【目黒記念】的中で締めくくりたい! 伝統の難関ハンデGⅡ、突破のヒントとは?
勝木淳
ⒸSPAIA
人気通りに決まらない
伝統のGⅡ、ダービーデイのフィナーレを飾る目黒記念はダービーとわずか100m差の芝2500m戦ではあるが、ハンデ戦であるため宝塚記念で勝負になりそうな有力馬の出走は少なく、ダービーよりかなり難解な組み合わせになりやすい。
過去10年1番人気【1-3-2-4】2番人気【0-1-0-9】、3番人気は【2-0-1-7】とまずまずなので、まったくアテにならないとは言わないが、我々の戦前の評価が実を結びにくいレースではある。
ローテ別レース分析
今年の出走馬を前走レース別に分析しながら、推理を進めていきたい。
前走メトロポリタンS組【2-2-3-31】(過去10年)
メトロポリタンSは16年まではハンデ戦、17、18年は別定戦、19年は中止と変化は多いが、距離は2400mで安定。施行時期を考えても目黒記念との関連は深く、今年も6頭出走。その内訳は1、3、5、6、7、10着馬。
メトロポリタンS1着馬【1-1-1-4】が目立つ。2着馬は今年不出走。6~9着【1-0-1-11】あたりはケアしたい。ウラヌスチャーム、アイスバブル、サトノクロニクルが該当。
今年のメトロポリタンSはベテラン横山典弘騎手が差し馬のウラヌスチャームで逃げるという奇策がハマったレース。番手から7着に負けたサトノクロニクルより4角8番手だったアイスバブルや上がり最速だったオセアグレイト(5着)に巻き返し余地がありそうだ。
前走新潟大賞典組【2-0-1-8】
距離は2000mではあるが、ハンデ戦という共通点がある。好走した3頭は新潟大賞典から斤量据え置き、前走着差は0秒9以内。今年は1頭メートルダール出走。データ上の基準は満たしている。やや不気味な存在だが、今年の新潟大賞典は開幕週に行われ、先行有利の決着。同じような位置にいながら好走した3着プレシャスブルーに上がり600mで0秒5劣る7着は微妙なところだ。
3勝クラス【2-3-0-20】も見逃せないローテーション。前走1着は当然、今回の斤量は53.5~55キロ【2-1-0-15】が望ましい。昇級戦でもハンデが余計に軽くならず、それなりの評価を受けている馬がいい。今年は3頭、キングオブコージ(54キロ)、ゴールドギア(53キロ)、バラックパリンカ(54キロ)。該当馬はキングオブコージ、バラックパリンカになる。
長距離戦からの転戦馬では【1-1-1-18】勝率4.8%、複勝率14.3%の天皇賞(春)よりダイヤモンドS組が【1-0-1-1】とサンプル数が少ないものの好走馬を出している。今年はポポカテペトルが出走。ただし好走パターンは0秒3~0秒9負けで3秒負けている同馬はやや苦しいか。
必勝パターンは前半控えてスタミナ温存
ここまで様々な路線を検討したが、目黒記念の舞台東京芝2500mはダービーの2400mよりスタート位置が100m後ろに下がることで、坂を2度越えることになる。その影響からかややスタミナ重視の傾向がある。
前走逃げ切った馬【1-0-0-9】で勝率10%とトップだが、好走はたった1頭(18年ウインテンダネス9人気)。アテにしたいのは好走例が多い前走中団【5-5-4-54】、後方【3-1-2-37】だろう。
ここまでデータに合致した馬のなかで前半はなるべくじっくり進みそうな馬を前走脚質から評価すると、本命は昨年の2着馬であるアイスバブルとなる。昨年は2連勝、上がり馬的存在で5番人気2着。その後ややリズムを崩しているが、GⅡ日経賞0秒6差5着などスタミナが問われるような条件での好走はあり、成績ほど力差はないとみた。ダービーデイの締めくくり、点数は絞らず広くとってヌケ目は防ぎたい。
◎アイスバブル
○オセアグレイト
▲バラックパリンカ
△ウラヌスチャーム
×キングオブコージ
×メートルダール
×ポポカテペトル
×タイセイトレイル
ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』にて記事を執筆。YouTubeチャンネル『ザ・グレート・カツキの競馬大好きチャンネル』にその化身が出演している。
おすすめ記事