【福島牝馬S】過去10回で全勝の前走GⅢ組が優勢 適距離のシンリョクカに注目
貴シンジ
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3つのファクターから推奨馬を見つけ出す
今回は4月20日(土)に福島競馬場で行われる福島牝馬Sについて下記3つのファクターを組み合わせる、コンプレックスアナライズで分析を行っていく。
・レースの好走馬及び凡走馬の共通項を探る「重要データ」
・目には見えない上積みを探る「前走の敗因」
・適性と素質を知るための「血統評価」
特別登録のあった17頭を検討対象とし過去10年のデータを使用する。
重要データ:前走GⅢで馬券に入った馬が好成績
福島牝馬Sは前走クラス別成績に傾向がある。前走2勝クラスは【0-1-0-8】複勝回収率56%、3勝クラスは【0-2-2-18】同199%ながら勝ち馬はいない。OP・L競走を使っていた馬は3勝クラスの馬より好走率、回収率ともに低調で【0-1-2-18】。複勝回収率は61%だ。
好調なのは前走GⅢクラスを使っていた馬たち。【10-6-5-65】で勝ち馬は全てここから出ている。単勝回収率162%、複勝回収率127%で回収率も優秀だ。そのなかでも前走3着以内に好走した馬は優秀で【3-3-1-8】単勝回収率198%、複勝回収率128%。勝率20.0%、複勝率46.7%も含めてどの数値も優秀だ。今年も例年通り人気は割れそうだが、そのなかでも上位人気が予想されるグランベルナデットは前走が3勝クラス。勝ち馬が出ていないローテーションに該当するので注意が必要だ。
【前走GⅢで1~3着の出走予定馬】
・シンリョクカ
前走の敗因:中山牝馬Sのタガノパッション
タガノパッションは前走の中山牝馬Sで6着。このレースは前半1000mを61秒5で通過し勝ち時計は1分49秒0だった。馬場状態から内外や前後の有利不利はなかったが、このペースであれば前にいた馬たちが楽をした形だ。
タガノパッションはスタートこそ上手く決めたが最内枠が災いして、どんどんポジションを下げてしまった。最終的には4コーナー12番手から上がり最速の脚を使って0秒3差の6着まで詰めてきており、負けて強しの競馬だった。同じレースにはコスタボニータ、シンリョクカなども出ていたが一番強い内容だったのはタガノパッションだろう。道中動くこともできる馬なので中~外の枠を引きたい。
血統解説:シンリョクカ、タガノパッション
・シンリョクカ
日本での牝祖は祖母カーラパワー。母レイカーラがターコイズS勝ち、伯父にマイルCS勝ち馬ダノンシャークがおり、スピード性能が高いことがこのファミリーの特徴だ。本馬もその特徴を受け継ぎ、阪神JFで2着と実績を残している。その後はオークスやエリザベス女王杯、日経新春杯などを使っていたが、スピード十分な一族の馬と考えれば、本質的にはもう少し短い方が良いだろう。
本馬は父にサトノダイヤモンド、母父にキングカメハメハという組み合わせ。この一族でも他の馬に比べれば胴に長さがあって距離はもつが、持っているスピードを生かすことのできる福島芝1800mは適舞台と言えるだろう。
・タガノパッション
日本での牝祖は5代母ロイヤルサッシュ。サッカーボーイ、ステイゴールド、ドリームパスポートなどを輩出している名牝系だ。本馬も叔父にJRA4勝のワイドリーザワン(父キングカメハメハ)などがいる。本馬は父がキングカメハメハ、母父シンボリクリスエスということもあって本格化に時間がかかったが、古馬になってから走りが安定し2走前は3勝クラスの身ながら愛知杯で2着に入った。
前走は強い競馬をしたが、今回はより機動力が求められる福島コース。パワーがあって上がりがかかるようなレースが得意な本馬にとって今の時計の速い福島はどうかという懸念があるものの、前走よりも前々のポジションを取ることができれば勝ち負けできるだろう。
Cアナライズではシンリョクカを推奨
今回はシンリョクカを推奨する。
前走の内容を考えればシンリョクカよりもタガノパッションが強い競馬をしていた。ただ、今回も差し馬にとっては難しい福島コースで、現状のトラックバイアスを考えると差し届かずの可能性も考えられる。好走データに合致し、コース適性や距離適性も合うシンリョクカに分があると見る。
【ライタープロフィール】
貴シンジ
競馬ライター。サラブレッドの血統をファミリー中心に分析する牝系研究家。3つのファクターから構築する「コンプレックスアナライズ」を駆使して競馬予想を行う。WEBサイト『ウマフリ』で「牝系図鑑」も連載中。競馬予想のほか「競馬王」など商業誌での執筆、一口馬主クラブ募集馬やセリ馬の血統分析、血統の魅力の伝承、繁殖牝馬の配合提案などを独自の切り口から行う。
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