小倉を彩る名物レースの歴史を紹介し、馬券で狙える条件を分析していく。

めざせ「九州産の星」

まずは同レースについて簡単に解説する。

日本で生産されるサラブレッドは7000頭を超えるが、大半が北海道産。宮崎・熊本・鹿児島といった九州産は100頭に満たない。ひまわり賞はそんな九州で生を受けた2歳馬たちの頂点を決める1200m戦で、前身の「九州産3歳特別」を含めると50年を超える歴史を持つレースだ。佐賀競馬場で行われる霧島賞(3歳以上)・たんぽぽ賞(3歳限定)とともに、九州産馬の目標となる一戦だ。

過去の勝ち馬には1998年の札幌3歳Sで3着に入ったマークキングオー、2005年のアイビスサマーダッシュを勝ったテイエムチュラサン、2016年の小倉2歳S3着・カシノマストなどの名前があり、北海道生まれの馬たちと互角の戦いを繰り広げる「九州産の星」を輩出してきた。

中でも2020年の勝ち馬ヨカヨカは同レースを斤量57kgで馬なり圧勝し、デビュー3連勝を飾った。暮れの阪神JFでは同じく九州産のルクシオンとともに出走し、ソダシ、サトノレイナス、ユーバーレーベン、メイケイエールに続く5着。のちに現役トップクラスで活躍する馬たちに全く見劣りしない素晴らしい走りを見せた。

その後、フィリーズレビュー2着、葵S2着と実績を重ね、8月の北九州記念では雨を切り裂いて先行押し切りで重賞ウィナーに輝いた。同年の大舞台・スプリンターズSを前に故障で無念の引退も、タレントが出揃う2021年牝馬クラシック世代の中でも異質の存在として、ファンにどこまでも夢を見せてくれた。

今年のひまわり賞も栄冠を目指して中央・地方から計17頭が登録している。このなかから未来の「九州産の星」が出てくることに期待しながら、過去10年データを分析し、馬券の狙い目を考えていく。

現在4連覇中の本田土寿牧場

過去10年のひまわり賞 条件別成績,ⒸSPAIA


<過去10年のひまわり賞 条件別成績>
1・2番人気【7-8-4-1】勝率35.0%/連対率75.0%/複勝率95.0%
前走5着以下【0-0-2-86】勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率2.3%
本田土寿氏生産【4-1-2-21】勝率14.3%/連対率17.9%/複勝率25.0%

特徴的なのは上位人気が非常に安定している点。1・2番人気に限定すると昨年の1番人気だったシュンメキラリ(8着)を除いて全頭が馬券圏内に入っている。該当の2頭軸で買い目を組むのが基本の戦略となりそうだ。

人気に関連して前走着順にも顕著な傾向が出ている。馬券圏内に入った30頭中、28頭が前走4着以内。前走で5着以下だった馬は3着2回にとどまっており、連系馬券では評価を下げたいところだ。今年は前走4着以内が7頭となっている。

生産者別ではヨカヨカやイロゴトシなど数々の活躍馬を送り出した本田土寿牧場が4連覇中。今年もオバケノキンタ、カシノスパイス、セロンテソーロの3頭がエントリーしている。なかでもオバケノキンタは小倉芝1200mで2戦2連対と相性がよく、前走はセロンテソーロに2馬身半差をつけて勝利している。有力候補の一頭だ。

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。

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