【フラワーC】「前走1着」が何より重要 久々でもセリオーソ
佐藤永記
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1勝クラス停滞の馬は苦戦
桜花賞トライアルはすべて終了したが、優先出走権を得た馬のなかに本賞金額が少ない馬もおり、賞金順での出走ボーダーは混沌としたまま。このフラワーCの結果によっては阪神JF2着のシンリョクカが出走できるか微妙な情勢であり、そういった意味でも注目のレースだ。
過去10年の傾向を見ると、前走1着馬の成績が【9-6-5-46】と圧倒的だ。もちろん新馬、未勝利勝ちからの直行組が一定数いて母数が多いのも理由の一つではあるが、出走数の3割弱を占める「前走1勝クラスで勝てなかった馬たち」が苦戦しているということでもある。
ちなみに、前走1着馬以外の勝利となった例外は一昨年のホウオウイクセル。前走は重賞のフェアリーSで2着だった。2着馬を見ても、昨年のニシノラブウインクは前走フェアリーS7着、2018年トーセンブレスは前走阪神JFで4着、2014年2着同着のパシフィックギャルは前走アルテミスS2着、もう1頭の2着マイネグレヴィルは前走京成杯5着で過去に札幌2歳S2着の実績があった。このようにほとんどは前走の重賞で好走した馬で、ここから外れるのは2017年のシーズララバイ(前走フリージア賞6着)だけである。
つまり、前走勝利でなければ重賞好走が大前提ということだ。
前走勝ち馬が狙い目 注目はセリオーソ
しかし今年の出走馬のうち、前走重賞で好走していた馬はいない。ミカッテヨンデイイが前走クイーンCで8着とギリギリ入着して、2歳時にはOP・フェニックス賞を勝っているが、ちょっと評価しづらいところだ。
そうなると前走勝ち馬が優勢とみる。登録馬で該当するのはエミュー、ココクレーター、セリオーソ、ドナウパール、パルティキュリエ、マテンロウアルテの6頭だが、軸として狙いたいのは1戦1勝馬のセリオーソ。過去10年のフラワーCで1戦1勝馬は2勝しており、そのうち2020年のアブレイズは12番人気、単勝は7930円もついた。
セリオーソは12月の中山、牡馬相手の2000m新馬でデビュー。スタートはイマイチだったもののすぐに中団を確保し、大外に持ち出して1頭鋭く伸びて快勝となかなかの内容だった。道中スローだったために時計は平凡だったが、レースラップがラスト2F11.9-11.8であったことと、余力ある伸びだったことを考えれば、数字以上の可能性があるだろう。
フラワーCは逃げ先行型が圧倒的に好成績を収めているレースのため、差し馬を狙うのは本来得策ではないのだが、現在の中山芝は外が案外伸びるレースがちらほらある。そういった意味でも面白い存在ではないだろうか。
<ライタープロフィール>
佐藤永記
20代を公営ギャンブラーとして過ごし、30歳から公営競技の解説配信活動を開始。競馬を始め多くの公営競技ファンに各競技の面白さや予想の楽しみを伝えている。現在はYoutubeで配信活動を続けながらライターとして公営競技の垣根を超えて各所で執筆中。
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