【プロキオンS】データからの注目は「前走1番人気」 唯一の該当馬オメガギネスが最有力

門田光生

プロキオンステークスの前走人気別成績(過去10回の旧東海S),ⒸSPAIA

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東海Sのデータから考察

26日に中京競馬場で行われる第30回プロキオンS。1996~99年は4月開催、2000~05年は6月、06~24年までは7月に行われていた。よって、1月に当レースが行われるのは初めてになる。

プロキオンはこいぬ座の一等星で、冬の大三角形のひとつ。冬に行われるのが正しい姿だろう。ちなみに、冬の大三角形の残る2つの星の名を冠する、ベテルギウスS(オリオン座)は冬(12月)に行われているが、シリウスS(おおいぬ座)が行われているのは9月(開始当初は冬だった)。シリウスSが冬開催に戻れば、冬の大三角形が完成するのだが、そんな日はやってくるのだろうか。

本題に戻すが、プロキオンSにはどんな傾向があるのか。昨年まで同時期に行われていた東海Sと条件が同じということで、今回は東海Sの過去10年の成績を参考にして検証していきたい。

☆所属
美浦所属馬1勝(6連対)、栗東所属馬9勝(14連対)。勝率は栗東所属馬が上だが、連対率では美浦所属馬が上回っている。

プロキオンS出走馬の所属,ⒸSPAIA


☆性別
牝馬は出走頭数が5頭と少ないこともあり、連対した20頭はすべて牡馬かセン馬だった。

プロキオンS出走馬の性別,ⒸSPAIA


☆年齢
勝ち馬の数、連対馬の数、そして勝率、連対率、複勝率のすべてで5歳馬がトップ。8歳以上から勝ち馬は出ていない。

プロキオンS出走馬の年齢,ⒸSPAIA


☆前走クラス
GⅡ組以外はいずれも勝ち馬が出ている(GⅡから参戦したのは3頭だけ)。勝率は3勝クラス組、連対率はGⅢ組、複勝率はGⅠ組がトップだった。

出走馬の前走クラス,ⒸSPAIA


☆出走馬の主な前走
最も連対馬が出ているのはチャンピオンズC組。唯一、複数勝利をあげていること、複勝率が40.9%あること、レース格が高いことを踏まえれば、有力なステップレースと言える。

プロキオンS出走馬の主な前走,ⒸSPAIA


☆前走着順
前走1、2着馬の好走率が目立つ。ほか前走掲示板内では、4着からは勝ち馬が出ておらず、5着からは連対馬が出ていない。一方、前走6着以下は【2-6-2-65】と巻き返した例は多い。

プロキオンS出走馬の前走着順,ⒸSPAIA


☆前走人気
前走1番人気が【5-0-1-8】勝率35.7%、連対率35.7%、複勝率42.9%で、いずれもトップ。同2番人気も連対率35.3%、複勝率41.2%だから、相手候補としては優秀だ。ほか、前走4番人気からは勝ち馬が出ておらず、6~9番人気からは連対馬が出ていない。

プロキオンS出走馬の主な前走人気,ⒸSPAIA


☆その他
その他、連対馬が出ていないデータとしては、前走馬体重が464kg以下、中2週以内、そして黒鹿毛の3つがあげられる。

その他のデータ,ⒸSPAIA


最有力データは「前走1番人気」

プロキオンSのデータをまとめてみよう。

【好走率アップ】
A「5歳」
B「前走がチャンピオンS」
C「前走1、2着」
D「前走1、2番人気」

【勝ち馬なし】
E「前走4着」
F「前走4番人気」

【連対馬なし】
G「前走5着」
H「前走6~9番人気」
I「前走馬体重464kg以下」
J「中2週以内」
K「黒鹿毛」

今回のプラスデータを勝率順に並べると、D(前走1番人気)>C(前走2着)>C(前走1着)>A>D(前走2番人気)>Bとなる。

今回の登録馬は21頭いるが、プラスデータに最も多く該当する馬でも2つだけ。くわえて、連対馬が出ていないマイナスデータ(G~K)を持たないのはオメガギネス(AD)、カズペトシーン(AC)、タマモロック(AD)、ディープリボーン(AD)の4頭となる。

このうち、最も勝率がいいD(前走1番人気)を持つのはオメガギネスだけ。前走は10着と大敗しているが、データでは前走6着以下から巻き返した例が多くあり、気にする必要はない。

続いて、プラスデータを連対率で見ると、D(前走1番人気)>D(前走2番人気)>C(前走2着)>C(前走1着)>A>Bの順となる。

これを参考に、前記4頭から◎オメガギネスを除いた3頭の順番付けをすると、2番目に連対率が良いD(前走2番人気)を持つタマモロックとディープリボーンが相手候補。残ったカズペトシーンは4番手とする。

タマモロックとディープリボーンが持つ好データはAとD(前走2番人気)で全く同じ。そこで「前走場所」のデータを新たに調べて比較してみた。

タマモロックの前走東京が【1-1-2-12】勝率6.3%、連対率12.5%、複勝率25.0%なのに対し、ディープリボーンの前走京都は【2-2-1-11】勝率12.5%、連対率25.0%、複勝率31.3%。どの数字からも京都の方が上となる。というわけで、ディープリボーンが2番手、タマモロックが3番手にする。

プラスデータが1つの馬では、マイナスデータを持たないのはペプチドソレイユ(A)一頭。ただ、A「5歳馬」は好データのなかでは、勝率、連対率ともに目立つものではなく、単体では強調しづらい。よって、印は4頭までとしたい。

◎オメガギネス
◯ディープリボーン
▲タマモロック
△カズペトシーン

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
星座(もしくは一等星)の名前がつく重賞は、ダートのレースがほとんど。冬の大三角形レースは冒頭で紹介しましたが、夏の大三角形(ベガ、アルタイル、デネブ)はというと、近10年でその名のつくレースはなし。冬場にダートレースが多くなるとはいえ、扱いが不公平のような……?

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