【大阪杯】人気馬優勢も「仕方ない」乗り替わりは要チェック 狙ってみたいワグネリアン

佐藤永記

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各路線トップが集う大阪杯で前走大敗はもってのほか

大阪杯はG1となって今年で5回目。G1開催としての過去データが少なくサンプル少ないのだが、逆に少ないサンプルから強く出ている傾向に「意味がありそうか」を状況から考察することで「使えるかも」という条件を探してみるのもたまには楽しい。

あえて少ないサンプルを掘り下げていこうと思う。過去4回しかないG1の大阪杯過去結果から特徴を探すと、まずは前走着順から極端な傾向が出ている。

大阪杯・前走着順別成績ⒸSPAIA


勝ち馬は前走掲示板となる5着以上。3着内も1例を除き前走が5着以上だった。しかも例外だった1例は2017年大阪杯2着のステファノスで前走は金鯱賞6着(1着と0.3秒差)と、掲示板まであとわずかだった。

サンプルが少ないが、この傾向には理由付けがしやすい。昨年秋競馬で優秀な結果を出した馬の春競馬復帰戦、ないしは前哨戦で結果を出した馬が一気に集うのが大阪杯。距離もマイラーから長距離馬まで出走しやすく多彩な路線の有力馬が揃いやすい。前走成績が奮わない馬が巻き返すにはとてもハードルが高そうである。

そして今年の大阪杯の登録では例年にないほど前走大敗馬が多い。13頭中、前走7着以下だった馬は6頭もいる。過去4回で前走7着以下馬は合計7頭しかいなかったのだが、今回私はバッサリと切ってみようと思う。

乗り替わりは減点材料に

次に騎手の乗り替わりだ。前走から乗り替わるか継続騎乗か、それぞれの成績を見ると乗り替わりが【1-1-1-23】に対し、継続騎乗が【3-3-3-21】。継続騎乗の方が3倍結果を出している。

大阪杯・前走との騎手比較成績,インフォグラフィック,ⒸSPAIA

大阪杯・前走との騎手比較成績ⒸSPAIA


もちろん乗り替わりで馬券になった馬がいないわけではないが、これも理由付けがしやすい。先述の通り多くのローテや路線から馬が集うため、騎手のバッティングが非常に起きやすいのが大阪杯である。エージェント契約も増えてきた昨今において有力騎手は乗る馬を「選びやすい」状況だ。

ちなみに乗り替わりが発生したのに馬券対象の3着以上となった3例を見てみる。2019年の1着アルアインの場合、前走の柴山雄一騎手が北村友一騎手の落馬負傷による代打で、本番は北村友騎手に戻った形。同年福永祐一騎手騎乗で3着だったワグネリアンは前走が藤岡康太騎手だったが、こちらも前々走まで全て福永騎手で、藤岡康騎手がそもそも代打だった。

最後の1例は2018年福永騎手騎乗で2着だったペルシアンナイト。前走騎乗していたM.デムーロ騎手は優勝したスワーヴリチャード(前走金鯱賞をM.デムーロ騎手で1着)とかぶっており、「乗り替わられて着順を落とした」形だ。

3例全て見ても乗り替わりに前向きな理由があるか、主戦に選ばれた馬より着順を落としていたことになる。やはり大阪杯での乗り替わりは基本得策ではない。現に2017年と2020年は1着から3着まで全て継続騎乗馬で独占している。

「仕方ない」乗り替わり、ワグネリアン

だが、乗り替わりがなく前走成績が良い馬となるとコントレイル、グランアレグリア、サリオスと人気上位どころばかりなってしまう。これでは配当的な期待は望めない。それなら、1頭狙いたい馬がいる。ワグネリアンだ。

これまで基本的に福永騎手が騎乗していたが前走京都記念(5着)では武豊騎手が騎乗。しかし武豊騎手負傷のため今回乗り役には吉田隼人騎手の初騎乗が予定されている。乗り替わりの理由としては「仕方ない」の部類だ。先に紹介したとおり、大阪杯3着だった一昨年も乗り替わりだった。

近況1着はないが溜めて直線に向けば確実に伸びてはくる馬。この馬からなら馬連やワイドでコントレイル、グランアレグリア、サリオスに流しても充分な配当が期待できそうだ。

<ライタープロフィール>
佐藤永記
20代を公営ギャンブラーとして過ごし、30歳から公営競技の解説配信活動を開始。競馬を始め多くの公営競技ファンに各競技の面白さや予想の楽しみを伝えている。現在はYoutubeで配信活動を続けながらライターとして公営競技の垣根を超えて各所で執筆中。

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