【競馬】「ルメール騎手からの乗り替わり」で注目の騎手を紹介 M.デムーロ騎手なら妙味大

東大ホースメンクラブ

【キーワード※全角文字のみ】,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

C.ルメール騎手からの乗り替わりで好成績の騎手は?

今週末は京都競馬場でGⅠ天皇賞(春)が開催される。長距離の最強馬を決する芝3200mの戦い。昨年の菊花賞1・2着馬ドゥレッツァやタスティエーラをはじめ、古馬では阪神大賞典を完勝したテーオーロイヤルなど、非常に楽しみなメンバーが揃った。

なかでもひと際注目を集めるのがドゥレッツァだ。今年初戦となった前走の金鯱賞では2着に敗れているものの、2走前の菊花賞は圧巻のパフォーマンスで完勝。再び3000m以上の距離となる今回は、真価が問われる一戦となる。

しかし、そんなドゥレッツァにも大きな懸念点が。キャリア7戦中5戦でコンビを組んでいるC.ルメール騎手からの乗り替わりだ。

JRAで最も騎手人気する男と言っても過言ではない名手だが、3月のドバイワールドカップデーで落馬負傷。この春のGⅠシリーズでは有力馬の乗り替わりが相次いでおり、桜花賞ではチェルヴィニアが4番人気13着、皐月賞でもレガレイラが1番人気で6着に敗れている。

気になる復帰時期については、自身が手掛けるアパレルブランドの公式サイトで展開されているブログの中で「5月前半」を目標に進めていくことが明かされている。残りわずかな見込みとはいえ、復帰までの間、前走ルメール騎手の馬に誰が乗っているのか。引き続きチェックしていく必要がありそうだ。

そこで今回は、「ルメール騎手からの乗り替わりで好成績の騎手」をテーマにデータを紹介していく。第一章ではリーディング2~6位の騎手について取り上げ、第二章ではそれ以外で妙味のある騎手について取り上げることとする(参照するデータは2019年4月13日~2024年4月21日の過去5年分)。


仕事人、戸崎圭太騎手

C.ルメール騎手からの乗り替わり成績 トップジョッキー編,ⒸSPAIA


<C.ルメール騎手からの乗り替わり成績 トップジョッキー編>
川田将雅【32-18-9-36】勝率33.7%/連対率52.6%/複勝率62.1%
戸崎圭太【30-19-16-85】勝率20.0%/連対率32.7%/複勝率43.3%
横山武史【21-19-13-89】勝率14.8%/連対率28.2%/複勝率37.3%
鮫島克駿【2-1-5-18】勝率7.7%/連対率11.5%/複勝率30.8%
坂井瑠星【1-3-4-22】勝率3.3%/連対率13.3%/複勝率26.7%

まず取り上げるのは川田将雅騎手。勝率30%超え、複勝率は60%超えと素晴らしい数字を残している。ルメール騎手の継続騎乗成績は勝率24.9%、複勝率54.7%であり、それを上回るというのだから恐ろしい。また、ダートでの乗り替わりはさらに信頼度アップ。【15-9-0-12】で勝率41.7%、単勝回収率110%とプラス域をマークしている。

次に取り上げるのは戸崎圭太騎手。こちらも高い勝率を記録している。重賞での乗り替わりだと【5-2-2-9】で単勝回収率200%、複勝回収率118%と妙味も十分だ。今年の春も日経賞のクロミナンス(2番人気2着)やダービー卿CTのパラレルヴィジョン(2番人気1着)など、人気馬をきっちり好走させている。今後の重賞戦線で信頼したい騎手の一人だ。

横山武史騎手は単勝回収率53%、複勝回収率63%で妙味は薄い。重賞でも【1-2-1-10】で単勝回収率は33%であり、意外にも先日のニュージーランドTのエコロブルームがルメール騎手からの乗り替わりでの重賞初制覇だった。ちなみに、2歳戦に限定すると【3-3-0-11】で単勝回収率は91%にまでアップする。

鮫島克駿騎手は1、2着数に対して3着数の多さが目立つが、複勝率は30.8%を記録しておりまずまず。人気を落とした該当馬で馬券に絡むこともあり、単勝回収率は160%とプラス域をマークしている。あまりにも人気がないと感じた場合は積極的に紐に入れていこう。

坂井瑠星騎手はサンプル数が少ないという事情はあるが、勝率3.3%で単勝回収率5%と苦戦が目立った。該当馬を見かけた場合は割り引くのが無難だ。

東京コース×M.デムーロ騎手で単勝回収率196%!

C.ルメール騎手からの乗り替わり成績 単勝回収率100%オーバー編,ⒸSPAIA


<C.ルメール騎手からの乗り替わり成績 単勝回収率100%オーバー編>
M.デムーロ【14-7-5-39】勝率21.5%/連対率32.3%/複勝率40.0%/単勝回収率123%/複勝回収率80%
北村宏司【6-5-5-33】勝率12.2%/連対率22.4%/複勝率32.7%/単勝回収率109%/複勝回収率94%
J.モレイラ【5-3-1-6】勝率33.3%/連対率53.3%/複勝率60.0%/単勝回収率114%/複勝回収率86%

先述した騎手以外で、ルメール騎手からの乗り替わりの回収率が100%を超えている騎手を数人紹介する。

まずはM.デムーロ騎手、単勝回収率は123%だ。今年の重賞ではきさらぎ賞で8番人気のシヴァースを3着に好走させている。狙い目となるのは東京コースでの乗り替わり。【10-2-2-13】で勝率37.0%、複勝率51.9%。単勝回収率は196%とさらに数字を伸ばす。ルメール騎手からの乗り替わりではないが、今年は6番人気のコスモキュランダでGⅡ弥生賞を制するなど復調気配。今年の春はデムーロ騎手に要注目だ。

次は北村宏司騎手。単勝回収率は109%だ。2勝クラス以下の乗り替わりは【5-5-5-26】複勝率36.6%、3勝クラス以上だと【1-0-0-7】同12.5%で明らかに下級条件の方がいい。特に1勝クラスは【3-1-2-9】で単勝回収率159%と妙味も増す。また、皐月賞のレガレイラなどのように社台系の生産馬に騎乗することも多いが、この条件は【4-3-1-18】勝率15.4%、単勝回収率148%と期待値が高い。重賞はともかく、下級条件で見かけたら積極的に狙いたい。

最後に紹介するのは、マジックマンことJ.モレイラ騎手。単勝回収率は114%。先日の桜花賞でもステレンボッシュをきっちり勝利させた。昨年もGⅡ東スポ杯2歳Sを4番人気のシュトラウスで勝利しており、今春の重賞戦線でも引き続き大暴れしてくれるだろう。

その他に単勝回収率が100%を超えている騎手としては、武藤雅騎手【1-2-0-11】単勝回収率284%、幸英明騎手【2-3-0-9】同162%、横山典弘騎手【2-2-1-11】同155%、木幡育也騎手【2-1-1-6】同120%、佐々木大輔騎手【3-2-1-5】同108%などがいる。

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。

《関連記事》
【天皇賞(春)】ドゥレッツァ、サリエラは消し ハイブリッド式消去法
【天皇賞(春)】GⅠでは5戦未勝利の武豊騎手×国枝栄調教師 レジェンドタッグがディープ産駒サリエラで挑む
【天皇賞(春)】過去10年のレース結果一覧

おすすめ記事