【葵S】最多キャリアの経験値、ウインマーベル快勝! 負けて強しウインモナーク次走注

SPAIA編集部 鈴木佑也

2022年葵ステークスのレース結果,ⒸSPAIA

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キャリア上位馬のワンツー

翌日の東京芝2400mを舞台に春のクラシック戦線がひと段落を迎えるかたわら、短距離に専念した3歳馬たちにとっても、この葵ステークスで春の戦いが一つのピリオドとなる。

人気順の予想すら難解だった大混戦、終わってみれば勝ったのは1番人気のウインマーベル。それも2馬身半差の快勝であった。

短距離重賞らしい逃げ馬多数のメンバー構成。内からウラカワノキセキが主張するも、それを制してトップキャストが先頭に。600m通過33.2秒は、馬場の違いこそあれ同コース・高松宮記念の33.4秒よりも速い。先行勢にはツラい展開だった。

反面、こうなっても外を回しての大味な差しはそうそう届かないのが中京芝1200mの特徴。3~4角が下り坂、角度的にもキツいため、ここで外を回すロスは見た目以上に大きい。引き合いに出した高松宮記念も、ナランフレグは内枠から馬群を捌いての差し切り。葵Sも勝負は内目、中団で脚を溜めたグループに限られた。

ウインマーベルは4枠7番から内の8番手。4コーナー出口で進路がキレイに開いて、あとは追い出すだけのスムーズな競馬ぶり。鞍上の好騎乗、展開が向いた、枠順がよかった、という見方もできるが、それを可能にしたのはこの馬の操縦性の高さ。昨年の6月にデビューし、出走メンバー中最多10戦のキャリアの中で、先行、差しなど様々なパターンの競馬を経験したことが存分に生きた。経験値の違いを見せつけた勝利だ。

2着コムストックロードも内枠、勝ち馬の後ろからしぶとく脚を伸ばしてきた。こちらも2歳6月のデビューで、キャリア8戦は出走メンバー中2位タイだった。

混戦だからこそ枠順と展開がモノを言い、そしてそれを味方につけられる操縦性、経験値が勝負を分けたといっていい。

4着ウインモナーク、次走注

3着ブレスレスリーも上位2頭と同じく2歳6月デビュー馬。葵S自体、早期デビュー馬が好成績というデータにも沿っての好走となった。序盤のポジションから一列下げてでも極力外を回さないM.デムーロ騎手の判断だったが、それでも外枠の分、距離ロスがあったのは否めない。初めての差す形にいきなり対応した点も含めて、今後に期待が膨らむ内容だった。2勝クラスで足踏みする馬ではないだろう。

上位を差し勢が占めるなか、先行して唯一粘ったのが4着ウインモナーク。レース後の松岡正海騎手のコメントによると状態面がベストではなかったようだが、それでも濃い内容。次走で見直したい。1200mなら古馬と混じっての重賞でもチャンスはありそうだ。

5着カイカノキセキは好発から差しに回る競馬。速い流れを読み、あえて先行しない、というのは前走3着時と同様の戦略だった。実際、展開自体は向いたものの3着争いに加わったところがゴール。現状はパンチ不足か、ゲートセンスを生かして前で運ぶ形が合うのかもしれない。

2番人気で13着と敗れたコラリンは、ゲートで大出遅れ。前々走は600m通過35.1秒、前走は同36.2秒からの距離短縮でハイペース。馬群に取り付き、追走するだけで脚を使い切ってしまった。輸送による気性的な課題も含めて、ゆったりと運べる東京に戻っての反撃を待ちたい。


2022年葵Sのレース展開,ⒸSPAIA




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