【平安S】充実グロリアムンディ、JRA重賞に王手! 一発秘めるは重賞2勝馬サンライズホープ
勝木淳
ⒸSPAIA
グランドオープン後の京都ダート
ここ2年は中京で代替されていた平安Sも京都に戻る。グランドオープン後の京都のダートはどんな傾向だろうか。平安Sの舞台・1900mは5月7日までに5レース行われた。内訳は未勝利2レース、1~3勝クラス各1レースずつ。逃げ先行【4-4-3-13】、中団後方【1-1-2-37】で逃げ先行優勢だが、中団後方の1勝は3勝クラスの栞S。ダートの中距離は高額条件ほど最後にもつれる。
100m短い1800mは14レース行われ、逃げ先行【11-10-4-30】、中団後方【2-2-8-113】、まくり【1-2-2-1】とこちらも逃げ先行の成績がよく、後ろから進める馬は早めに動かないと厳しい。こちらはオープン特別が平城京Sの1レース。このレースは前半1000m1.01.7とそこそこ流れ、最後の200m12.7と時計を要し、1、2着は好位勢だったが、3着は4コーナー14番手メイショウユズルハ。やはり上級条件は単調ではない。
前出の栞Sもラスト13.2-13.4と時計がかかった。不良馬場で高速化した5月7日2勝クラスの1900m戦もラストは13.1。平坦コースながら、最後に時計を要する。京都に限らず、真新しい砂に入れ替えたダートは時計がかかる傾向にある。平安Sも先行優位と決めてかからず推理したい。データは中京の2年も含め過去10年分を使用し、中京と京都の傾向の違いも踏まえて進めていく。
1番人気は【5-1-0-4】勝率50.0%、複勝率60.0%と信頼できる。帝王賞の前哨戦らしく、チュウワウィザード、テーオーケインズといった実績馬の名が並ぶ。以下は3番人気【1-3-3-3】勝率10.0%、複勝率70.0%が目立つが、残りは7番人気まではそれなりの数字で、10番人気以下【1-1-1-64】勝率1.5%、複勝率4.5%。伏兵の大駆けもないこともないが、基本は上位人気が信頼できる。
年齢別は4歳【4-3-1-29】勝率10.8%、複勝率21.6%、5歳【5-2-4-36】勝率10.6%、複勝率23.4%とダート重賞にしては若い世代の成績がいい。もちろん、6歳以上もケアが必要だが、中心は4、5歳勢から探そう。
まずはグロリアムンディ、ヴァンヤール
今年4、5歳といえば、ノットゥルノ、カフジオクタゴン、グロリアムンディ、ヴァンヤールといった馬たち。どちらかというと5歳勢の近況がいい。次は前走成績別データを確認し、好走パターンに合致する馬を探してみる。
まずは前走地方【2-2-2-12】勝率11.1%、複勝率33.3%から。ここはグロリアムンディ、テリオスベルが当てはまるダイオライト記念【1-1-0-5】勝率14.3%、複勝率28.6%に注目。その1着馬【1-1-0-0】、2着以下【0-0-0-5】なので、グロリアムンディが好走データに合致する。昨年以降はGⅠの2戦こそ崩れたものの、それ以外は1、1、2、1着。JRA重賞タイトルにいつ届いてもおかしくない。
ハギノアレグリアスの名古屋大賞典は【0-0-0-2】。17年4番人気ケイティブレイブはハギノアレグリアスと同じく名古屋大賞典を勝利してここへ進み、5着に敗れた。
ではJRA重賞からの転戦組はどうだろうか。内訳をみると、ヴァンヤール、カフジオクタゴンなどが該当するアンタレスSが【3-4-3-44】勝率5.6%、複勝率18.5%。ここは直近のダート重賞だけあって出走自体が多く、絞りにくいが、着順別成績をみると掲示板以内が【2-3-2-19】、6着以下【1-1-1-25】とまずは好走馬だ。2着ヴァンヤール、5着カフジオクタゴンをマーク。さらに10着以下【1-1-0-9】勝率9.1%、複勝率18.2%と大敗馬が人気を落として巻き返す可能性にも注意。妙味は10着サンライズホープだろう。重賞2勝の実績馬であり、好走して不思議はない。
もう少し間隔があく前走マーチSは【0-2-1-14】複勝率17.6%。ハンデ戦だからかやや落ちる。マーチS組は急坂がある中京の2年間で【0-1-1-4】、京都での8年【0-1-0-10】。今年は4着ロードヴァレンチなどがいるが、安易に飛びつけない。
ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。新刊『テイエムオペラオー伝説 世紀末覇王とライバルたち』『競馬 伝説の名勝負 GⅠベストレース』(星海社新書)に寄稿。
《関連記事》
・3連単の最高額は1460万40円 2022年中央競馬の高額配当ランキング
・武豊騎手、JRA重賞350勝までの道のり 節目の重賞勝利を振り返る
・2023年に産駒がデビューする新種牡馬まとめ 日本馬の筆頭・レイデオロは「ディープ牝馬」との配合で期待
おすすめ記事