ルメール騎手、横山武史騎手参戦のシャーガーカップ 歴代の日本人騎手、今年の注目騎手を紹介

高橋楓

シャーガーカップの歴代日本人招待騎手,ⒸSPAIA

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シャーガーカップとは? 日本からはC.ルメール騎手と横山武史騎手が参戦!

おそらく私が「風車ムチ」という単語を初めて耳にしたのは1989年のジャパンカップ。あのホーリックスとオグリキャップが当時の世界レコードで叩き合いを披露したレースである。L.オサリバン騎手のグルングルン回転させるムチ捌きには驚嘆した。

さて、8月6日にはイギリスのアスコット競馬場に16名のジョッキーが招待され、シャーガーカップが行われる。年に1度の祭典に今回は注目してみたい。

シャーガーカップ 日本代表騎手,ⒸSPAIA


もともとは1999年にヨーロッパ選抜VS中東選抜で始まったシャーガーカップ。2000年の第2回からはイギリス・アイルランド選抜VS世界選抜の対抗戦になり、日本からは蛯名正義騎手が招待された。前年にエルコンドルパサーと共に凱旋門賞制覇まであと一歩に迫っていたのもあり、欧州での知名度も抜群だったのだろう。

2007年からはイギリスVSアイルランドVSヨーロッパ選抜VS世界選抜の4チーム対抗戦に様変わり。そして2012年よりイギリス・アイルランド選抜VSヨーロッパ選抜VS世界選抜VS女性騎手選抜の現在の形となった。シャーガーカップは6つのレースに騎乗し、チームの総合得点を争う。

シャーガーカップ ダッシュ(芝・直線1000m)
シャーガーカップ ステイヤーズ(芝・3200m)
シャーガーカップ チャレンジ(芝・2400m)
シャーガーカップ マイル(芝・1600m)
シャーガーカップ クラシック(芝・2400m)
シャーガーカップ スプリント(芝・直線1200m)

実際の距離は数m短くなっているが、日本競馬で馴染みのある数字に揃えてみた。この6レースで1着から5着までに15、10、7、5、3ポイントがそれぞれ付与されチームの合計得点で争うのだ。

次に、過去に参加した日本人騎手を振り返ってみたい。

武豊(2003、2004、2007、2008、2011、2012、2015、2018年)
岩田康誠(2010、2013年)
福永祐一(2006、2014年)
蛯名正義(2000年)
横山典弘(2001年)
後藤浩輝(2002年)
内田博幸(2009年)
池添謙一(2016年)
戸崎圭太(2017年)
川田将雅(2019年)
藤田菜七子(2019年)

最多出場は過去8回出場の武豊騎手。特筆すべきは4回目の参加となった2008年。この時は通算1万勝以上のアメリカのラッセル・ベイズ騎手、ブラジルのジョルジ・リカルド騎手と共に世界選抜で出場しキャプテンをつとめた。そして1レース、2レースを連勝し最終レースでも3着になる活躍を見せてくれた。決して有力馬に恵まれていたわけではないなかでの好成績。「ユタカ・タケ」健在を世界中にアピールした。

今年はC.ルメール騎手が2011年の欧州選抜以来の出場で、今回は日本代表として世界選抜のキャプテンをつとめる。前回は勝ち星をあげられなかっただけにリベンジの大会となる。また、横山武史騎手も世界選抜として参戦。父の横山典弘騎手は2001年に出場した時はスプリントで2着しており、その成績を超えたいところだ。

超豪華メンバー集結! 各チームの注目騎手を紹介!

シャーガーカップ2022 騎乗予定騎手,ⒸSPAIA


・世界選抜
C.ルメール(キャプテン・日本)、横山武史(日本)、K.マカヴォイ(オーストラリア)、J.コレット(ニュージーランド)

注目はK.マカヴォイ騎手。もともとゴドルフィン軍団の主戦騎手の一人として活躍。若干20歳でオーストラリアの大レース、メルボルンカップを制している。ちなみに、この時に騎乗したブルーの母は1989年にジャパンカップを制したホーリックスである。

日本では2017年ワールドオールスタージョッキーズの際に来日し、3歳未勝利戦で7番人気のレッドラトナで穴をあけた。今でもオーストラリアのGⅠ戦線で活躍する手腕に注目だ。

イギリス、アイルランド選抜
J.スペンサー(キャプテン・アイルランド)、D.タドホープ(イギリス)、N.カラン(アイルランド)、K.シューマーク(イギリス)

注目はK.シューマーク騎手。昨年行われたイギリスのナッソーSにて、25歳ながら初めてGⅠを制した新進気鋭の若手騎手だ。今年もイスパーン賞をドリームローパーで制するなど勢いは止まらない。

キャプテンをつとめるのはJ.スペンサー騎手。英国のリーディングを獲得した経験もあり、ディアドラと共に2020年の凱旋門賞へ挑戦したのが記憶に新しい。

ヨーロッパ選抜
L.デットーリ(キャプテン・イタリア)、R.ピーヒュレク(ドイツ)、A.フレス(イタリア)、J.マルチネス(スペイン)

注目はスペインのJ.マルチネス騎手。スペイン人騎手が当レースに出場するのは2013年のI.メンディザバル騎手以来となる。母国で史上3人目の通算1000勝を記録し、1995年から2007年の間に9回もリーディングを獲得した名ジョッキー。筆者もレース映像を多く見てきたわけでは無いだけに、スペインの英雄がどの様な手綱さばきをするか胸が高まる。

ヨーロッパ選抜は他にも昨年の凱旋門賞をトルカータータッソで制しアッと言わせたR.ピーヒュレク騎手にも注目しておきたい。

女性騎手選抜
H.ターナー(キャプテン・イギリス)、H.ドイル(イギリス)、N.カリー(イギリス)、E.ウィルソン(カナダ)

女性騎手選抜も凄いメンバーが揃った。2011年にGⅠを2勝するなど活躍し、一度は引退するも現役復帰をしたH.ターナー騎手。シャーガーカップでもお馴染みで、2018年と2019年に2年連続でシルバーサドル(最多得点騎手)に輝いた。

他にも、今年のフランスオークスをナシュワで勝利し女性騎手初の欧州クラシック制覇を達成したH.ドイル騎手。N.カリー騎手は昨年もシャーガーカップに出場し5レース中(2-1-1-1)と大活躍しシルバーサドルに輝いた。E.ウィルソン騎手は2007年にカナダのダービーにあたるクイーンズプレートを女性として初めて制した。近6回大会中3大会は女性騎手選抜が優勝しており、今年も目が離せない。

《ライタープロフィール》
高橋楓。秋田県出身。
競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』にてライターデビュー。競馬、ボートレース、競輪の記事を中心に執筆している。

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