【中山記念】とにかく先行馬優勢! 期待は条件に合致する4歳馬たち

佐藤永記

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頭数が久々に揃った中山記念

96回目となった伝統の中山記念。枠番や馬番で内外どっちが有利なのかざっと見たところ「ああ、そういやフルゲートにならない重賞だったなあ」と思い留まった。今年は登録17頭でフルゲート16頭が叶いそうだが、16頭だったのは2010年まで遡ることになり、直近では全くフルゲートになっていない重賞。

昨年は14頭だったが、遡ると9頭、11頭、10頭……フルゲート割れどころか、平均10頭前後という状況。こうなると過去傾向から枠の有利不利を探るのはあまり意味がない。純粋に、いま中山芝1800mを一番よく走れそうな馬を探したほうがよいと判断し、予想する。

4角5番手以内が80.0%! 圧倒的先行有利

中山記念4角位置別成績,ⒸSPAIA


直近10年でフルゲートがないとはいえ、見逃せないのが4角位置だ。なにせ4角5番手以内だった馬が3着以内の80.0%を占めるほど、先行有利の結果となっている。勝ち馬も10頭のうち4角3番手だった馬が5頭、4番手だった馬が4頭で、唯一の例外が10年前の2012年フェデラリストの4角6番手である。

中山記念脚質別成績,ⒸSPAIA


また、脚質別成績でみても、3着以内に差し、追込が2頭以上入った年がなく、逃げ、先行が必ず2頭以上となっている。また、逃げ馬は【0-1-3-6】で複勝率は40.0%あるが、勝ち馬になった例は直近10年はない。つまり、中山記念はしっかり先行できる馬を2頭チョイスし、3連複で流せばほぼ当たる「はず」だ。

中山記念前走脚質別成績,ⒸSPAIA


ただ、この予想の危険なところは「じゃあ前走先行した馬を選ぼうかな」と安易に考えないほうがいい。なぜなら、前走差しだった馬が6勝しているからだ。昨年の覇者ヒシイグアスも前走中山金杯を17頭立て8番手から4角6番手まで押し上げての1着。しかし、本レースでは14頭立て4番手からと位置を上げてレースをしていたように、前走の差しから距離短縮を見据えて前目で競馬してハマるパターンがむしろ王道である。2019年ウインブライト、2016年ドゥラメンテもそのパターンだ。

また、前走マイルで差しだった馬が先行策でハマるパターンもある。2020年ダノンキングリーも前走はマイルCSで7番手から5着だったが、このレースでは3番手から勝利。2015年ステファノスが前走富士Sを10番手から差し切り勝ち後、7番手からの3着だった。いずれにせよ、前走が先行である必要はないが、先行できそうな差し馬を選ぶのもアリということだ。

3頭とも面白いのが4歳勢

注目は4歳勢だ。過去10年でも4歳の成績は【4-3-5-13】と戦えている。今年登録されている3頭の4歳馬はいずれも魅力的だ。

まずはマイルCS3着から出走のダノンザキッド。差し競馬だったとはいえ8番手と位置は前目。そして中山は【1-0-1-1】。大敗した皐月賞、勝ったホープフルS、3着だった弥生賞まですべて先行策だった。鞍上が中山なら先行のほうが。と考えれば実績もあるため手堅い軸になってくれそうだ。

ワールドリバイバルも面白い。菊花賞大敗は例外として、ほとんど逃げで戦ってきた馬だが、ラジオNIKKEI賞は2番手からの競馬で2着と結果を出している。しかもコースが似ている福島芝1800mでの実績なのは面白い、うまく走れたら一発ありそうだ。

皐月賞4着馬のアドマイヤハダルも、ダービー大敗、ディセンバーS5着後の前走白富士Sで14頭立て7番手からの2着。もともと先行馬だったことを考えればここも十分期待できる。

この4歳3頭を1、2列目にした3連複流しが面白そうだ。ワールドリバイバルあたりが奮起すれば大穴も見込めそうで今から楽しみである。

<ライタープロフィール>
佐藤永記
20代を公営ギャンブラーとして過ごし、30歳から公営競技の解説配信活動を開始。競馬を始め多くの公営競技ファンに各競技の面白さや予想の楽しみを伝えている。現在はYoutubeで配信活動を続けながらライターとして公営競技の垣根を超えて各所で執筆中。

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