【マーメイドS】馬場に応じて微妙に変わる狙い馬 良馬場なら条件向くシャドウディーヴァ

佐藤永記

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条件馬も多く、展開も馬場で微妙に変わる

牝馬限定戦の時間だああああ!ということでマーメイドSである。阪神芝内回り2000mという条件は例年通りなのだが、違うのはBコースで開催される点だ。例年ならば3,4月ごろの2回阪神後半でBコースが使われ、6月ごろの3回阪神はAコースでスタートするのだが、今年は京都改修の影響で開幕週からBコースになっている。

また、今年は3回阪神の2日目というのも微妙に違う。例年ならば4日目だ。いつもならば鳴尾記念が3回阪神の開幕レースとして同じ内回り2000mで開催されており参考になるのだが、今年の鳴尾記念は中京で開催された。

微妙な違いを頭に入れつつも小さな違いと考えてマーメイドSの近年傾向を見ると、重賞レースとしては時計が遅めという傾向がある。過去10年全てで勝ち時計は1分59秒以上、遅い年には2分台に入っている。大阪杯、宝塚記念という中距離の王道G1路線があり、さらには鳴尾記念も直前にあるので実力馬ならそちらに回ることが多い。そのため、必然的にマーメイドSは牝馬限定戦のなかでも落ち着いたレベルになりがちだ。

マーメイドSの天候・馬場と1着馬4角位置,インフォグラフィック,ⒸSPAIA

マーメイドS 過去10年ⒸSPAIA


牝馬限定戦としても、各地でこれまで1800mを中心に重賞が開催され、ヴィクトリアマイルも終えた後のタイミングで施行されるため、時計でいえば2000mを1分58秒台で勝負できるほどの馬ならば、ここには登録してこない印象だ。

1着馬の上がり時計を見ても、2014年、15年は33秒台であったものの、2016年からは34秒~36秒と一般的な重賞中距離の上がりと見比べても遅めの部類となる。前半が速いからこうなるというわけでもなく、レース全体の時計が遅めなので、それに対応する形になっている。

全体的な傾向として、複勝圏内に入るのは差し追い込みの比率が高いものの、先行馬が1着に残っている年もある。だが、残っている年は大概スローペース寄りの年か、雨、稍重馬場など有利な要素があった年だ。

整理すると
・鋭いキレはいらないから、長くいい脚を使える差し追い込み馬
・スロー、雨、重馬場などがあれば先行馬にチェックが必要

といった感じだ。執筆時点では土曜・日曜とも天気予報が微妙で、それぞれ狙い馬を挙げる形でいきたい。

雨が降ったら福島牝馬Sの先行馬組を

良馬場で差し優勢前提で狙いたいのはシャドウディーヴァだ。ヴィクトリアマイルに向かっていたが骨瘤で回避。状態自体は問題なさそうで、東京新聞杯で10番手から3着と差す形はきちんとできる馬だ。前走は不良馬場で持ち味が殺されたなかでも13番手から5着まで上がってきていた。着自体は展開やコースに左右されやすい馬だが、今回の条件ならば「向いている」と見て評価を上げたいところである。

もう1頭は抽選を突破したイズジョーノキセキだ。デビュー戦6着以外は12戦して掲示板を外したことがなく、着差も最大で0.4秒差までしかないという安定感が魅力だ。先行から差しまで位置取りを問わないところも信頼感が増す。未だ3勝クラスの身ではあるが、出走できれば取り上げないわけにはいかない馬で、牝馬限定のG3ならば積極的に狙いたいところである。

スロー、雨、重馬場のいずれかが期待できる状況で狙いたい先行馬からは、大激戦となった今年の福島牝馬S組で前々から上位着に粘り込めた馬をそのまま取り上げたい。4角5番手から3着となったサンクテュエールと、4角3番手から4着となったフィリアプーラだ。もし馬場が悪くなるなどの状況になれば、福島牝馬Sでの着順「以上」の結果が期待できるだろう。

抽選が広く、オッズが事前には見えないため馬券作戦は難しいが、この4頭を馬場などの状況に応じて狙っていきたい。

<ライタープロフィール>
佐藤永記
20代を公営ギャンブラーとして過ごし、30歳から公営競技の解説配信活動を開始。競馬を始め多くの公営競技ファンに各競技の面白さや予想の楽しみを伝えている。現在はYoutubeで配信活動を続けながらライターとして公営競技の垣根を超えて各所で執筆中。

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