【日経新春杯】参考レース振り返り 過去10年で3勝の菊花賞組からサヴォーナに注目

三木俊幸

2024年日経新春杯に出走予定のサヴォーナ,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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参考レースを振り返る

1月14日(日)、京都競馬場では日経新春杯(GⅡ・芝2400m)が行われる。大舞台での活躍馬も出しているハンデ重賞に出走を予定している馬たちの主な参考レースを過去10年のデータとともに振り返っていく。

菊花賞【データ:A メンバーレベル:A】

過去10年の成績【3-0-1-9】勝率23.1%、連対率23.1%、複勝率30.8%

後にGⅠホースとなる2017年ミッキーロケット、2019年グローリーヴェイズなど、最多の3勝をあげている菊花賞組。今年はサヴォーナ、ハーツコンチェルト、サトノグランツが出走を予定している。

皐月賞馬ソールオリエンス、ダービー馬タスティエーラがともに出走した菊花賞。スタートして最初の4角を迎えたところでドゥレッツァがハナを奪って1000mを1:00.4で通過する。しかし向正面に入ったところでパクスオトマニカ、さらに2周目の3角で今度はリビアングラスが先頭に立つなど入れ替わりの激しいレースとなった。

そうした展開でも動じることなく、自分のペースを貫いたドゥレッツァが残り200mで後続を振り切ると2着タスティエーラに3馬身半差をつける完勝。勝ちタイムは3:03.1だった。

参考レース・2023年菊花賞勝ち馬のドゥレッツァ,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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5着サヴォーナはレース序盤、後方3番手を追走するも2周目に入った向正面で進出開始。勝負所では2列目の外までポジションを押し上げて粘り込んだ。勝ち馬からは1.0秒離されたが、3着ソールオリエンスとは0.1秒差。自ら動いていったことを踏まえると力は発揮できたと言える。開幕週の京都コースは上がりのかかるレースが多く、今の馬場は向きそうで、勝ち負けを期待したい。

6着ハーツコンチェルトは、入れ替わりの激しい先行争いを見る形の4、5番手を追走。勝負所のペースが上がったところでポジションを下げ、直線に向いたところでは手応えが怪しくなったように思われたが、内からジリジリと伸びてサヴォーナとタイム差なしでゴールした。こちらも上がり勝負では限界があるので、馬場は味方しそうだ。

サトノグランツはサヴォーナからさらに0.2秒遅れた10着。道中は中団からレースを進め、最後の直線は外に持ち出したが前に迫るところまではいけなかった。京都コースでの京都新聞杯を勝利しているだけでなく、神戸新聞杯ではサヴォーナを差し切りアタマ差の勝利を挙げるなど実績十分だが、上がり勝負で結果を残しており、馬場状態を踏まえると上記2頭よりは割引きたい。

参考レース・2023年菊花賞、最終直線叩き合いの様子,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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ジャパンC【データ:B メンバーレベル:S】

過去10年の成績【1-0-0-6】勝率14.3%、連対率14.3%、複勝率14.3%

過去10年では7頭が出走し、2023年ヴェルトライゼンデが勝利。今年はショウナンバシットとインプレスの登録がある。

レースはパンサラッサが後続を大きく引き離す展開で逃げ、1000mを57.6で通過。そのまま直線へと向いたが、道中3番手を追走していたイクイノックスが圧巻の走りを披露する。残り250mで前を捉えると、同年の三冠牝馬リバティアイランドや前年の二冠牝馬スターズオンアース、前年のダービー馬ドウデュースらの追い上げを全く寄せ付けず4馬身差。勝ちタイムは2:21.8だった。

参考レース・2023年ジャパンカップ勝ち馬のイクイノックス,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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11着だったショウナンバシットは道中8番手を追走するも、イクイノックスからは2.0秒差だった。重馬場だった皐月賞5着をはじめ、力を要する馬場を得意としているのは歓迎材料。ただし今回登録はあるが、翌週のAJCCに向かう可能性もある。

インプレスは道中を後方2番手から運んだが、勝ち馬から3.4秒差の13着。オープン入り後に3着内への好走は3走前の新潟記念3着のみで、今回も展開の助けがほしい。

2024年日経新春杯に出走予定のインプレス,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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中日新聞杯【データ:C メンバーレベル:C】

