【桜花賞】今の阪神外回りは差し有利の馬場 2歳女王ソダシを逆転できる馬はいるのか?

三木俊幸

桜花賞馬場適正チャート,インフォグラフィック,ⒸSPAIA

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今週からBコース

先週末の大阪杯は重馬場まで悪化した馬場でのレースとなり、勝利したレイパパレを含め3着内に入った馬はいずれも馬場の外目を通って伸びてきていた。今週末に行われる桜花賞はどのような馬場状態となるのか、また出走馬の中で馬場適性がありそうな馬はどの馬か分析していく。

4/3・4の阪神芝コース タイムと上がりⒸSPAIA


先週土曜日の阪神芝コースはクッション値9.5と2回阪神開催の良馬場としてはやや低めの数値ながら、ゴール前の含水率は8.6%と乾燥状態だった。

そうしたこともあってか、1800mの3歳未勝利戦で1:46.8、1400mの仲春特別で1:21.0とある程度速い時計が出る馬場ではあったものの、4レース行われた中で33秒台の上がりを使った3着内馬は1頭のみと、上がりはかかっている印象を受けた。

クッション値10.3、ゴール前の含水率7.8%と前日より乾燥が進んだ日曜日、まだ雨の影響をあまり受けていなかった2400mの3歳未勝利戦と1600mの3歳1勝クラスではいずれも上がり33秒台の決着となっていたことからも、クッション値が10以上であればある程度速い上がりが求められる馬場になるということが見てとれる。

4/3・4の阪神芝外回りコース 通過順位ⒸSPAIA


続いて桜花賞と同じ外回りコースを使用したレースの勝ち馬の4角通過順位を見ると、10番手(18頭立て)、5番手(8頭立て)、8番手(16頭立て)、10番手(16頭立て)といずれも中団より後ろの位置どりだった。

阪神芝コースは今週末からBコースに替わるが、5週連続で雨の影響を受けている馬場ということを踏まえると差しが届く傾向は続くのではないかと考える。

阪神JFの1、2着馬以外で魅力を感じる馬は?

ここからは桜花賞に出走を予定している注目馬の馬場適性について考察していく。

桜花賞馬場適性チャート,インフォグラフィック,ⒸSPAIA


【ソダシ】
阪神JFでは好位追走から34.2と長くいい脚を使って接戦を制した。究極の瞬発力勝負になってしまうと分が悪いだけに、超高速馬場ではない点、スローペースにならなそうな点は歓迎材料。今回も上位評価が必要だ。

【サトノレイナス】
中団追走から直線では内を突いてソダシと接戦に持ち込んだ阪神JF。当時と今の馬場状態を比較すると今回のほうが時計が掛かり、差し有利の馬場。特に差しが届きやすい馬場という点から、サトノレイナスにとっては直線での進路どりに選択肢が増える。今回は逆転可能。

【アカイトリノムスメ】
前走のクイーンCは6番手追走からスムーズに抜け出して勝利。後方2番手から差し切った2走前の赤松賞とは違うレースぶりを見せた。GⅠで戦ううえでは、前走のようなレースが理想的。ゲートに課題はあるものの、今の馬場は合っているだろう。

【アールドヴィーヴル】
前走のクイーンCは中団追走から、直線では馬群を割って伸びて2着。アカイトリノムスメにクビ差まで迫った。このパフォーマンスから、差しが届く今の阪神は合っている。阪神JFの1、2着馬以外だとこの馬に魅力を感じる。ただし、前走の馬体重が−18kgと大幅減だったこともあり、馬体重には注視しておきたい。

ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在は競馬ライターとしてだけでなく、カメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場で取材活動を行っている。

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