【AJCC】6歳以上は出走間隔で明暗くっきり データで導く「過信禁物の注目馬」
藤川祐輔
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新鋭からベテランまで揃った、1月中山の名物重賞
1月21日、中山競馬場ではAJCC(GⅡ)が行われる。近年の傾向を振り返ると、17~21年までは5年連続で1番人気馬が連対を果たしているが、直近2年では一転して1番人気馬が着外に沈んでいる。3番人気以内の馬の複勝率は過去10年で46.7%となっており、上位人気馬に絶対の信頼は置きにくい。
馬券検討においても、人気馬の取捨選択は慎重に行いたい。今回は過去10年における当レースのデータを基に、「過信禁物の注目馬」を導いていく。
前走2500m以上の馬はクラスに注意
まずは、出走各馬の前走距離に着目する。最も成績が良好なのは前走2000~2400mを走った組で、【5-7-8-56】勝率6.6%、連対率15.6%、複勝率26.3%となっている。前走が2500m以上だった面々は【5-3-1-41】勝率10.0%、連対率16.0%、複勝率18.0%となっており、複勝率こそやや落ち込むが好走している馬も多くいる。一方、前走が1800m以下の馬については【0-0-1-17】連対率0.0%、複勝率5.6%と厳しいデータが出ている。
今回のメンバーから上位人気馬を精査する上で気を付けたいのは、前走で2500m以上を走った組についてだ。この組を前走のクラス別に分類すると、前走がGⅠだった馬が【4-3-0-16】勝率17.4%、連対率、複勝率30.4%と高水準の成績を収めていた。好走馬の多くはこの組に含まれており、菊花賞や有馬記念からの転戦組が成績を大きく引き上げていることが読み取れる。
これに対して、前走がGⅡ以下の馬は【1-0-1-25】勝率、連対率3.7%、複勝率7.4%と大半が凡走していた。前走2500m以上の馬に関しては、前走のクラスにしっかりと目を向けたい。GⅡ以下からの転戦であった場合には、評価を下げた方が良いだろう。
6歳以上は出走間隔が重要
今年の登録メンバーを見渡すと、比較的高齢の馬が目立つ印象だ。そこで次は、出走各馬の年齢に関するデータを取り上げる。4~5歳馬は【5-5-6-37】勝率9.4%、連対率18.9%、複勝率30.2%と、当レースにおいて優秀な成績を収めている。一方の6歳馬以上についても【5-5-4-78】勝率5.4%、連対率10.9%、複勝率15.2%と好走率こそ落ち込むが、馬券圏内の馬の数は遜色ない。
この6歳以上のベテラン勢は、出走間隔によって明暗がハッキリと分かれる。間隔が中9週以内だった馬は【4-5-4-57】勝率5.7%、連対率12.9%、複勝率18.6%とまずまずの成績だが、中10週以上だった馬は【1-0-0-21】勝率、連対率、複勝率4.5%と1頭を除いて馬券圏外だった。
この組からの好走は、約1年1か月ぶりの出走で劇的な復活勝利を挙げた19年シャケトラのみ。ミッキースワロー(20年・2番人気4着)、ゴールドアクター(18年・3番人気11着)といった人気馬も、休養明けで本来のパフォーマンスを発揮できなかった。厳寒期には代謝の関係で馬体が絞りにくく、特に休み明けの高齢馬となれば調整は難しいはずだ。この傾向がデータにも明確に表れているだけに、該当する馬は静観するのが妥当だろう。
データで導く「過信禁物の注目馬」
ここまで紹介したデータをまとめると、当レースにおける不安要素は以下の通りである。
・前走2500m以上、かつGⅡ以下
・6歳以上で出走間隔が中10週以上
これを踏まえて、今回はチャックネイトを「過信禁物の注目馬」として挙げる。
アルゼンチン共和国杯で3着に好走した実績から上位人気の一角となりそうだが、当馬は全4勝のうち3勝を左回りで挙げており、前走がベストの舞台であったはず。右回りでの勝利は未勝利戦での一鞍のみで、今回の舞台である中山2200mも3戦3敗で得意条件とは言い難い。
また、前走は中盤以降、淀みの無い展開でレースが進み、上位進出した馬の殆どが道中で中団~後方に位置した馬であった。中団でうまく脚を溜めていた当馬にとっては、展開が向いたレースであった。
今回のメンバーには積極的にレースを引っ張る存在が見当たらず、今開催の中山の前が止まりにくい馬場傾向も当馬には逆風となるだろう。条件悪化に加え、紹介した2つの不安データにも該当していることから、重い印を打つことはできない。
《ライタープロフィール》
藤川祐輔
98年生まれ、新進気鋭の若手ライター。競馬好きの父の影響を受け、幼いころから某有名血統予想家の本を読んで育った。以前は別媒体での執筆を行っていたが、よりデータを生かした記事を書きたいと考えSPAIA競馬への寄稿をスタート。いつの日か馬を買うのが夢。
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