【天皇賞春】勝ち馬の9頭中7頭に「中山芝2000m以上の重賞実績」があった!京大競馬研の本命は?

京都大学競馬研究会

2020年天皇賞春、過去10年の3着以内の中山芝2000mの重賞実績

ⒸSPAIA

2周目4コーナーでは5番手以内にいることが重要

5月3日(日)に京都競馬場で行われる天皇賞・春(GⅠ・芝3200m)。昨年の覇者フィエールマンに加え、菊花賞馬キセキ、前哨戦を勝利してきたユーキャンスマイル、ミッキースワローなどが集まり混戦模様だ。先週は1日に単勝万馬券が4度も飛び出し大波乱となった京都競馬だが、天皇賞はどうなるだろうか?過去の傾向も踏まえて予想していく。

まず過去10年の優勝馬のコーナー通過順とレースの上がり4Fについて見ていく。優勝馬のべ10頭のうち8頭は2周目4コーナーで5番手以内につけていた(そのうち4頭は4角先頭である)。

2020年天皇賞春、過去10年優勝馬のコーナー通過順とレース上がり4F

ただし、これは4角で前にいればいい訳であり、3角付近からまくって行ける馬でも大丈夫である。例外の2頭はレインボーライン(4角11番手)とヒルノダムール(4角6番手)であり、前者は内をうまく立ち回った馬、後者は直線で内をついて伸びてきた。

また上がり4Fのラップ推移を見ると、11秒台が最後まで続く年も多くなかなか前が止まりにくい。この傾向は菊花賞にもみられることで、コース形状的に3コーナーの坂の下りで勢いをつけてそのまま押し切れる力が必要なため、機動力の無い馬はなかなか厳しいのだ。

中山での重賞実績が意外と重要!

天皇賞での好走馬を調べていると、意外にも中山競馬場での重賞実績が重要であることが分かった。過去10年の優勝馬で該当レースに出走経験のあるのべ9頭のうち、7頭が中山競馬場芝2,000m以上の重賞で連対実績があった。

2020年天皇賞春、過去10年の3着以内の中山芝2000mの重賞実績

2020年天皇賞春、過去10年の3着以内馬の中山芝2000m以上の重賞実績

これは中山競馬場が追い込み一辺倒では届かない競馬場であり、早めに上がっていく競馬をしないと勝ち負けできないからであろう。この点で天皇賞春の舞台は中山の中長距離重賞と似ていると言える。

このデータは2着馬も同様で、のべ9頭中6頭が該当し3着内も含めると7頭が該当する。3着馬にはあまり当てはまらないデータではあるが、連系の馬券の際は覚えておいて損はないデータであろう。

本命はフィエールマン

以上のことから、先行力又は機動力があり、中山競馬場の重賞で好走した馬を狙うのがベターだ。先行馬、または切れる脚を4F使える機動力のある馬をピックアップして狙いたい。

これを踏まえて本命はフィエールマン。昨年の当レースでは3~4角で上がっていって、直線ではグローリーヴェイズとの叩き合いを制した。機動力がある上に、最後にもうひと伸びしたことから4ハロンの持続する脚も持ち合わせていることが分かり、普通に走れば負けないとみている。

対抗はモズベッロ。日経新春杯を格上挑戦で制したが、その後の日経賞でも2着に好走しフロックではないことを示した。その日経賞の内容もかなり良く、直線でミッキースワローに寄られ続けてもなお迫り続けた。まともなら勝っていたはずで、前走で4角から動いていく競馬の経験もできた。これは本番に生きるはずで、フィエールマンを負かすとすればこの馬だ。

3番手はミッキースワロー。中山と福島の申し子なイメージだが、小回りに対応できる機動力を考えれば、この舞台がそれほどマイナスに働くとは思えない。懸念を挙げるとすれば、いい脚が4F続くかというところだが、3~4角の下り坂をうまく利用すればギリギリ持つとみている。

以下、GⅠ級の力をつけてきたユーキャンスマイル、先行力があり中山実績もあるスティッフェリオ、ダンビュライトまで印を回す。特にダンビュライトは去勢効果でイレ込みが解消されればまだまだやれるはずで、調教も抜群なので配当的にも要注意だ。

逆にキセキは気性難が悪化しており、前走は大きく出遅れるなど安定感がなくなってきた。ダンビュライトもそうだが、ルーラーシップ産駒は年を重ねるごとに気性が悪化する傾向があり、明らかにマイナスに出ている。地力は上位であるので、資金に余裕があれば紐として買い目に入れるべきだと思うが、そうでなければ思い切って消しとしたい。

買い目は馬連◎―〇▲☆、三連複1頭軸◎―〇▲△×☆で勝負したい。(文:川崎)

天皇賞・春 予想印
◎フィエールマン
〇モズベッロ
▲ミッキースワロー
△ユーキャンスマイル
×スティッフェリオ
☆ダンビュライト

《ライタープロフィール》
京都大学競馬研究会
今年で25周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。

おすすめ記事