【東京新聞杯】ディープインパクト×ノーザンダンサー系が狙い目 今の東京芝はヴァンドギャルドに味方

八木遊

東京新聞杯に関するデータインフォグラフィックⒸSPAIA

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「ディープインパクト系×母父ノーザンダンサー系」が好調

昨夏に開始した『ハイブリッド式消去法』による重賞予想。有馬記念の馬連的中を最後に2021年は中山金杯から根岸Sまで丸1か月間“連敗地獄”に陥った。そこで過去10年の傾向を用いた消去法の卒業を決意。今週からは、「直近の傾向」を重視し、有力馬探しに努めたい。

今週取り上げるのは『東京新聞杯』。東京競馬場の1600mを舞台に行われ、春の安田記念やヴィクトリアマイルを目指すマイラーが顔をそろえる。今回は『血統』にフォーカスした切り口で予想を展開していきたい。

先週開幕した第1回東京競馬。1月30~31日は、芝コースで1400~2000mの計10レースが良馬場で行われた。例年通りの高速決着が目立つ中、土曜の11R白富士Sから日曜最終12Rまでディープインパクト(以下DI)系の産駒が7連勝を飾った(うち6勝がディープインパクトの直仔)。今週末も引き続き高速馬場なら、DI系産駒を中心視せざるを得ないだろう。

特徴的だったのは、勝利したDI系7頭のうち5頭が母父ノーザンダンサー(以下ND)系だったことだ。その成績は【5-0-0-7】で、勝率は41.7%。非ND系の【2-0-2-10】(勝率14.3%)を大きく上回った。

2018年以降の過去3年を見ても、DI系産駒は東京芝で185勝しているが、うち82勝が母父ND系(占有率44.3%)。さらに、1~2月という“冬”開催に限定すると、39勝のうち、実に25勝(同64.1%)を母父ND系が挙げていた。特に寒いこの時期は「DI系×ND系」の好走率は高い傾向にある。

ND系をさらに細かい系統に分類すると、最も多くの勝ち鞍を挙げたのはDanzig系で8勝。Deputy Minister系が7勝、Sadler’s Wells系が4勝でこれに続く。

今年の東京新聞杯に登録されている18頭のうち、DI系は6頭。このうち母父ND系は3頭に絞られる。プロディガルサンは除外対象なので、残り2頭のヴァンドギャルド(ディープインパクト×Sadler’s Wells系)とサトノアーサー(ディープインパクト×Danzig系)に注目したい。

ヴァンドギャルド(父ディープインパクト×母父Motivator=Sadler’s Wells系)

昨年のこのレースでは、3連勝の勢いを買われ、2番人気に支持されるも6着に敗れた。ただし敗因は明確で、大きく出遅れたスタート直後に挽回するため脚を使ってしまったことが大きかった。さらに最後の直線では外に持ち出すのがワンテンポ遅れたことも響いた。それでも最後は0秒2差まで詰めており、勝ちに等しい強い内容だったといえるだろう。

今回は2か月半ぶりのレースとなるが、2走前の富士Sを4か月半ぶりで快勝しており、休み明けは問題なし。鞍上の福永祐一騎手も今年、重賞で【2-2-1-2】と安定しており、全幅の信頼を寄せたい。

サトノアーサー(父ディープインパクト×母父Redoute's Choice=Danzig系)

3走前の関屋記念を豪快な追い込みで制し、重賞2勝目を飾った良血馬。しかし、その後の2走は9着、12着と期待を裏切っている。ただし前走の京都金杯はトップハンデの57.5kgを背負い、馬体重も「+20kg」でやや余裕残し。昨年のこのレースでは4着に好走しており、押さえておきたい1頭だ。

最後にもう1頭穴馬を挙げておく。現時点で1/2の抽選対象だが、出走が決まれば、横山典弘騎手が騎乗予定のトライン。この馬もディープインパクト産駒だが、母の父は非ND系のKingmambo。先週(1/30~31)の東京芝に出走した母父Kingmambo系は7頭いたが、【1-3-0-3】で57.1%という高い複勝率をマークしていた。抽選を突破すれば、大穴候補として印を回したい。

これ以外にはトリプルエース、シャドウディーヴァなどにも注目。最終追い切りで取捨を見極めたい。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2021年から、恥を覚悟でTwitter(@Yuuu_Yagi11)にて全重賞の予想、買い目、年間収支を掲載中。1月の重賞を全敗で終えたが、2月に入ってからの巻き返しを誓う。

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