【京成杯】レコード決着エリカ賞2着の実力は本物 東大HCの本命はヴェールランス

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京成杯インフォグラフィック,ⒸSPAIA

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巻き返しは厳しいか

1月16日(日)に中山競馬場で行われる京成杯(GⅢ・芝2000m)。皐月賞と同じ舞台で行われるクラシックへの登竜門に今年は16頭が顔を揃えた。新潟2歳Sの2着馬、クラシック候補アライバルやホープフルSからの巻き返しを図るオニャンコポンなどが出走を予定している。信頼できるのは果たしてどの馬か、今週もデータを踏まえて検討していこう。

初めに、過去10年の傾向を分析する。


過去10年京成杯前走着順別成績,ⒸSPAIA


まずは前走着順別から。狙うなら前走で連対している馬。前走1着馬が7勝を挙げている他、2着5回、3着7回と優秀だ。前走2着馬も【1-2-2-4】と出走頭数が少ない割には好走する事例が多く、複勝率は50%を上回っている。

一方、前走3着の馬になると成績は大きく下がる。【0-1-1-8】と勝ち星はなく、連対率、複勝率はともに前走2着馬の半分以下だ。前走4着以下の馬が振るわないことはいうまでもない。


今回が昇級戦となる馬でも侮れない

過去10年京成杯前走クラス別成績,ⒸSPAIA


続いて前走クラス別に詳しく見ていく。勝利数という面では前走1勝クラス組が最多の4勝を挙げているが、勝率に関しては前走新馬戦組が15%でトップ。どちらも本レースが昇級戦、格上挑戦となっていた組だ。また前走で未勝利戦を制した馬も連対率は14.8%と比較的優秀。新馬戦を負けているということで評価を落としがちだが、決して侮ってはいけない。一方でオープン【1-0-1-12】や重賞【1-4-1-34】を戦ってきた馬は意外にも不振だった。


新馬戦で激闘を演じた2頭が再び

◎ヴェールランス
先行しつつ直線でも脚を使えるタイプ。先行馬は過去10年で【4-3-3-29】と最も成績が良く、脚質的にも期待できる。前走のエリカ賞はゴール前で差されるもよく粘っていた。勝ち馬は2歳コースレコードでの勝利。この馬もクビ差での2着ということで走破時計は優秀といえる。このときの勝ち馬サトノヘリオスはホープフルSで敗れているが、中1週での出走が響いたもの。エリカ賞の評価を下げるのは早計だ。裏を返せば、サトノヘリオスの大敗によって侮られるなら狙い目となる。

◯テンダンス
未勝利戦は進路をこじ開けて4馬身差での圧勝だった。しかしそれ以上に強い内容だったのが前走の東スポ杯2歳S。今年の3歳馬筆頭イクイノックス、素質馬アサヒに食い下がって3着を確保した。4着馬とは3馬身差だったことからも、上位3頭の力が抜けていたことを見て取れる。新馬戦ではヴェールランスとの激闘を演じるものの、惜しくも敗れてしまった。2頭の力関係にさほど差はないものの、新馬戦の結果を見る限りではこちらを対抗の評価に留めるのが妥当だろう。

▲アライバル
新馬戦は稍重の中、上がり33秒7の末脚で勝利。時計のかかる馬場を得意とすることから中山の舞台は合いそう。またハービンジャー産駒は【2-0-1-6】と過去10年で最多の2勝を挙げ、血統的にも期待大だ。ただ一点気にかかるのが、最近のルメール騎手は絶不調であること。ホープフルSのコマンドラインや先週のラスール、エリカヴィータなど、重賞で人気馬を飛ばしがち。今回も絶対的な信頼はできない。

△ロジハービン
ハービンジャー産駒からもう1頭、この馬を選ぶ。国枝厩舎の馬ということもあってか新馬戦ではエンジンのかかりが遅く、わずかに届かず2着。中山で行われた前走の未勝利戦では進路を見つけると一気に差し切った。昇級戦でも侮れない。

以下、相手として百日草特別で連対したホウオウプレミア、オニャンコポンを押さえる。穴としては重賞での実績があるトーセンヴァンノを推奨する。

◎ヴェールランス
◯テンダンス
▲アライバル
△ロジハービン
×ホウオウプレミア
×オニャンコポン
☆トーセンヴァンノ

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。



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