【中京記念】複勝率42.9%の好データに唯一該当 Cアナライズからはメイショウシンタケを推奨

貴シンジ

中京記念の前走OP・L組の好データ,ⒸSPAIA

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3つのファクターから推奨馬を見つけ出す

先週の函館2歳Sでは推奨馬3頭が揃って馬券を外してしまう結果に。改めて2歳戦の難しさを痛感したレースとなった。さて、今回は7月23日(日)に中京競馬場で行われる中京記念について下記3つのファクターを組み合わせる、コンプレックスアナライズで分析を行っていく。

・レースの好走馬及び凡走馬の共通項を探る「重要データ」
・目には見えない上積みを探る「前走不利データ」
・適性と素質を知るための「血統評価」

特別登録のあった18頭を検討対象とし、過去10年のデータを使用する。


重要データ:前走OP・Lで連対した馬は抜群の成績

2023年中京記念、前走クラス別成績(過去10年),ⒸSPAIA


中京記念では前走クラスが非常に重要なファクターの一つだ。昇級組、OP・L組、重賞やGⅠでも走るような一線級が入り乱れるレースとなっている。3勝クラス【0-0-1-8】、OP・L【5-6-3-58】、GⅢ【1-0-3-31】、GⅡ【2-1-2-9】、GⅠ【2-3-1-22】となる。まず昇級組はほとんど通用していない。重賞組は勝率や複勝率こそ悪くないが、過去の実績から重いハンデになることも多く、過剰人気になりがち。そういったことから単勝回収率53%、複勝回収率57%と低調な成績だ。

対して注目したいのは前走OP・L組。こちらは単勝回収率288%、複勝回収率122%で妙味がある。20年にメイケイダイハードが18番人気、単勝163倍で1着になったことから、回収率が一気に上がっているが、それを例外としても、「ある条件」に該当する馬の成績は良好だ。

その条件とは、「前走OP・Lで連対している」こと。これに当てはまる馬の成績は【3-3-3-12】で勝率14.3%、複勝率42.9%、単勝回収率156%、複勝回収率154%。好走率、妙味ともに期待できるデータとなっている。

【前走OP・Lで連対している馬】
・メイショウシンタケ


前走不利データ:ヴィクトリアマイルのディヴィーナ

ディヴィーナの前走はヴィクトリアマイル4着。15番人気と低評価だったが、勝ち馬ソングラインから0.2秒差と健闘した。同レースでは馬体重が重要な要素なっていて、レース当日420~439キロの馬は【1-1-1-20】で単勝回収率58%、複勝回収率34%だ。レース全体の複勝回収率が118%もあることを考えると、不利なデータと言える。

本馬はそんななか4着と好走したことは評価できる。晩成傾向の強いモーリスにヴィルシーナという組み合わせだけに、本格化の兆しかもしれない。


血統解説:ディヴィーナ、ホウオウアマゾン、メイショウシンタケ

・ディヴィーナ
日本での牝祖は3代母ハルーワソング。この一族は日本で多数の活躍馬を出しているが、なかでもハルーワスウィート(本馬の祖母)は別格だ。ヴィクトリアマイル連覇のヴィルシーナ(父ディープインパクト、本馬の母)、JC勝ちのシュヴァルグラン(父ハーツクライ)、秋華賞とドバイターフ勝ちのヴィブロス(父ディープインパクト)と、産駒の活躍が著しい。その抜群の活力はヴィルシーナも受け継いでおり、産駒のブラヴァス(父キングカメハメハ)は20年に新潟記念を勝利。本馬も重賞を勝つだけの血統背景と言えるだろう。

このファミリーは晩成傾向の強い馬が多い。本馬は父がモーリスで、その傾向はより強くなっているだろう。ここにきて本格化したと考え、抽選を突破したさいは抑えておくべき一頭かもしれない。ペースが速くなるとより良さが出る可能性があり、展開も重要だ。

ディヴィーナの血統表,ⒸSPAIA


・ホウオウアマゾン
日本での牝祖は祖母スターミー。同馬は優秀な繁殖で、ヴィクトリアマイル2着や京都牝馬S勝ちのヒカルアマランサス(父アグネスタキオン、本馬の母)、天皇賞(春)2着や金鯱賞勝ちのカレンミロティック(父ハーツクライ)などを輩出した。ヒカルアマランサスもJRA・4勝のギモーヴ(父ハービンジャー)、本馬の全姉でJRA・3勝のクインアマランサスを出すなど活力を見せている牝系だ。元を辿れば3代母Caerlinaは仏オークス馬で、その父Caerleonの切れ味はファミリーを通じて重要な要素となっているのだろう。

スターミーの父がA.P. Indyなので、ここが主張すればクインアマランサスのようにダートを主戦場とする馬も出るが、本馬はキングカメハメハとA.P. Indyの双方が出ていて、牝祖Caerlinaらしさはそこまで出ていない。そういうこともあってか3走前はダートを試したが、本質的な適性は芝マイル前後だろう。中京コースは野路菊Sを勝利しており適性もある。こちらもタフな展開でこそ活きるタイプだけに、ディヴィーナと一緒に馬券内に突っ込んでくる可能性はある。

ホウオウアマゾンの血統表,ⒸSPAIA


・メイショウシンタケ
日本での牝祖は祖母アドマイヤラピス。ファミリーには15年に日経新春杯と日経賞勝ちのアドマイヤデウス、06年日経新春杯、08、09年中山金杯勝ちのアドマイヤフジなどがいる。パワータイプの芝中長距離ファミリーだ。本馬は母父がアドマイヤコジーンで、ファミリー全体から考えれば距離適性は短めにでた。Be My Guestの4×3を持っているが、影響としてはアドマイヤコジーンが一番強いだろう。

ワールドエース×アドマイヤコジーンで持続力を武器としたマイル前後の馬で、時計勝負も問題なし。ただ、速い上がりを求められると苦しくなるので、こちらもペースはある程度流れてほしい。

メイショウシンタケの血統表,ⒸSPAIA


Cアナライズではメイショウシンタケを推奨

今回のCアナライズではメイショウシンタケを推奨する。唯一の好走データ該当馬で、鞍上も【2-0-0-1】と相性の良い藤岡康太騎手が騎乗予定。この馬が好走するのはペースが流れたときで、そのとき一緒に好走しそうな馬は、血統解説で紹介したディヴィーナ(抽選対象)やホウオウアマゾンではないか。人気が予想されるルージュスティリアはペースが落ち着いた方が力を発揮できるタイプで、今回は展開的に相性は良いとは思えない。思い切って消してみても面白いかもしれない。

ライタープロフィール
貴シンジ
競馬ライター。サラブレッドの血統をファミリー中心に分析する牝系研究家。3つのファクターから構築する「コンプレックスアナライズ」を駆使して競馬予想を行う。WEBサイト『ウマフリ』で「牝系図鑑」も連載中。競馬予想のほか「競馬王」など商業誌での執筆、一口馬主クラブ募集馬やセリ馬の血統分析、血統の魅力の伝承、繁殖牝馬の配合提案などを独自の切り口から行う。

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