上がり平均35.8 プロキオンSの馬場に合う本命馬は?

三木俊幸

2019年のプロキオンSの本命に推されたマテラスカイⒸ三木俊幸

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先週日曜日は水の浮く不良馬場

7月7日、中京競馬場で行われるのがプロキオンS(GⅢ・ダート1400m)。今年もダートのスプリント〜マイル戦線での活躍が期待される馬が多く出走してきた。今回も先週の馬場傾向と過去5年のレース傾向、各馬の馬場適性の3つの視点からレースを分析していく。

まずは先週末に行われた中京競馬場・ダートのレース傾向を振り返ってみよう。

6/29・30 中京ダートコースのレース傾向

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土曜日の中京競馬場の天候は回復傾向に向かったものの、重馬場での競馬となった。しかし日曜日は大雨が降り続き、ダートコースは水が浮くほどの不良馬場でレースが行われた。

タイムを見てみると、驚くほど速いタイムは出ていないものの、水が浮いている状態で行われた香嵐渓特別(2勝クラス)で1:22.3がマークされている。今週も雨が降る予報もあり、湿った馬場でのレースが想定されることからも、プロキオンSは昨年と同様に高速決着となるかもしれない。

上がりタイムは平均すると36.9だったが、日曜の前半2レースを除いて、全てが36秒台の上がり決着となっていた。引き続き水分を含んだ馬場でのレースが予想されるだけに、今週はもう少し速い上がりが要求される馬場となるだろう。

最後に脚質をみると追込馬による勝利はなかったものの、先行と差しがそれぞれ4レースずつという結果に終わっている。クラスが上がればさらに差しが届くかもしれないが、極端な脚質の馬よりは、ある程度の位置には付けられる自在性を兼ね備えた馬を狙いたいところだ。

過去5年の傾向は時計・上がりとも速い

続いて過去5年のプロキオンSのデータについても触れておく。上がりタイムをみると以下のようなデータとなった。

過去5年の上がりタイム

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勝ち馬は2016年を除いて全て35秒台の上がりを使っている。平均すると35.8、2着馬は35.9、3着馬は36.0となっており、速い上がりが要求されるレースという傾向が出ている。 では優勝タイムはどうだろうか。

過去5年の優勝タイム

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2018年にマテラスカイがマークした1:20.3は衝撃の日本レコードタイムだった。それ以外の年も全て1分22秒台での決着となっていることからも、持ちタイムがあったほうが有利だろう。

昨年は非の打ち所がないレース

では今年の出走馬の中からピックアップした馬、7頭の3着以内に入った時の平均上がりタイムと1400m戦で3着以内となった時のベストタイムを参考にして印を付けていきたい。

3着以内に好走したときの平均上がり

ダート1400mで3着以内のベストタイム

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2つのデータから総合するとサンライズノヴァが抜けている。3着以内となったレースでの上がりが35.8と最も速く、ベストタイムの1:21.5も好走条件に当てはまっている。しかし、極端な追込脚質のため、その点はマイナス評価にせざるを得ない。

雨馬場での上がりタイムだけ見れば、ミッキーワイルドが35.6、アルクトスが36.0と続いており高評価できるが、1400mのタイムでは1秒以上のタイム短縮が必要となるので、今回が試金石となるだろう。

ヴェンジェンスは全体の上がりよりも道悪の上がりの方が速く、渋った馬場はぴったり。加えて1:21.6というタイムでの好走歴もあり評価できる。

マテラスカイは上がりだけ見ると全体で36.9、道悪で37.0と他馬に比べると遅いが、昨年のプロキオンSでのパフォーマンスは非の打ち所がないほど素晴らしいものだった。今年再び道悪でのレースとなるのであれば、他の全てのデータを覆すほど信頼に値するのではないだろうか。

▽プロキオンS予想▽
◎マテラスカイ
○サンライズノヴァ
▲ヴェンジェンス
△ミッキーワイルド
△アルクトス

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