【大阪杯】前走好走と騎手の継続騎乗が鍵 条件満たすエフフォーリア堅軸

佐藤永記

大阪杯騎手状況別成績(過去5年),ⒸSPAIA

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多くの路線から集まるG1

昨年の大阪杯記事でも紹介したのだが、G1になって今回で6回目となる大阪杯はデータが少ないなかでもはっきりとした傾向が2つ存在している。昨年の結果にもほぼ当てはまった点なので、今年も同じように整理してみたい。

大阪杯 前走着順別成績(GⅠ昇格後の過去5年),ⒸSPAIA


まず1つ目「前走大敗は厳禁」である。G1となってから5年分のデータを見てみると、前走5着以内=掲示板圏内だった馬で【5-3-5-40】。つまり2着2回以外は前走で掲示板に入っている。理由としてはマイラーから長距離馬まで一同に介しやすい2000mという施行条件のため、しっかりと有力馬が集まりやすく、順調ではない馬には厳しいG1だからではないかと考えたい。

例外の2頭を整理しよう。大阪杯がG1になった2017年に2着だったステファノスは前走金鯱賞が6着であったものの、1着とは0.3秒差。3着から7着までがハナ、クビ、ハナ、クビ、ハナ差という大激戦のなかでの6着で、例外扱いしていい内容だった。

もう1例は昨年2着だったモズベッロだ。前走の京都記念は0.8秒差の8着としっかり負けているのだが、昨年は重馬場だった大阪杯。良馬場以外で【1-0-1-3】、道悪の宝塚記念で3着があったモズベッロは勝ち馬レイパパレと同じ最速上がり36.8を出し、重い馬場に苦戦した他馬を3角からロングスパートで追い上げていた。馬場適性の差と捉えてよさそうである。

このように明らかな例外でない限り、前走掲示板を外すような大敗組の巻き返しは厳しいのが大阪杯だ。また、今年は昨年と違い今のところ日曜の天気は晴れそうである。

乗り替わりの多いG1、継続騎乗できれば有利

もう1つの条件は「継続騎乗優勢」である。前走と同じ騎手ならば【4-3-4-22】だが、乗り替わりだと【1-2-1-32】と差が出る。これもマイルから長距離まで各路線から有力馬が集まった中で、お手馬が被った騎手に選ばれた馬のほうが素直に結果を出しやすいということ。逆にいえば、大阪杯は乗り替わりが多くなりやすいG1でもある。

大阪杯 騎手状況別成績(GⅠ昇格後の過去5年),ⒸSPAIA


乗り替わりが発生したのに馬券対象の3着以上となった4例を見てみる。

2021年2着 モズベッロ 前走三浦皇成騎手⇒池添謙一騎手
理由:三浦騎手がブラヴァス(8着)に騎乗したということもあるが、このレースから主戦の時期があった池添騎手に戻った。

2019年1着 アルアイン 前走柴山雄一騎手⇒北村友一騎手
理由:前走は北村友騎手の落馬負傷に伴う代打。本番は北村友騎手に戻った。

2019年3着 ワグネリアン 前走藤岡康太騎手⇒福永祐一騎手
理由:前々走まで全て福永騎手が騎乗、前走の藤岡康騎手が代打だった。

2018年2着 ペルシアンナイト 前走M.デムーロ騎手⇒福永祐一騎手
理由:前走騎乗のM.デムーロ騎手が優勝したスワーヴリチャード(前走金鯱賞をM.デムーロ騎手で1着)を選択した。

こうしてみると、もともと主戦だった騎手に戻ったパターンがほとんど。やむを得ない乗り替わりとなったペルシアンナイトの際も、M.デムーロ騎手が選んだスワーヴリチャードが先着。やはり、基本的には継続騎乗となった馬のほうが優勢である。

今年、この2つの条件を満たしたのはアカイイト、アフリカンゴールド、エフフォーリア、キングオブコージ、ジャックドール、ポタジェ、レイパパレの7頭。この中だとやはりエフフォーリアを無視することはできない。

同レースに出走予定のウインマリリンも横山武史騎手がずっと騎乗していたが、エフフォーリアを選択。必勝体制だと考えたい。エフフォーリアを馬券の軸として、条件を満たした馬たちへの馬券で考えたいところだ。

<ライタープロフィール>
佐藤永記
20代を公営ギャンブラーとして過ごし、30歳から公営競技の解説配信活動を開始。競馬を始め多くの公営競技ファンに各競技の面白さや予想の楽しみを伝えている。現在はYoutubeで配信活動を続けながらライターとして公営競技の垣根を超えて各所で執筆中。

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