【アーリントンC】京王杯2歳S勝ち馬オオバンブルマイがデータ優勢 1戦1勝ナヴォーナも魅力大

SPAIA編集部

アーリントンCに関するデータ,ⒸSPAIA

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4月開催の6年目

2023年4月15日に行われるのは3歳限定のマイルGⅢ・アーリントンカップ。かつては2月末、阪神開催の開幕を告げる重賞で、タニノギムレットやペルシアンナイトが通った道だった。しかし2018年からNHKマイルCにつなげる形で4月中旬に移動。今年がその6年目となる。

2月時代と今とではレースの立ち位置が変わっているが、その前提も踏まえた上で、まずは便宜上過去10年のデータを分析しながら展望する。

勝率100%? 朝日杯FSからの直行組

人気別成績,ⒸSPAIA


まずは人気別から。1番人気7勝だが2、3着はなく、複勝率も70.0%という成績。ちなみに、勝った7頭のうち実に5頭がのちにGⅠ馬となっている。そういう観点でも注目だ。

4番人気【1-1-3-5】や7番人気【0-2-3-5】が示すように、複勝圏には中穴クラスの馬がよく顔を出す。ただ、さすがに単勝オッズが50倍以上だった馬は【0-0-0-41】で馬券絡みがない。

前走クラス別成績,ⒸSPAIA


明確な特徴が現れているのは前走クラス別成績。新馬・未勝利と1勝クラス組で出走数の半分以上を占めるものの、計1勝止まり。特に1勝クラスで負けていた馬は【0-0-1-29】で全くといっていいほど走らない。

基本的には前走重賞組【8-5-4-30】複勝率36.2%が強く、単回収率123%、複回収率105%と全部買っても黒字圏内。もう少し具体的に内訳を見る。

前走レース別成績,ⒸSPAIA


主だったところは朝日杯FS【3-2-0-6】とシンザン記念【3-1-2-5】。ただ、これを4月開催の近5年で見ると朝日杯FS【3-0-0-0】で勝率100%、対するシンザン記念【0-0-1-2】となる。どちらもサンプルが少なく、これだけで決めつけるのも乱暴だが、ざっくり言えば以前は1月シンザン記念→2月末アーリントンCと続戦する馬が活躍していたのに対し、現在は朝日杯FSを使ったあと休養に入り、NHKマイルCに向けてここから始動する馬に軍配が上がっている。今年の登録馬で直行だとオオバンブルマイがいる。

その他データ,ⒸSPAIA


ほか、あまり一貫性のないものになるが、いくつかデータを紹介していく。まず血統ではロードカナロア産駒が【2-1-1-3】複勝率57.1%と好相性。19年に逃げ切ったイベリス、昨年の勝ち馬ダノンスコーピオンもこの父だった。ロードカナロア産駒は阪神芝1600mのコースデータでも単回収率100%を軽々と超えており、コース適性が高い。1勝馬で出走叶うかは不透明だがナヴォーナがいる。

続いて騎手だと、「美浦所属騎手」が【2-3-2-5】で複勝率58.3%。「栗東所属騎手」の同17.4%に比べて異様に高い。あえて遠征してくるジョッキーがいたら警戒したい。

最後に枠順別では、5・6枠が10年で8勝。それどころか、4月に変更されてからは5枠が【5-2-0-3】で全勝、連対率7割を記録している。ここまでの偏りは偶然もあるだろうが、連続開催の最終週で内すぎない枠が戦いやすい、というのは納得がいくところ。今年も黄色帽子には注目だ。

ポテンシャル高いナヴォーナ

「前走重賞組が優勢」「近5年は朝日杯からの直行が3戦3勝」「ロードカナロア産駒、美浦所属騎手、5・6枠が好成績」等の要点を押さえたうえで、有力各馬について見ていこう。

まずはその朝日杯FS7着から直行するオオバンブルマイ。京王杯2歳Sを勝った時の内容は内前有利のトラックバイアスを利した感もあって目立つものではなかったが、実績最上位であることには違いない。これまでのレースぶりからはあまり切れる脚がなく、前でしぶとさを生かしたいタイプ。スタートを決めて好位で運べるかが勝負だ。

1戦1勝馬ナヴォーナも魅力的。シュネルマイスターの半弟で矢作芳人厩舎というプロフィール。新馬戦は時計こそ遅かったが、次位より0.9秒速い上がり最速・33.2秒の末脚で他馬を一蹴し、レースラップもラスト11.4-11.4-11.2と加速でまとめてみせた。いきなり重賞でもポテンシャルは通用する。最大の問題は、賞金的にまずゲートに入れるかどうか、だろう。

あとはファルコンSで追い出しを待たされる場面があった2着のカルロヴェローチェ、1勝馬だがシンザン記念3着のトーホウガレオン、好タイムで1勝クラスを勝ったショーモンなども有力視。クロッカスS勝ち馬のヤクシマは距離延長と、前走がスローの先行策で展開に恵まれた面があった分どうか。とにもかくにも、各馬の出走可否如何と枠順抽選を見届けてから上げ下げしたいところだ。

アーリントンCに関するデータ、インフォグラフィック,ⒸSPAIA



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