【京都記念】菊花賞組レッドジェネシス、飛躍の年へ ユーバーレーベンにも好データ

門田光生

京都記念の前走クラス別成績(過去10年),ⒸSPAIA

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開幕週の阪神が舞台

2022年2月13日に行われる第113回京都記念。今年も京都ではなく阪神競馬場が舞台となるが、距離はいつもの2200mで施行される。開幕週ということで、天候にさえ恵まれれば良好な馬場状態で行われそう。

参考までに、同じ条件で行われた昨年はレコードからコンマ3秒差という時計勝負となった。そんな伝統のGⅡ戦にはどのような傾向があるのだろうか。いつも通り過去10年のデータを参考にして、好走パターンを見極めていきたい。

京都記念出走馬の所属と性別,ⒸSPAIA


☆所属と性別
関西のレースということもあって、栗東所属馬が美浦所属馬より3倍以上も多く出走している。栗東が16連対(8勝)、美浦が4連対(2勝)と優勢だが、勝率と連対率の差はほとんどなし。特にホーム有利という傾向は出ていない。

性別は牡馬・セン馬が15連対(8勝)、牝馬は5連対(2勝)だが、連対率は牝馬の方がいい。ただ、3着はすべて牡馬・セン馬で占められており、馬券圏内で考えると互角の評価でいいだろう。

京都記念出走馬の年齢,ⒸSPAIA


☆年齢
年齢が若いほど連対数が多い。連対率も同様だが、勝率だけは6勝を挙げている5歳馬がトップ。2着は1回しかないので、5歳馬を狙うなら頭からということになる。また、7歳以上から勝ち馬は出ていない(2着は1回)。

基本的に4、5歳が中心と考えてよさそう。特に美浦所属馬に顕著な傾向が出ており、美浦所属で馬券に絡んだ5頭はいずれも4、5歳馬。6歳以上の美浦所属馬15頭は全て馬券外(今回は登録なし)。美浦所属の4、5歳馬は半分以上が馬券に絡んでいることになる。これは強いデータといえる。

京都記念出走馬の前走クラス,ⒸSPAIA


☆前走クラス
条件戦から挑んできた馬はすべて馬券外。伝統のGⅡ戦だけあって、格が重要となってくる。オープン経由組も該当する10頭中、2013年の2着馬ベールドインパクトしか連対馬が出ていない。

このベールドインパクトは、菊花賞4着や京都新聞杯2着の実績を持っていた。基本は重賞組が中心となる。中でも成績がいいのはGⅠ組。レースに関係なく馬券に絡んでおり、とにかく前走がGⅠなら無条件で加点していい。

サンプルは少ないが、菊花賞からここへ挑んできた馬は【1-1-0-1】。2018年にはワン、ツーを決めている。着外は2012年のトーセンラーで、それでも4着。今年も菊花賞組がいれば、それだけで有力候補と考えていい。

重賞の中でもGⅡ組は【1-2-2-35】で、最多の出走頭数を考えると連対馬が少なく、割引が必要。特に日経新春杯組は【0-0-0-17】と不振が目立っている。

京都記念におけるプラスデータ,ⒸSPAIA
京都記念におけるマイナスデータ,ⒸSPAIA


☆その他
そのほかで気になったデータを挙げてみる。まずプラスデータだが、58キロの重い斤量を背負った馬は【1-1-1-1】。傾向的に人気通りに決まるレースではないが、58キロを背負うぐらいの実績馬がいれば注意したい。また、美浦所属馬で57キロ以上を背負った馬は【1-1-1-0】で、少ないながらすべて3着以内に好走している。

逆に56キロだった美浦所属馬は【1-0-0-17】となり、一気に連対率が下がってしまう。ここまで書いて登録馬を見ると、1頭も該当馬がいなかった。このデータは来年に持ち越しとなる。あと、前走6番人気【2-0-1-6】、前走7番人気【2-1-2-6】となっており、これに該当する馬は穴で狙えそうだ。

マイナスデータは、中3週のローテーションに該当する19頭すべてが着外で、うち17頭は日経新春杯組。また半年以上開いていた馬からも連対馬は出ていない。

美浦所属馬がカギだったが……

京都記念のデータをまとめてみる。まず好走確率が高くなるのはA「4、5歳馬、特に美浦所属」B「前走GⅠ、特に菊花賞組」C「前走6、7番人気」。好走率が下がってしまうのはD「前走が条件、オープン、日経新春杯出走馬」E「中3週、または半年以上開いている」となる。登録が出る前の段階では美浦所属馬がポイントになると思っていたが、今回登録があったのはユーバーレーベンだけ。

もともと美浦所属馬の出走が少ないレースではあるが、これは少なすぎる。気になって調べてみると、2013年、2018年、2020年も美浦所属馬が1頭しか出走していなかった。このうち、2018年が3着(レイデオロ)、2020年は2着(カレンブーケドール)と孤軍奮闘していた。

さて、上記のプラス・マイナスのデータと、今回の登録を照らし合わせて気になったのは「4、5歳の美浦所属」に該当するユーバーレーベンと、「菊花賞組」に該当するレッドジェネシス。

ともに連対率が最も高い4歳馬で、マイナスデータはなし。どちらを上に取るか悩むところだが、ユーバーレーベンが前走で走ったジャパンカップ組は過去7頭走っていて、2着は1回あるものの勝ち馬は出ていない。というわけで、◎レッドジェネシス、◯ユーバーレーベンの順とする。

3番手以下だが、まず【0-0-0-17】に該当する日経新春杯組は軽視していいだろう。その前走だが、距離は2000m、しかも今年すでに使っている馬より、このレースが今年の初戦という馬の方が好走する確率が高くなっている。

これに該当するジェラルディーナとラーゴムを相手に加えておきたい。穴で推したい前走6番人気はダノンマジェスティだけが該当。ただ、日経新春杯組なので今回は見送りとしたい。

◎レッドジェネシス
◯ユーバーレーベン
▲ジェラルディーナ
△ラーゴム

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
テレワークが増えたこともあって、昨年からコタツをやめてテーブルを買って仕事をしているのですが、冬が思った以上に寒い。北向きの部屋だから余計にそう感じます。これまでほとんど使わなかった暖房が大活躍してますが、その分、電気料金もハネ上がりました……。

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