【2歳馬ジャッジ】高指数勝ちのウィズグレイスとサリエラ 大事に使えば今後の活躍が期待できる素質馬2頭
山崎エリカ
ⒸSPAIA
今後が楽しみな素質馬が現れた11月4週目の2歳戦
このコラムでは古馬のレースと比較しながら2歳戦の指数を算出し、出走馬を評価していく。東京ではウィズグレイスがレコードで勝利し、阪神では上のクラスでも戦える指数で勝利したティントリップなどがでた11月27日、28日の2歳戦について、指数と評価を掲載する。
11月27日(土) 東京3R 優勝馬 サンストックトン 指数-6 評価A
新馬戦では後の百日草特別の2着馬ホウオウプレミアの2着。前走の未勝利戦では1クラス上の指数で勝利したレヴァンジルの2着だったサンストックトン。今回はデビュー3戦目で今回のメンバーでは実績、指数ともに飛び抜けていた。ただし、前走の未勝利戦は1勝クラスレベルの指数で決着した超ハイレベル戦で、また緩みない流れだったことから今回は疲労残りが懸念される状態だった。
レースは今までの2戦よりも行きっぷりが悪く、中団の後方で待機する競馬。最後の直線半ばでは反応があまりよくなく、これはピンチかと思わせる瞬間もあったが、最後はしっかり伸びて勝利した。結果は2馬身差の快勝。未勝利クラスとしては優秀な部類の指数だったが、前走比では指数をダウンさせての勝利。やはり前走の疲れが残って、万全ではなかったのだろう。それでも勝利したところに底力を感じた。今後も使われながら活躍が期待できそうだ。
11月28日(日) 東京1R 優勝馬 シーヴィクセン 指数-13(ダート) 評価A
デビューから3戦は芝を使われて3着、2着、4着という成績だったシーヴィクセン。今回はデビュー4戦目にして初ダートの一戦となった。レースは好スタートから逃げる競馬。最後の直線でゴーサインを出されるとしっかり伸び、結果は7馬身差の独走。
指数は古馬1勝クラス級、前日の2歳オープン・カトレア賞でも勝ち負けになるレベル(今年のカトレア賞はオープンとしてはかなりの低指数決着)の指数を記録して勝利した。初ダートでこの指数が記録できるなら、今後の活躍がかなり期待できそうだ。
11月28日(日) 東京4R 優勝馬 ウィズグレイス 指数-14 評価AA
新馬戦では1番人気の支持を受けたが、スタートが悪く中団外でレースを進め、4角では大外に持ち出し、ラスト2F11秒2-11秒0の流れに対応しきれず5着に負けたウィズグレイス。レースは緩やかな流れで、前が楽な競馬。好意的に解釈すれば、脚を余したとも言える内容だった。今回はデビュー2戦目、さてどのように変わってくるか。
今回は1枠でスタートはあまり良いとは言えなかったが、東京芝2000mの内枠の利を活かして先手を奪取し、緩みないペースの逃げ。ラスト2Fくらいから後続を突き放し、6馬身差の圧勝。走破タイム1分58秒5は超優秀。指数は先に行われた新潟2歳S、京王杯2歳S、ファンタジーSと同等なものを記録。今回はとにかく強かった。
ただし、最後の直線では完全に一杯になっており、余裕があったようには見えない。疲れが残ってしまいそうな走りに感じた。今回の走りで能力の高さは証明したが、ここから先の使い方には気をつける必要があると思う。
11月28日(日) 東京6R 優勝馬 サリエラ 指数-9 評価AA
スタートは五分だったが、内枠の利を活かし逃げる競馬となったサリエラ。最後の直線では、4角で2列目の外から同馬に並びかけて来た1番人気サイルーンとの完全なマッチレース。最後はサリエラがグイッと伸びて3馬身差の勝利だった。
今回サリエラが記録した指数は、現2歳世代芝部門の新馬戦では最高値。2着サイルーンも普通の新馬戦ならば勝利濃厚レベルの指数だったが、相手が悪すぎた。ラスト2Fは11秒3-11秒9。やはり激しいマッチレースだったので余裕は残せなかったようだ。
ただし、サリエラの上がり3Fタイムは33秒9とこの日の東京としてはかなり優秀。総合的に考えるとデビュー2戦目に東京スポーツ杯2歳Sを勝利したイクイノックスの新馬戦に似ているように思う。大事に使えばかなり大きいところを狙えそうな馬だ。
11月27日(土) 阪神3R 優勝馬 ハンス 指数-5 評価B
新馬戦では最速タイの上がり3Fタイムを記録しながら2着に惜敗したハンス。今回はデビュー2戦目、スタートでははっきりと出遅れた。道中は中団の内、最後の直線では狭い最内を突いてしっかり伸びて勝利。これでデビューから2戦続けて最速の上がり3Fタイムを記録と、底を見せていない。指数も悪くなく、なかなか面白い馬になっていきそうだ。
11月28日(日) 阪神3R 優勝馬 タイセイディバイン 指数-5 評価B
新馬戦で6着、その後2着、3着、2着だったタイセイディバイン。特に前走2着時の指数は未勝利クラスとしては優秀で、前走を再現できれば勝利確実と言える状況だった。
レースは外枠から楽に先手を取り、直線ではもうひと伸びして後続を突き放してゴールイン。阪神芝2000m以上のレースは差し、追い込み有利な傾向が続く状況だっただけに、これは苦しいかと見ていたが、結局最後までバテることなく逃げ切った。
さすがに指数は前走比でややダウンでの勝利となったが、逃げ馬不利な馬場状態で勝利したことには大きな価値がある。重賞などで穴を開けそうなタイプと感じる。
11月28日(日) 阪神4R 優勝馬 ティントリップ 指数-12 評価B
内枠から逃げたクールココナヒメの外2番手でレースを進めたティントリップ。向正面で3番手の馬が上がってきたが、スムーズにレースを運び、最後の直線ではクールココナヒメを目標に動き、しっかり伸びて差し切った。ラスト2Fは12秒5-12秒5。走破タイムも1分12秒9とかなり速く、指数は古馬1勝級レベルのものだった。最後まで減速することなく、優秀な走破タイム。かなり上が目指せそうな馬だ。
11月28日(日) 阪神6R 優勝馬 メイショウラナキラ 指数-4 評価A
スタートでアオって頭を持ち上げ、かなりロスがあったメイショウラナキラ。後方内からの競馬となったが、向正面では内から好位の後ろまでポジションを上げ、3~4角では3番手。直線では前の馬の間を割って2番手に上がると、直線ではグングン伸びて4馬身差の圧勝。
ラスト2Fは11秒6-11秒7。上がり3Fタイムはメンバー中、断トツの1位。これは強かった。スタートでロスがあったことを考えれば、さらに高い評価ができる。地味なタイプの馬だが、かなり能力は高そうで、今後が期待できる。
※パワーポイント指数(PP指数)とは?
●新馬・未勝利の平均勝ちタイムを基準「0」とし、それより価値が高ければマイナスで表示
例)ウィズグレイスの指数「-14」は、新馬・未勝利の平均勝ちタイムよりも1.4秒速い
ライタープロフィール
山崎エリカ
類い稀な勝負強さで「負けない女」の異名をとる女性予想家。独自に開発したPP指数を武器にレース分析し、高配当ゲットを狙う!netkeiba.com等で執筆。好きな馬は、強さと脆さが同居している、メジロパーマーのような逃げ馬。
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