【青葉賞】初の東京コースも条件ピッタリ 「差しが届く高速馬場」で狙ってみたい馬とは?

三木俊幸

2021年青葉賞の馬場適性チャートⒸSPAIA

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芝2300mでレコード決着

日本ダービーへの2枚の切符をかけて争われるトライアル、青葉賞(GⅡ・芝2400m)。本番よりも速いタイムでの決着となることもあるものの、勝ち馬からダービー馬は誕生していない。今年こそジンクスを打ち破る馬は出てくるのだろうか。先週末の馬場傾向と各馬の適性からレースを分析していく。

4/24・25の東京芝コース タイムと上がりⒸSPAIA


クッション値は土曜日が10.0、日曜日が10.3と硬め、ゴール前の含水率は土曜日が15.2%、日曜日が13.1%と適度に水分も含んでいた東京開幕週の芝コース。そうした中で行われた新緑賞(3歳1勝クラス・芝2300m)はSペースで流れていたにも関わらず、2:18.4というレコードタイムがマークされるなど、特に土曜日は高速決着が目立っていた。

2日間を通じて開幕週らしく上がりタイムは速かったが、中でも日曜日は6レース中5レースの勝ち馬が33.5以下。含水率の低下とともに上がりも速くなるという傾向にあった。今後の開催においても一つの目安になるだろう。

4/24・25の東京芝コース 通過順位ⒸSPAIA


また通過順位を見ると、開幕週ながら4角先頭から3着内に入ったのは33頭中3頭のみ。対照的に4角で10番手以下だった馬は7頭と後方からの差しも決まりやすい傾向にあり、直線での進路どりにおいても内外の差はなかったと言えるだろう。

今週は木曜日が雨予報。レース当日は雨の心配がなさそうだが、雨量次第では先週末よりは水分量の多い馬場でのレースとなりそうだ。上がりタイムは先週末より遅くなる可能性が高い。それでも馬場状態が良いだけにある程度の瞬発力が求められ、中団からレースを進める馬の好走が続くと分析する。

条件が合いそうなアオイショー

これらのデータを踏まえたうえで、注目馬をピックアップした。1頭ずつ詳しく見ていこう。

2021年青葉賞の馬場適性チャートⒸSPAIA


【ワンダフルタウン】
過去4戦の上がり最速タイムは34.0と切れるタイプではない。新馬戦でダノンザキッドの2着、未勝利戦をレコードタイム勝ちと能力の高さは見せているので、好位からロスなく立ち回れば通用はすると思うが、叩いて本番という感じも否めない。

【キングストンボーイ】
前走の共同通信杯はハイレベル。上がり最速の33.3を使ったが、4角10番手と位置取りが悪く、届かなかった。距離延長で中団から流れに乗ってレースを進めることができれば、好走が期待できる。

【アオイショー】
3戦とも中山コースでのレースだが、跳びが大きく東京向きという印象を受ける。前走の山吹賞は4角で外を回って動き、そこから前を捕まえるまでの瞬発力は目を見張るものがある。条件が合いそうなので、是非とも狙ってみたい一頭だ。

【リーブルミノル】
前走のアザレア賞では内を上手く立ち回り、上がり33.9で勝利。パワーが必要とされた冬の中京開催で内容と比較すると、時計の速い馬場の方が向いている印象を受ける。相手なりに走ることができ、脚質にも自在性があるので、ロスなく立ち回れば好走してもおかしくない。

【ワンデイモア】
弥生賞ディープインパクト記念では、東京コース向きながら先物買い的な意味で推奨したが7着に敗戦。広いコースで距離延長と条件が好転する今回、押さえておきたい。

ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在は競馬ライターとしてだけでなく、カメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場で取材活動を行っている。

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