【オークス】参考レース振り返り 過去10年で7勝の桜花賞組、リバティアイランド死角なし
三木俊幸
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
オークス参考レースを振り返る
5月21日(日)に東京競馬場を舞台に争われる牝馬クラシック第2戦、オークス(GⅠ・芝2400m)。リバティアイランドの二冠か、それともライバルの逆転はあるのか。主な参考レースを過去10年のデータとともに振り返る。
桜花賞【データ:A メンバーレベル:A】
過去10年の成績【7-4-5-62】勝率9.0%、連対率14.1%、複勝率20.5%
クラシック初戦ということで必然的に好メンバーが集結する桜花賞。過去10年で7勝と圧倒的な成績を残している。今年も登録のある21頭のうち、11頭が桜花賞に出走した馬だ。
レースはモズメイメイが逃げ、2番手にコナコーストという隊列で前半800mは45.9で通過した。やや縦長の隊列となり、1番人気に支持されたリバティアイランドは15番手のインでレースを進める形となる。
残り200m地点ではコナコーストと4番手から伸びてきたペリファーニアの2頭が抜け出す格好となったが、大外から上がり32.9と1頭だけ違う脚で伸びたリバティアイランドが差し切り、見事に桜花賞制覇を果たした。勝ちタイムは1:32.1だった。
内の先行馬有利の馬場状態で4角16番手、大外を回した内容からも3/4馬身という着差以上に力の違いを見せつけたリバティアイランド。死角はないだろう。
2着コナコーストは馬場状態を味方につけて完璧に立ち回った。クビ差3着のペリファーニアも見せ場十分のレース内容で、ともに距離延長も問題ないタイプだ。
2400mがプラスに作用するのは4着ハーパー、5着ドゥアイズ、6着シンリョクカも同様。4着ハーパーは切れる脚はないが、ジリジリと差をつめた内容から距離延長はプラス。5着ドゥアイズも似たタイプで直線は外に持ち出すまでに少しモタついたところがあったので、ハーパーと同等の評価はできる。6着シンリョクカは上がり3位となる33.8で4角11番手から伸びて、ドゥアイズとクビ差。こうした内容からも2~6着馬に関しては2400mの舞台では実力拮抗と言える。
8着ライトクオンタム、10着エミュー、11着ラヴェル、12着キタウイング、14着ドゥーラは現時点では先述の上位馬と比較すると物足りない感は否めない。ただ、このうちラヴェルはアルテミスSでリバティアイランドを破った末脚が素晴らしかった。瞬発力勝負になれば巻き返す余地はある。
フローラS【データ:B メンバーレベル:B】
過去10年の成績【1-4-2-38】勝率2.2%、連対率11.1%、複勝率15.6%
桜花賞組以外では最多となる7頭が3着内に好走。2021年にユーバーレーベンがフローラS3着からオークスを制している。
好スタートからすんなりハナを奪ったのはゴールデンハインド。2番手以下はクイーンオブソウル、キミノナハマリアと続き1000m通過は1:00.8だった。直線に向いて、4番手のインからロスなく立ち回ったソーダズリングが追いすがるも差が縮まらず、ゴールデンハインドが1.1/4馬身差をつけて逃げ切り。開幕週らしく、内を通った先行馬が上位を占めた。
過去10年の勝ちタイムと比較すると、1:58.9は2020年ウインマリリンの勝ち時計1:58.7に次ぐ好タイム。ゴールデンハインド、ソーダズリングともに長くいい脚が使えそうなタイプで、更なる距離延長も問題ない。桜花賞組相手にどこまでやれるか注目だ。
馬場と展開を味方につけた上位2頭に対し、後方2番手追走から直線は大外を伸びて4着だったイングランドアイズ。勝ち馬とは0.5秒差で、使った上がり33.4は最速タイだった。母はオークス馬ヌーヴォレコルト。クイーンCでは桜花賞4着のハーパーと0.1秒差という戦績を踏まえると、上位に割って入っても不思議ではない。
11着に終わったキミノナハマリア。好位からレースを進めるも、直線残り200mを切ったあたりで一杯となった。現状では力不足と言わざるを得ない内容だ。
ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。
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