【中京記念】マイル戦では馬連万馬券が5本 最多勝馬主はキャロットファームなど「記録」を振り返る

緒方きしん

2023年中京記念にまつわる「記録」,ⒸSPAIA

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2020年にはシンガリ人気の「メイケイ」が優勝

中京記念は2012年に夏のマイル戦としてリニューアル。リニューアル後も様々な名勝負が繰り広げられてきたが、同時に多くの波乱劇が起こり、万馬券が飛び出してきた。2013~2015年には3年連続で馬連が万馬券となった。

馬連の配当で第2位は、2000m時代も含めると2004年の720.7倍だが、それを上回ったのが阪神競馬場での開催だった2020年。シンガリ18番人気のメイケイダイハードが早めにスパートをかけ、6番人気ラセットの猛追をクビ差で凌いだ。単勝163倍、馬連800.1倍、三連単33023.9倍と、見事な大波乱を巻き起こした。

鞍上はこれが初コンビだった酒井学騎手。同騎手は同年の6月にもマーメイドSで7番人気サマーセントを勝利に導き、翌週のユニコーンSで11番人気ケンシンコウを3着に持ってくるなど大活躍。中京記念の前週にも七夕賞で6番人気ヴァンケドミンゴを3着に好走させ、好調を維持していた。

メイケイダイハードの勝利は、父ハードスパンにとってJRA重賞初勝利となった。全日本2歳優駿の勝ち馬サマリーズなど、ダートに強いハードスパン産駒だが、芝重賞で驚くべき激走を見せた。メイケイダイハード自身もこの中京記念の前はダート戦であり、ファンの意表をつく走りだった。


キャロットファームが最多の4勝

グレード制導入(1984年)以降で、最多勝を誇る馬主はキャロットファーム。中京競馬場リニューアル直後にフラガラッハが連勝したほか、グルーヴィットとベレヌスで計4勝をあげている。2位はガリバルディ(レース当時)やアンドラステ、タスカータソルテなど社台レースホースの3勝。さらにウインもウインガニオンで勝利をあげていて、一口クラブの躍進が目立つ重賞と言える。

20212年フラガラッハの鞍上は、当時デビュー3年目だった高倉稜騎手だった。キョウヘイやノーブルマーズ、近年ではピンハイなどを勝利に導いてきた技巧派の彼にとって最初の重賞制覇でもあった。

2000m時代には「必殺仕事人」田島良保騎手が3連覇を成し遂げたこともあったレースだが、リニューアル後に複数勝利をあげているのは、フラガラッハとコンビを組んだ高倉稜騎手のみ。今年は昨年ベレヌスで中京記念を制した西村淳也騎手が、昨年の5着馬ヴァリアメンテで参戦予定(抽選対象)のほか、ルージュスティリアに騎乗予定の川田将雅騎手、セルバーグに騎乗予定の松山弘平騎手などが2勝目を狙う。

ライタープロフィール
緒方きしん
競馬ライター。1990年生まれ、札幌育ち。家族の影響で、物心つく前から毎週末の競馬を楽しみに過ごす日々を送る。2016年に新しい競馬のWEBメディア「ウマフリ」を設立し、馬券だけではない競馬の楽しみ方をサイトで提案している。好きな馬はレオダーバン、スペシャルウィーク、エアグルーヴ、ダイワスカーレット。

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