サンデー系が強い東京新聞杯 傾向からは波乱の立役者はあの牝馬

門田光生

レッドオルガ,ⒸSPAIA

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一筋縄ではいかない東京のマイル戦

マイルを走り切るには、スピード、スタミナともに不可欠。すなわち、強い馬が勝つというイメージがあるのだが、東京で行われるマイル重賞は荒れることが多い。この東京新聞杯も例外ではなく、過去10年で3連単は全て万馬券、うち10万円以上の配当が3度と、実力通りとはいえない結果になっている。

種牡馬表,ⒸSPAIA

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上記の表は東京のマイル戦に強い種牡馬を勝利数順に並べたもの。やはりというか、断トツの勝利数はディープインパクト。出走回数も抜けて多いが、勝率、連対率とも文句なし。

以下もおなじみの種牡馬が並ぶが、特筆すべきは6位のロードカナロア。産駒デビューが2017年だったことを考えると勝ち星の数は驚異的といえる。勝率、連対率ともにディープインパクトに負けないものだし、産駒の活躍を受けて繁殖牝馬の質が上がったとも聞く。今後もますます目が離せない存在になりそうだ。

相性のいい血統はサンデー系

過去5年で馬券に絡んだ15頭のうち、5頭(エキストラエンドは2回馬券に絡んでいる)がディープインパクト産駒。東京のマイルに強い種牡馬の面目躍如といったところか。

東京新聞杯上位馬表,ⒸSPAIA

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またその5頭の母系を見ていくと、3頭が母の父にノーザンダンサー系の種牡馬がかけられていた。また、サンデーサイレンス系の種牡馬以外の馬はブラックスピネル以外、母の父がサンデーサイレンスというのも興味深い。

というわけで、データからおすすめするのは
①ディープインパクト産駒で母の父がノーザンダンサー系
②母の父がサンデーサイレンス

ということになる。ちなみに、同じ東京1600mで行われるGⅢ富士Sも①の傾向が強く出ている。

データに合致する馬は?

今回の出走馬を見ていくと、まず①の「ディープインパクト産駒で母の父がノーザンダンサー系」を満たすのはサトノアレス、リライアブルエース、レッドオルガの3頭だ。

サトノアレスは昨年の2着馬。東京マイルは【1.2.0.2】で、着外だったのは不良馬場の富士S(6着)とGⅠの安田記念(4着)。データ通りこの条件と相性がいいといえる。前走の阪神Cは振るわなかったが、休み明けをひと叩きして調子を上げてくるはずだ。

リライアブルエースは重賞戦ではあと一歩足りない成績だが、この馬も前走が休み明け。また、東京のマイル戦を走るのは初めてで、新味に期待といったところか。レッドオルガは兄クラレントが過去にこのレースを1、3着と好走。母系もこの条件に強いというのは心強い。

続いて②の「母の父がサンデーサイレンス」というのは、ジャンダルムとヤングマンパワーの2頭。両馬とも近走の成績から狙いづらいが、データ的に押さえておきたい。

狙いはレッドオルガ

取りあえず5頭に絞れたが、その中でおすすめなのはレッドオルガ。

東京新聞杯過去5年牝馬,ⒸSPAIA

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ここ5年で3頭の牝馬が勝利しているが、牡馬が勝った年は牝馬の出走がゼロ。つまり、牝馬が出走していれば牝馬が勝つというデータになっている。今年の出走馬で牝馬はテトラドラクマとレッドオルガだけ。上記に書いた条件を満たしているのがレッドオルガだけで、これが軸にふさわしい。

また、このレースの連対馬は1~4枠15頭に対して、5~8枠は5頭。データで強弱をつけるなら、内枠寄りの馬を厚めに買うのが正解か。

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。編集部チーフも兼任。本社予想、「最終逆転」コーナーを担当。現在、サンケイスポーツにて地方競馬の記事を執筆中。

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