【青葉賞】狙うは「前走1勝クラス勝ち」 木村哲也厩舎が送り込む2本の矢、ヘデントールとマーシャルポイントに注目

貴シンジ

青葉賞、の好データ,ⒸSPAIA

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3つのファクターから推奨馬を見つけ出す

今回は4月27日(土)に東京競馬場で行われる青葉賞について、下記3つのファクターを組み合わせるコンプレックスアナライズで分析を行っていく。

・レースの好走馬及び凡走馬の共通項を探る「重要データ」
・目には見えない上積みを探る「前走の敗因」
・適性と素質を知るための「血統評価」

特別登録のあった19頭を検討対象とし過去10年のデータを使用する。


重要データ:1勝クラス勝ち or 重賞3着以内

前走クラス別成績,ⒸSPAIA


青葉賞はダービーの前哨戦であり、ダービーと同じ東京芝2400mで実施される。まずは前走のクラスで成績を見ていこう。

新馬・未勝利組は【1-0-0-21】でほとんど通用していない。唯一勝利したのは22年のプラダリアだが、前走の未勝利戦で1.1秒差の大勝をして青葉賞に進んでいた。今年は前走で1秒以上の着差をつけて勝った馬はいない。

続いて1勝クラス組。こちらは【6-6-7-66】で馬券内の馬の過半数を占めている。回収率の面でも単89%、複56%とそこまで悪くない。1勝クラスのゾーンをもう少し絞り込むのであれば、勝っている馬を選択するのがよいだろう。1勝クラス勝ち馬は【5-5-7-28】で複勝率は37.8%、3頭に1頭以上は馬券に絡んでいる。

前走OP・L組は【0-1-2-12】で複勝回収率は114%。芝のOP・Lで一桁着順だった馬は馬券絡みがあるので、すみれS4着のジンセイにはチャンスがありそうだが、勝ち切るのはデータからは難しいと言わざるをえない。

最後に重賞組。前走GⅢ組は【1-2-1-15】で単勝回収率26%、複勝回収率32%。前走GⅡ組は【2-1-0-15】で単勝回収率105%、複勝回収率37%。前走が重賞なのに青葉賞に回ってくる馬というのは基本的に賞金が足りていない馬ということになる。

そんな中でも注目するなら前走重賞で3着か4着だった馬。該当馬は【1-2-1-4】で複勝率は50%になり、複勝回収率も80%。狙える数字に向上する。

【前走1勝クラス勝ちの出走予定馬】
・ウインマクシマム
・シュガークン
・ショウナンラプンタ
・ヘデントール
・マーシャルポイント

【前走重賞で3~4着だった出走予定馬】
・コスモブッドレア
パワーホール


前走の敗因:共同通信杯のパワーホール

パワーホールの前走は共同通信杯3着。1着馬がのちの皐月賞馬ジャスティンミラノ、2着馬が朝日杯FS勝ちのジャンタルマンタルという非常にレベルの高いレースだ。

このレースは前半5Fが62.7秒で超スローペースの部類。パワーホールは逃げていたが、ジャスティンミラノとジャンタルマンタルが意識しあった結果、パワーホールの楽逃げになった形。こうなると前有利と思われがちだが、さすがにここまでのスローペースで馬群もそこまで縦長でないとなるとシンプルに瞬発力のある馬が強い。ラスト500mくらいの超瞬発力勝負だ。

パワーホールは上がり3F33.5秒を使ったが、本馬にとってはこれが限界だろう。ジャスティンミラノやジャンタルマンタル、4着のディマイザキッドのように32秒台を使うのは馬のタイプ的に難しい。もう少し上がりのかかる展開になればここでもチャンスはあるか。


血統解説:シュガークン、ヘデントール、マーシャルポイント

・シュガークン
日本での牝祖は3代母テイズリー。シュガークン自身はキタサンブラックの半弟にあたる馬だ。本馬は父がドゥラメンテになった分、キタサンブラックよりは柔らかい走りを見せている。ただキタサンブラックほど馬体が薄いタイプではなくて2400mへの延長はマイナスポイント。加えて成長曲線はキタサンブラック同様ゆったり。素質は高いが現時点で上位人気で買いたくなるような馬ではない。

シュガークンの血統表,ⒸSPAIA


・マーシャルポイント
日本での牝祖は3代母キャサリーンパー。叔父にダンビュライト、従兄弟にブラックスピネル、近親にはマリアライトやクリソベリルがいるという名牝系の一頭。ダートをこなすタイプも多いが祖母タンザナイトの分岐はサンデーサイレンスが入って芝で戦えるスピードを持っている馬が多い。本馬は父にエピファネイアを迎えてクラシックタイプ。持続性能は高くスタミナも豊富なので東京芝2400mはばっちり。ヘデントールと並んで本命候補だ。

マーシャルポイントの血統表,ⒸSPAIA


・ヘデントール
日本での牝祖は3代母アズテックヒル。母コルコバードは牝馬ながらスタミナ十分で芝の中長距離でJRA5勝。叔母にはJRA4勝のリカビトスがいるという血統。コルコバードは重賞を除けば上がり3Fで4位以下になったことは一度もなく、持続性能に優れたタイプ。また父ルーラーシップも持続性能に優れる。長所を伸ばし合うような配合で東京芝2400mはベスト。中間にやや順調さを欠いていて出走できるかはわからないが、出走できれば8割のデキでも本命候補だ。

ヘデントールの血統表,ⒸSPAIA


Cアナライズではヘデントール、マーシャルポイント推奨

今回はヘデントールとマーシャルポイントを推奨する。

中間そこまで順調ではないということで、ヘデントールが万全の状態で出てくることができるか週の初めの段階ではわからないので、同じ木村厩舎のマーシャルポイントも同時に推奨する。仮にヘデントールが出てきたとしても、状態次第ではマーシャルポイントの評価を高くしても良いだろう。

シュガークンが人気を背負う形になるだろうが、木村厩舎の2頭のワンツーに期待したい。

【ライタープロフィール】
貴シンジ
競馬ライター。サラブレッドの血統をファミリー中心に分析する牝系研究家。3つのファクターから構築する「コンプレックスアナライズ」を駆使して競馬予想を行う。WEBサイト『ウマフリ』で「牝系図鑑」も連載中。競馬予想のほか「競馬王」など商業誌での執筆、一口馬主クラブ募集馬やセリ馬の血統分析、血統の魅力の伝承、繁殖牝馬の配合提案などを独自の切り口から行う。

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