【天皇賞秋】二強に割って入る馬が浮上 馬場傾向からの本命馬とは?
三木俊幸
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高速馬場で差しも届く
10月27日(日)、東京競馬場で行われる天皇賞(秋)(GⅠ・芝2000m)。現役最強馬アーモンドアイと今年の皐月賞馬サートゥルナーリアとの対決が注目を集めているが、過去10年で3歳馬の勝利はない。果たして今年はどのような結果になるのか、馬場傾向の観点から分析していく。
まずは先週、10月19、20、21日に東京競馬場で行われた芝のレース結果を振り返っておこう。
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土曜日の競馬は不良馬場からスタートしたが、東京競馬場の水はけがすばらしく、メインレースの富士Sが行われる前には稍重にまで回復。その後日曜日と月曜日は良馬場でのレース開催となった。
2000m戦のタイムを見てみると、月曜日のメインレース、オクトーバーSでは、1:59.2というタイムがマークされている。パンパンの良馬場ではなくてもそれなりのタイムが出ていることから、天皇賞(秋)でも速いタイムでの決着になることが予想される。
また、3着以内に入った馬の上がりタイムの分析では、1着馬34.0、2着馬34.2、3着馬34.2、全体平均では34.1という数値となっていた。GⅠクラスになれば、33秒台の上がりが必要な馬場だと言えるだろう。
続いて3着以内に入った馬の通過順位をみると、先行馬の活躍も見られたものの、大外を伸びてきた差し馬の台頭も多かった。
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4角通過順位をポイント化(逃げ1P、先行2P、差し3P、追込4P)した4角平均通過ポイントでは、1着馬2.4P、2着馬2.4P、3着馬2.6Pで平均すると2.5Pとなっていた。
現時点では金曜日が雨予報となっているが、週末は雨が降らないことになっているので、先週同様の馬場状態になるのではないかと推測する。
過去10年と先週の馬場傾向はリンクする
このデータを踏まえた上で、過去10年の天皇賞(秋)の上がりタイムと通過順位についても見ていこう。
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2017年は不良馬場で、38秒台後半という参考にならないほどの上がりが必要とされたので除外して、過去9年のデータで集計した。1着馬に関しては6年、33.8以下の上がりが出ており、平均すると33.7だった。2着と3着についてはともに34.0で、全体を平均すると33.9というタイムとなっている。GⅠということを加味すれば、先週の傾向と比較しても遜色なく、信頼していいデータであろう。
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過去10年の通過順位では、10番手以下からレースを進めた馬の好走が目立っており、4角平均通過ポイントでは1着馬2.6P、2着馬2.6P、3着馬2.8Pで平均すると2.7Pという数値となっていた。先週の富士Sのように、クラスが上がれば後方からの差しが決まっていたということもあり、こちらのデータも先週の馬場傾向とほぼ一致する。
このことからも上がりタイムは33.9、4角平均通過ポイントは2.7という数値を基準に予想を組み立てていきたい。
好走条件が揃ったワグネリアン
上位人気が予想される馬の実力等を考えた結果、天皇賞(秋)の推奨馬は3頭のみとした。
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平均上がりタイム33.9、4角平均通過ポイント2.6Pと基準値にピッタリ当てはまっていたのは、ワグネリアン。データからはケチのつけようがなく、文句なしの本命だ。今年に入って大阪杯3着、札幌記念4着という結果に終わっているが、ともに力のいる馬場でのレースで、前走に関しては両前脚を落鉄していた影響もあっただろう。今回は久しぶりに待望の軽い馬場でのレースとなる点も強調材料だ。
対抗はアーモンドアイ。この馬に関しては言うまでもないが、前走はスタート後に不利を受けたことが敗因。しかし、ファインダー越しにアーモンドアイが迫ってくる姿は他馬とは違っており、そのすごさは今でも鮮明に思い出す。東京2000mはベストな条件で、今回は必ず巻き返してくるだろう。
3番手はサートゥルナーリア。能力に関して疑いの余地はないが、データ面では平均上がり34.2、4角平均通過ポイント2.2Pと上記2頭には見劣る。ただ、この馬もベストは2000m前後なので、馬券圏内には好走してくるはず。スミヨン騎手がどのような騎乗を見せるのかという点も楽しみだ。
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