【オールカマー】中山経験がない方が好走率と妙味アップ 該当馬はマリアエレーナのみ

佐藤永記

オールカマー出走馬の中山芝経験別成績(過去5年),ⒸSPAIA

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注目の傾向は

2023年9月24日に中山競馬場で開催されるオールカマー。中山芝2200m・外回りという特殊性の高いコースレイアウトもあり、やはり中山適性を気にする方も多そうである。

注目の傾向がないか調べたものの、どうもピンとくるような傾向が見えてこない。それはコースレイアウトのみならず、過去開催での馬場状態が不安定だったり、フルゲートで開催された例が少なかったりと、毎年異なるレベルやペースになるのが理由だろう。

そんななか、データをこねくりまわして調べ続けると「なんでこうなるの?」という、根拠が見えてこない不思議な傾向を発見した。それはなんと、

中山芝をあまり経験したことのない馬のほうが好走する。

というものだ。


昨年は中山芝未経験馬のワンツー

オールカマー出走馬の中山芝出走経験別の成績,ⒸSPAIA


過去5年のオールカマー出走馬の中山芝経験別成績を見ると、経験ありは【4-4-5-39】勝率7.7%、複勝率25.0%、単回収率51%だが、経験なし【1-1-0-6】勝率12.5%、複勝率25.0%、単回収率243%で、勝率、回収率ともに中山経験のない馬の方がいい傾向にあるのだ。

次に、過去5年の上位馬の中山芝出走回数を見る。

オールカマー上位馬の中山芝出走回数,ⒸSPAIA


特に昨年が顕著だったのだが、1着ジェラルディーナ、2着ロバートソンキーはともに中山芝がそれまで完全に未経験だった。ちなみにこの年は13頭立てで中山未経験馬が5頭もいたが、それにしてもワンツーフィニッシュするのは驚きだ。

2021年は3着に1回しか中山芝経験のなかった6歳馬グローリーヴェイズが入った。しかもその1回は2歳10月の新馬戦。つまり約4年ぶりの中山出走で好走したことになる。また、惜しくもクビ差4着だったレイパパレは中山芝未経験だった。

2020年は9頭立ての少頭数ではあったものの、1着から3着まで順番に、中山芝経験が1、2、3回と、経験が浅い順でワン・ツー・スリーを決めてしまったのである。ちなみにこの年は未経験馬がいなかったので、完全に経験の浅い順となっていた。

さらに2019年も1着スティッフェリオ、3着グレイルが経験2回。0回の馬もいたのだが、その馬は地方から転入し2勝クラスからの格上挑戦であった。それを除けば出走馬中で中山芝最少キャリアだったのはスティッフェリオとグレイルだった。おまけにその前年の2018年も上位3頭の中山芝経験は3-2-3回(最少は1回)と、少ない方の馬たちばかりであった。


今年の中山芝キャリアが浅い馬は

なんでこうなるのかは全くわからないが、敢えて理由をつけるとすれば「トリッキーな中山を攻略するには、むしろいろんな経験を生かすほうがよいのかもしれない」といったところか。今回は完全に無根拠で傾向だけ見て取り上げたのだが、「中山芝をあまり走ってない馬」をチェックしてみよう。

<中山芝出走回数が少ない馬(2回以下)>
0回:マリアエレーナ
1回:ゼッフィーロ、ハヤヤッコ
2回:エヒト、ガイアフォース、ジェラルディーナ、ロングラン

中山芝を走ったことがないのは現在5歳のマリアエレーナだけだ。3走前から5-5-4着と惜しい内容が続いているが、その分配当が美味しくなるのであれば、初出走となる中山芝でハマるのを期待したいところだ。

中山芝経験が1回の馬も面白い。ゼッフィーロは全キャリアが10戦と浅く、オープン入りが3走前。オープンに入りメトロポリタンS3着、目黒記念4着と、シンプルに可能性がある馬だ。ハヤヤッコはご存知のとおり昨年から芝に転向してきたため、中山ダートでは7戦のキャリアがあるが、芝は転向直後の日経賞5着のみ。成績から一発があっても驚かない。

気になった方は馬券に1枚入れてみていただきたい。

<ライタープロフィール>
佐藤永記
20代を公営ギャンブラーとして過ごし、30歳から公営競技の解説配信活動を開始。競馬を始め多くの公営競技ファンに各競技の面白さや予想の楽しみを伝えている。現在はYoutubeで配信活動を続けながらライターとして公営競技の垣根を超えて各所で執筆中。

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