【フローラS】開幕週でも差し有利 ソダシに挑戦状を叩きつける素質馬は潜んでいるのか?

三木俊幸

2021年フローラS出走馬の馬場適性ⒸSPAIA

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2019年は51.9%が4角7番手以下

今週末はGⅠレースこそないものの、東京競馬場ではオークストライアルのフローラS(GⅡ・芝2000m)が行われる。無敗で桜花賞を制したソダシ、2戦続けて惜しくも2着に終わったサトノレイナスに太刀打ちできる馬は現れるのだろうか。

過去3年における2回東京開催の開幕週に行われた芝1400m〜2000mの馬場傾向をもとに分析していく。

2回東京1・2日 芝1400m〜2000m4角通過順位(過去3年)ⒸSPAIA


まずは3着内に好走した馬の4角通過順位別の割合について調べてみた。春の東京開催の開幕週、Aコース使用ということで先行馬の活躍が目立っているかと思いきや、2018年は全体の48.1%、2019年は51.9%が4角7番手以下と差し馬の活躍が目立っている。

2020年は4角4〜6番手が40.7%と最多、7番手以下だった馬は25.9%と前2年に比べると低いが、これは直線で強風の影響を強く受けていたことが理由だと言えるだろう。

4角1〜3番手だった先行馬も30%前後の割合で3着内に好走しているので、軽視するわけにはいかないが、良馬場であれば差し馬有利の馬場となる傾向にある。

速い上がりが求められる

3回東京1・2日 芝1400m〜2000m上がりタイム(過去3年)ⒸSPAIA


続いて上がりタイムについても見てみると、2020年は先述の理由から34.5以上上がりを要した馬が全体の40.7%、33.9以下だった馬は22.2%と上がりがかかっていた。しかし、2018年は上がり33.9以下だった馬が63.0%、2019年は66.7%と高く、速い上がりが要求された。

2020年のように強風の影響を強く受ける天気とならない限り、今年も速い上がりに対応できる馬向きの馬場となりそう。加えて、内ラチ沿いの馬場状態も良いのでロスなく立ち回れると尚良いだろう。

前走上がり32.7のオヌールは長距離輸送がカギ

これらのデータを踏まえ、「速い上がりに対応できる差し馬」というデータに該当しそうな注目馬をピックアップした。

馬場適性チャートⒸSPAIA


【オヌール】
新馬戦は33.4、前走のアルメリア賞32.7といずれも速い上がりをマークして勝利している。4角順位は2戦とも3番手だったが、少頭数でのもの。今回は当時よりは後ろからレースを進めることとなりそうだ。

昨年のスイートピーSを上がり32.5で勝利した全姉のデゼルと同様に東京コースへの適性は高そうだが、同馬は前走馬体重412kgと小柄で、長距離輸送をこなせるかが関門となりそう。

【ユーバーレーベン】
前走のフラワーCは3着に敗れたが、広い東京コースに変わるのはプラス。札幌2歳Sと阪神JFではソダシと接戦を演じているだけに能力は高いものの、器用なタイプではないので、位置取りが後ろになりすぎると届かないという可能性も考えられる。

【スノークォーツ】
今回と同舞台の新馬戦では、4角5番手(10頭立て)追走から上がり33.3を使って勝利。馬群を捌くのに時間をやや要したが、前が開いてからの切れ味は素晴らしかった。今回も同じようなレースができれば、重賞でも通用するだろう。

【アンフィニドール】
デビュー戦となった前走の未勝利戦(阪神芝1800m)では、1:46.3という好タイムで勝利。道中は中団のインで我慢し、直線では間を割って33.4の上がりを使った内容から、かなりの素質を感じる。1000m通過が1:00.2とある程度のペースを経験しており、同じような位置でレースを進められたら、重賞で突き抜けても不思議ではない。

【ジェニーアムレット】
大跳びで距離は長いほうが良いタイプ。それを証明したのが前走の未勝利戦だった。勝ちタイム2:26.3はパープルレディーが勝利したゆりかもめ賞より0.6秒速かった。さらに新馬戦ではスノークォーツの瞬発力には屈したが、しぶとくクビ差の2着に粘った。今回は再び2000mになるが、先行勢で注目馬をあげるならこの馬だろう。

ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在は競馬ライターとしてだけでなく、カメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場で取材活動を行っている。

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