【京都記念】香港ヴァーズ組プラダリアに連対率100%データ 二冠牝馬チェルヴィニアも始動

三木俊幸

2025年京都記念に出走するプラダリア,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

参考レース振り返り

国内外の春のGⅠ戦線へとつながるステップレース、京都記念(GⅡ・芝2200m)。昨年の最優秀3歳牝馬に選出されたチェルヴィニアなど13頭が登録。主な参考レースを過去10年のデータも交えて振り返る。

香港ヴァーズ【データ:A メンバーレベル:B】

過去10年の成績【1-1-0-0】勝率50.0%、連対率100.0%、複勝率100.0%

今年は最多の2勝を記録している有馬記念組が不在で、最も好相性と言えるのは香港ヴァーズ組となる。過去10年の出走は2頭のみだが、2017年にサトノクラウンが勝利し、同年2着にスマートレイアーが入った実績がある。

レースはラシティブランシュとの先行争いを制して逃げたのは、C.デムーロ騎手とのコンビで挑んだプラダリア。1200m通過1:16.08とスローペースになり、一団となって最後の直線に差しかかった。一旦は後方追走から早めに動いたステレンボッシュが先頭に立ったものの、馬群をさばいて伸びたイギリス調教馬ジアヴェロットが突き抜け、2:27.53というタイムで勝利した。

京都記念に出走予定のプラダリアは直線で伸びを欠き、11着に終わった。初めて逃げる競馬を試みたが、馬群が凝縮する展開で最後は中団で脚を溜めていた馬たちが上位を独占。香港ヴァーズでは結果が出なかったが、一昨年の京都大賞典や昨年の京都記念を制するなど実績ある舞台で、今回は巻き返しが期待される。

AJCC【データ:B メンバーレベル:B】

過去10年の成績【1-1-1-9】勝率8.3%、連対率16.7%、複勝率25.0%

過去10年でAJCC組の勝利は2019年ダンビュライトのみ。直近では阪神開催だった2021年にステイフーリッシュが2着に入っているが、単回収率70%、複回収率41%と強調できる材料は少ない。

レースは外枠から手綱を動かしてアウスヴァールがハナを奪い、1000m通過1:00.6というペースを刻む。レース後半に差しかかりコスモキュランダが動いていったタイミングでペースも上がった。そうした動きにも動じることなく、中団から運んだ1番人気のダノンデサイルは先に抜け出したマテンロウレオをゴール前で捉えると3/4馬身差をつけて勝利。さすがダービー馬と言わんばかりの力でねじ伏せた。

エヒトは中団のインを追走して4角では接触する場面もありながら、最後までジリジリとしぶとさを発揮。勝ち馬から0.8秒差の8着に終わった。休み明けだった中日新聞杯よりは良化しており、自身の持てる能力は出し切ったと言える。

ジャパンC【データ:B メンバーレベル:A】

過去10年の成績【0-1-2-4】勝率0.0%、連対率14.3%、複勝率42.9%

レースはスタートしてシンエンペラーがすんなりハナを奪ったが、400m〜800mまでのラップが13.0-12.9と超スローペースとなった。これを嫌ったドゥレッツァの鞍上W.ビュイック騎手が動いて先頭が入れ替わる展開。勝利したのは、道中最後方で脚を溜め、3角から徐々に動いたドウデュース。天皇賞(秋)と同様に爆発的な末脚を発揮して、最後の最後まで食い下がったドゥレッツァとシンエンペラーの先行勢2頭をクビ差で捉え、GⅠ連勝を果たした。

チェルヴィニアは好位集団の一角を追走。直線は外からドウデュースにあっという間に交わされて瞬発力の差を見せつけられたが、ジリジリと伸びて勝ち馬から0.4秒差の4着だった。能力、格ともに最上位の存在ではあるが、今回はドバイシーマクラシックへの遠征も見据えたなかでの出走。データを覆してしっかり勝ち切ることができるのか注目だ。

ソールオリエンスは序盤、シンエンペラーをピッタリマークする形で2番手につける積極的なレースを試みた。しかし直線半ばで手応えがなくなり、勝ち馬から2.2秒離された14着に終わった。本来の力を発揮できずに終わってしまった点が気になるが、今回は相手関係が楽になり、3走前の宝塚記念で2着と好走した京都なら見限れない。

チャレンジC【データ:B メンバーレベル:C】

過去10年の成績【0-1-0-3】勝率0.0%、連対率25.0%、複勝率25.0%

出走は4頭と少ないものの、2024年にベラジオオペラが2着と好走している。

レースは外枠から勢いよくアウスヴァールがハナを奪うも、向正面に入るとバビットとルペルカーリアが前へと接近し、3頭が並んだ。そのまま1000mを58.4というやや速い流れで通過。馬群が凝縮して迎えた直線では、中団からレースを進めたラヴェルが前を捉えて勝利した。

セイウンハーデスは好位からレースを進め、4角で早め先頭に立ったが、残り200mで捉えられ0.9秒差の5着。バビットは2番手追走から失速して14着と大敗したが、ともに展開が厳しかった。特にセイウンハーデスは2023年の七夕賞を勝利して以来の実戦ながら力は示した。今回は一度使われた上積みもありそうだ。

毎日王冠【データ:なし メンバーレベル:B】

過去10年で出走なし

レースは好スタートを切ったホウオウビスケッツが主導権を奪い、2番手にエルトンバローズが続き800m通過は47.5というスローペースになった。前残りの展開だったが、4番手から運んだシックスペンスがゴール前でホウオウビスケッツをクビ差で捉えて勝利した。

中団の外から運んだヨーホーレイクは7着だったが、上がり33.4の末脚で見せ場を作った。今回、休み明けとなるが2200mへの距離延長は歓迎。差しが届く展開になればチャンスはある。

ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。

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