【チャンピオンズC】最多勝種牡馬はキングカメハメハ 秋のダート王決定戦の「記録」を振り返る
緒方きしん
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6馬身差の圧勝を見せた2021年テーオーケインズ
イクイノックスvsリバティアイランドに沸きたったジャパンCが終わり、今週はレモンポップやセラフィックコールらで盛り上がるであろうチャンピオンズCが開催される。2014年から現在の名称、条件で開催されるようになったダート王決定戦。今回は、そんなチャンピオンズCの記録を紹介する。
ジャパンCのイクイノックスによる4馬身差の快勝劇も衝撃的だったが、レモンポップの前走マイルチャンピオンシップ南部杯での大差勝ちも忘れられない。対するセラフィックコールも前走みやこSを3馬身差で快勝している。本番となる過去9回のチャンピオンズCでの最大着差は6馬身差。2021年に当時4歳のテーオーケインズが記録した。
2021年のチャンピオンズCは、白毛馬ソダシの参戦が大いに話題を集めた。そのソダシがレースを引っ張る中、4角6番手から上がり最速の35.5を繰り出したのがテーオーケインズだった。2着のチュウワウィザードが上がり2位のタイムを出しているものの、それでも36.2。後方からの追い込みで、テーオーケインズに迫ることはできなかった。メイショウハリオやカフェファラオなどその後も大いに活躍する素質馬たちが参戦していた中で圧倒的な強さを見せつけた。
勝ちタイムは1:49.7という好時計。しかし、レースレコードは2019年にクリソベリルが出した1:48.5となっている。また、テーオーケインズの上がりタイムは歴代のチャンピオンズCで馬券圏内に食い込んだ馬の中では第5位である。
上がり最速タイムのトップは2018年の2着馬ウェスタールンド。勝ち馬ルヴァンスレーヴには届かなかったものの、上がり34.4と、過去9回の出走馬で唯一34秒台の末脚を繰り出している。ウェスタールンドは爆発的な末脚が魅力の馬で、特に8歳以降から10歳で引退するまでの11戦で9回、上がり最速を記録している。そのレースぶりは強く記憶に刻まれている。
550キロの雄大な馬体で勝ち切ったクリソベリル
無敗馬セラフィックコールはそのレースぶりも勿論だが、雄大な馬体も大きな魅力の一つ。プラス6キロの536キロで挑んだ前走みやこSで印象に残ったファンも多いことだろう。
歴代チャンピオンズCの馬券圏内に食い込んだ馬で最も馬体重が重かったのは、2019年の勝ち馬クリソベリル。馬体重は550キロで、その年の出走馬のなかでも2番目の重さだった(1番はサトノティターンの580キロ)。
ちなみに馬券圏内に食い込んだ馬の馬体重ランキングでは、2位が2017年3着馬コパノリッキーの546キロ、3位が同年の勝ち馬ゴールドドリームの538キロと、2017年の2頭がランクインした。この年のメンバー内でもこの2頭がツートップ、また、2頭のワイドは40.6倍と、こちらも"ビッグ"な配当だった。
クリソベリル、コパノリッキー、ゴールドドリームの共通点は、雄大な馬体の他にもう一つある。それは父がゴールドアリュールであること。特にゴールドドリームは3回馬券に食い込んでいることもあり、ゴールドアリュール産駒がチャンピオンズCで馬券圏内に食い込んだ回数は5回と歴代トップになっている。
しかし勝ち星で見ると、2勝のゴールドアリュール産駒を抑えて、3勝を挙げるキングカメハメハ産駒がトップ。ホッコータルマエ、チュウワウィザード、ジュンライトボルトが該当している。
今年の出走馬に、父や母父がゴールドアリュールの馬はいないが、キングカメハメハの血を持つ馬は複数出走する。果たしてどういった結果になるか、楽しみだ。
ライタープロフィール
緒方きしん
競馬ライター。1990年生まれ、札幌育ち。家族の影響で、物心つく前から毎週末の競馬を楽しみに過ごす日々を送る。2016年に新しい競馬のWEBメディア「ウマフリ」を設立し、馬券だけではない競馬の楽しみ方をサイトで提案している。好きな馬はレオダーバン、スペシャルウィーク、エアグルーヴ、ダイワスカーレット。
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