過去10年の成績【0-1-1-14】勝率0.0%、連対率6.3%、複勝率12.5%

過去10年で3着内への好走は2頭。2018年ロードヴァンドールが4番人気2着、中京開催となった2022年にヤシャマルが9番人気で3着となっている。今年はカレンルシェルブルが中日新聞杯をステップに参戦する。

レースは出ムチを入れて先行する構えをみせたユニコーンライオンとホウオウビスケッツが並んで前半1000mを1:00.2で通過する展開となった。

それらを前に見ながら好位のインで脚を溜めていたヤマニンサルバムが残り200mで先頭に立つと、4角12番手から追い込んだハヤヤッコを3/4馬身差凌いだ。勝ちタイムは1:58.8、重賞初制覇を達成した。

カレンルシェルブルは、道中最後方のインを追走して、やや隊列が凝縮した向正面でポジションを押し上げるも、コーナーに差しかかるところで進路がなくなり再び最後方に下がってしまう。直線は外に持ち出して上がり34.1の末脚で追い込んだが、勝ち馬から0.8秒差の10着に終わった。距離延長は問題なく、上がりのかかる馬場も歓迎で条件は合う。

アルゼンチン共和国杯【データ:C メンバーレベル:B】

過去10年の成績【0-1-0-12】勝率0.0%、連対率7.7%、複勝率7.7%

2023年にキングオブドラゴンが10番人気2着と好走したが、13頭中3着内は1頭のみと結果は振るわない。今年はハーツイストワール、レッドバリエンテ、ディアスティマの登録がある。

レースはアフリカンゴールドが逃げ、1馬身後ろからアリストテレス、ジャンカズマが続いて1000m通過は1:07.0。ハンデ戦らしく直線は各馬が横に広がり、マイネルウィルトスが一旦は先頭に立ったが、4角15番手のインにいたJ.モレイラ騎手騎乗のゼッフィーロが馬群の狭いところを捌いて突き抜けた。勝ちタイムは2:29.9。ゼッフィーロは続く香港ヴァーズでも2着と好走している。

6着ハーツイストワールは道中13番手付近を追走。勝負所では外を回して直線はマイネルウィルトスとともに伸びかかったが、ラスト100mを切ったあたりで失速。勝ち馬から0.4秒差だったが、進路取りと動いたタイミングを考えると悲観する内容ではない。

2024年日経新春杯に出走予定のハーツイストワール,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)


7着レッドバリエンテは後方2番手から運んだ。直線で外に持ち出そうとするところで進路がなく、挟まれる不利があってこちらも勝ち馬とは0.4秒差。スムーズなレースができれば今回のメンバーでも上位争いに加わってきていい。

2024年日経新春杯に出走予定のレッドバリエンテ,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)


ディアスティマは中団馬群からレースを進めるも、13着。先行してこその馬だけに、持ち味を発揮できずに終わってしまった。

京都大賞典【データ:C メンバーレベル:B】

過去10年の成績【0-0-0-2】勝率0.0%、連対率0.0%、複勝率0.0%

過去10年で出走は2頭のみと少ないが、いずれも6着以下。今年はヒンドゥタイムズとブローザホーンが出走を予定している。

雨上がり後の重馬場で行われたレースは、アフリカンゴールドが逃げる展開で1000m通過は1:01.6。ゴール前は道中3番手のインから運んだプラダリアとその直後を追走していたボッケリーニが馬体を併せての追い比べとなったが、プラダリアがクビ差制した。勝ちタイム2:25.3での決着だった。

4着ヒンドゥタイムズは中団のインでロスなく立ち回り、ゴール前は外からディープボンドに差されたが、勝ち馬と0.2秒差という内容なら力は発揮できたと言える。

ブローザホーンはヒンドゥタイムズの直後からレースを進めたが、向正面で菅原明良騎手の手が動き始め、3角から徐々に後退。4角を回りきったあたりで競走を中止した。それ以来の一戦となるだけに状態面が気になるが、条件は合っている。

ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。

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