【新潟2歳S】勝者に求められる〝3つの要素〟 今年の満点は伏兵候補3頭
逆瀬川龍之介
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勝ち馬が満たす3つの要素
近年の新潟2歳Sは「GⅠ馬の登竜門」といっても過言ではないほど、レースレベルが上がっている。
例えば、3年前の勝ち馬セリフォスは翌年マイルCSを制覇。昨年の覇者アスコリピチェーノは続く阪神JFも制し、最優秀2歳牝馬に選ばれた。
しかし、一方でスタニングローズやウインカーネリアンなど、ここで敗れた馬の中にも後の活躍馬が潜んでいる。したがって単純に将来性だけでは取捨を決められない。
そこで今回は過去10年の勝ち馬を振り返り、〝新潟2歳Sでこそ狙える馬〟を探したい。
あれこれと調べた結果、勝ち馬に求められる要素は〝3つ〟あることが分かった。1つ目は「前走マイル戦」であることだ。
前走の距離別成績を見ると、1600m組が圧倒的に優位。【8-3-5-33】勝率16.3%、連対率22.4%で昨年こそ勝利を逃したが、17年から22年までは6連勝していた。
対照的に1400m組は【2-2-0-40】勝率4.5%、連対率9.1%。連対馬を4頭出しているが、回収率は単複ともに20%台で物足りない。
また、1800m組は【0-5-2-19】勝率0.0%、連対率19.2%。距離短縮でペースに戸惑うのか、後方から差し届かず。というケースが目立つ。あくまで馬単や3連単のヒモに留めたい。
2つ目の要素は「前走上がり3F最速」であることだ。
前走の上がり3F順位別成績を見ると、1位が【8-6-4-52】勝率11.4%、連対率20.0%。直線が長い新潟芝1600mが舞台とあって、速い上がりを使った経験は大きな武器となっている。
一方、2位以下は【2-4-6-56】勝率2.9%、連対率8.8%。2番人気以内に限っても【0-2-4-0】だから、大崩れはしないが勝ち切れない。という捉え方でいいだろう。
そして、3つ目は「前走10頭立て以上」ということだ。
前走が10頭立て以上のレースだった馬は【10-9-8-85】勝率8.9%、連対率17.0%。新馬戦は少頭数で行われることも多いが、そういったレースを勝ち上がってきた馬は経験値で不安が残る。
その証拠に、前走1桁頭数だった馬は【0-1-2-24】の勝率0.0%、連対率3.7%。一昨年は1番人気アイスグリーンが5着、昨年は2番人気ルージュスタニングが9着に敗れている。
少頭数の新馬戦で鮮烈な勝ちっぷりを見せた馬が人気することも多いが、安易に飛びつかないようにしたい。
今年の該当馬は伏兵候補の3頭
それでは、以上の3つのデータで今年の登録馬をふるいにかけてみよう。それぞれの関門を突破した馬を列記する。
・前走マイル戦
コートアリシアン、シンフォーエバー、ジョリーレーヌ、トータルクラリティ、プロクレイア
・前走上がり3F最速
ケイテンアイジン、コートアリシアン、ジョリーレーヌ、スターウェーブ、トータルクラリティ、プロクレイア、マジカルフェアリー
・前走10頭立て以上
ケイテンアイジン、シンフォーエバー、ジョリーレーヌ、トータルクラリティ、プロクレイア
全てをクリアしたのはジョリーレーヌ、トータルクラリティ、プロクレイアの3頭のみ。この3頭の想定人気は3~7番人気あたりか。ならば、配当妙味は十分にある。
オススメの馬券は3頭の単勝、そして馬連とワイドの3頭ボックスだ。さすがに3連複1点で決まるほど甘くはないだろうが、最低でも50倍くらいはつく可能性があり、運試しに小銭で買っておきたい。
少点数で済むので、まさにローリスクハイリターン。今からレースを楽しみに待ちたい。
《ライタープロフィール》
逆瀬川龍之介
国内の主要セール、GIのパドックはもちろん、時には海外のセリにも足を運ぶ馬体至上主義のライター。その相馬眼を頼りにする厩舎関係者、馬主は少なくない。一方、マニアック、かつ実用的なデータを駆使して、ネット媒体や雑誌などにも寄稿するなど、マルチな才能を持っている。
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