【安田記念】上がり最速馬が9年連続馬券内 軸はやはりシュネルマイスター、気になる大穴ロータスランド

佐藤永記

安田記念上がり最速馬の成績,ⒸSPAIA

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長い直線VSマイルの短さ

平地GⅠで1番人気が10連敗しているなか、安田記念も1番人気が6連敗中。なにせアーモンドアイやグランアレグリアが1番人気で負けているので、印象は相当強いだろう。ただ、負けて強しといった2、3着が多く、裏を返せば結果は紙一重のGⅠでもある。

2013年から2015年はいずれも1番人気が勝利。2013年は4連勝中のロードカナロア、翌年は3連勝中のジャスタウェイ、その翌年も3連勝中のモーリスと、1番人気は圧倒的な実績があった。とはいえ、あのアーモンドアイも7連勝中に2019年安田記念に挑み3着に敗れているので、断然の実績馬なら大丈夫、とも一概に言えないのが難しいところだ。

やはり東京で行われるマイルGⅠなので、直線でしっかり伸びる馬の成績が良い。実際、9年連続で上がり最速馬が馬券圏内に入っている。

上がり最速馬が馬券に絡まなかったのは2012年(※2017年は最速タイのモズアスコット1着、サトノアレス4着)。4角18番手のスマイルジャックが8着になった事例で、残り3F地点での先頭との時計差は2.0秒。さすがに後ろすぎた。ちなみに上がり2位のストロングリターンが優勝しており、勝負になる位置取りからの“実質上がり最速”なら馬券圏内に入れるということ。出走馬中、上がり性能が一番高いと思う馬は馬券から外せない。

だが、前残りがないわけではない。わかりやすい事例はアエロリット。2018年は道中3番手から上がり34.0でクビ差まで粘り込み、2019年は逃げて上がり33.9、こちらもクビ差まで粘った。上がり重視で差し優勢とはいえ、距離が短めのマイル戦。逃げ先行が粘り込む道は残っている。

上がり最速馬候補はやはりシュネルマイスター

9年連続で馬券圏内となっている上がり最速馬。馬券の軸はここから探したい。候補としてはやはりシュネルマイスターが筆頭だろう。

昨年3歳でNHKマイルCを制して挑んだ安田記念で3着。その後毎日王冠を勝ってからマイルCSではグランアレグリア相手に2着。昨年秋のマイルGⅠ最先着馬としてここに挑む。位置取りも後ろすぎずで立ち回れるので、確実に馬券に絡んできそうだ。

ヴィクトリアマイルで目処立つレシステンシア

粘り込む候補としてはレシステンシアが最有力。ヴィクトリアマイルからの連戦だが、前走は2番手の先行から上がり34.1で3着に粘っている。レース内容からアエロリットの再現に期待できそうだ。

東京マイルはNHKマイルC2着、2021年ヴィクトリアマイルは6着も、この時は2~7着まで全てクビ差だった。3回とも上位争いには残っている。牡馬が加わって相手強化と思われがちだが、ヴィクトリアマイルのソダシも強かった印象で、さほどレベルは変わらないと感じている。

なにより今回のメンバーを見ると逃げ先行が少ない。ホウオウアマゾンあたりが先行候補だが、阪神に良績が集中していて、東京は【0-0-0-2】の馬だ。

そのほかで気になるのはロータスランド。前走の高松宮記念はスプリント戦の重馬場で7番手からの競馬だったが、2走前の京都牝馬Sや、直線が長い新潟の関屋記念で先行勝ちしており、「もしかしたら」感を出している。大穴で入れておきたい。

軸 シュネルマイスター
注 レシステンシア
穴 ロータスランド

<ライタープロフィール>
佐藤永記
20代を公営ギャンブラーとして過ごし、30歳から公営競技の解説配信活動を開始。競馬を始め多くの公営競技ファンに各競技の面白さや予想の楽しみを伝えている。現在はYoutubeで配信活動を続けながらライターとして公営競技の垣根を超えて各所で執筆中。

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