【東スポ杯2歳S】「1枠5勝」「キャリア3戦以内必須」「前走同距離組8勝」 覚えておきたいデータ
勝木淳
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枠順、キャリア、前走クラスから見えるもの
無敗の三冠馬コントレイル、ダービー馬ワグネリアン、大阪杯、ジャパンCを勝ったスワーヴリチャード、宝塚記念馬サトノクラウン、皐月賞馬イスラボニータ。これらGⅠ馬は東京スポーツ杯2歳Sの好走馬。
21年からGⅡに格上げされることになっているが、むしろまだGⅢだったのかと思わずにはいられない、2歳の出世レース。翌年のクラシックにとどまらず将来楽しみな馬たち集うレースの傾向を過去10年のデータをもとにひもとく。
東京芝1800mというと枠順の有利不利はあまりみられない舞台だが、東京スポーツ杯では1枠が【5-0-3-4】勝率41.7%、複勝率66.7%と際立っている。同舞台の毎日王冠は外枠優勢だったが、こちらは1枠の数字がいい。
内訳をみると9番人気4着、15番人気10着の2頭を除く8番人気以内では、10戦5勝で単勝回収率も583%にのぼる。18年こそ16頭だったが、2歳重賞の整備により19年8頭、17年7頭と10頭前後の出走頭数に落ち着いており、1枠の頭数が少ない。そんななかでの好走なので注目すべきだろう。
4戦以上は【0-0-2-22】と不振。1~3戦は勝率に変化はないが、複勝率をベースにすると41%の2戦、25.8%の1戦あたりがよさげ。馬券の軸はキャリア1、2戦の馬をチョイスしたい。
キャリア1、2戦に注目とはしつつも、前走新馬、未勝利はちょっと違う。新馬【3-2-3-23】勝率9.7%、複勝率25.8%、未勝利【1-3-3-23】勝率3.3%、複勝率23.3%と未勝利は勝ちきれないところがある。アタマ狙いは新馬、3着内なら新馬、未勝利互角と覚えよう。
注目はオープン【3-2-4-22】勝率9.7%、複勝率29%、GⅢ【3-1-0-11】勝率20%、複勝率26.7%。ここは東京スポーツ杯2歳Sのポイントで、キャリアが浅いなかでも充実している組が強い。新馬勝ちののち、GⅢ(もしくはオープン)を経由した馬がいい。今年はジュンブルースカイ(前走萩S2着)が該当するが、出走するだろうか。
要注目の前走1800m、カギは前走競馬場にアリ
さらに明確に傾向をつかむためのデータとして前走との距離比較別成績がある。
距離延長組【2-2-4-31】ほど勝ち馬は出ていないが、短縮組は【0-5-0-18】と10年間で2着馬を5頭出している。延長、短縮どちらも悪くないが、同距離にあたる前走1800m組は【8-3-6-47】勝率12.5%、複勝率26.6%、10年で8勝しているわけだから押さえておきたい。
同距離組での前走競馬場で分けてみると阪神【3-0-1-6】に飛びつきたくなるが、今年は2歳戦の阪神開催は前半の6、7月に偏っており、慎重に取り扱いたい。該当するレースは6月28日、7月12日の新馬戦ふた鞍のみ。前者を勝ったダノンザキッドは想定に名前がある。キャリア1戦でもありこれは注目だ。後者の勝ち馬はヨーホーレイク。現状ではクラシック有力候補だが、こちらはホープフルS予定。まずはダノンザキッドだ。
札幌【2-2-0-7】も好成績。札幌2歳Sを含め今年は10レースある。その札幌2歳S1、2着は牝馬なのでそれ以外から調べると、残念ながら該当馬はなし。同舞台の東京は【2-1-5-18】で勝率は低いが複勝率は30.8%なので、こちらも軸によさそう。4回開催開幕週に勝ったプラチナトレジャーが出走を予定している。前走1800mというとドゥラヴェルデも該当するが、こちらは新潟組。新潟芝1800m組は【0-0-0-6】と不思議と結果が出ていない。
ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。YouTubeチャンネル『ザ・グレート・カツキの競馬大好きチャンネル』にその化身が出演している。
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