【フェブラリーS】ハイブリッド式消去法が導き出す結論は「大波乱」の三文字! レモンポップ消去で高配当狙う

八木遊

2023年フェブラリーS消去法データ,ⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

先週は伝統の『京都記念』を予想。消去を免れた3頭(ドウデュース、キラーアビリティ、インプレス)の三連複1点で勝負したが、馬券に絡んだのはドウデュースだけだった。これで中山金杯から泥沼の6連敗。的中がないまま今年最初のGⅠを迎える。

今週予想を担当するのは上半期のダート王を決める『フェブラリーS』。いつも通り過去10年のデータを対象に複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、条件に当てはまった馬を消去していく。今回は登録馬のうち故障で引退が決まったギルデッドミラーを除く18頭を対象に進めていきたい。


『非社台系生産』×『母父サンデーサイレンス系』★0.0%★

まずは生産者別データを取り上げる。今回は社台系以外の牧場で生産された馬が対象。過去10年で非社台系生産馬は、【7-6-7-94】(複勝率17.5%)とまずまずの成績を残しているが、母の父がサンデーサイレンス系だった馬は、【0-0-0-19】(同0.0%)と一度も3着以内がなかった。

対象18頭のうち、このデータに当てはまったのは浦和所属のスピーディキック、昨年の帝王賞覇者メイショウハリオら5頭。現時点で除外対象(*)のタガノビューティーも含めて消去する。

【今年の該当馬】
・ショウナンナデシコ
・スピーディキック
・ソリストサンダー
・タガノビューティー*
・メイショウハリオ


『関東馬』×『前走初角9番手以内』★0.0%★

続いては東西所属別データを取り上げたい。今回は過去10年で【3-1-0-20】(複勝率16.7%)の関東馬が対象。馬券に絡んだ4頭に共通していたのは前走初角の通過順が10番手以下の差し馬だったこと。逆に同9番手以内の馬は【0-0-0-17】(同0.0%)。

今年このデータに当てはまったのは、テイエムサウスダンとレモンポップの2頭だ。後者は1番人気に推される可能性が高いが、中2週のローテーションや距離、鞍上交替など不安要素も少なくない。ここは思い切って逆らってみたい。

【今年の該当馬】
・テイエムサウスダン
・レモンポップ


『前走で人気より上の着順』×『前走0秒3差以上で負け』★3.7%★

3つ目のデータは、前走時に人気を上回る着順に好走していた馬を取り上げる。過去10年で、【3-5-4-47】(複勝率20.3%)の成績を残しているが、その前走で勝ち馬から0秒3差以上で敗れていた馬は【0-1-0-26】(同3.7%)。唯一馬券に絡んだのは21年に9番人気で2着に入ったエアスピネルだった。

今年このデータに当てはまったのは以下の3頭。新たにケンシンコウとジャスパープリンスの2頭が消去対象となった。

【今年の該当馬】
・ケンシンコウ
・ジャスパープリンス
・(タガノビューティー*)


『社台系生産』×『7歳以上』★4.8%★

4つ目は再び生産者データに注目。ここでは過去10年で【3-4-3-34】(複勝率22.7%)の社台系生産馬を取り上げ、年齢を組み合わせたい。線引きしたのは7歳以上という条件。6歳以下が【3-3-3-14】(同39.1%)と高い複勝率を誇るのに対して、7歳以上の高齢馬は【0-1-0-20】(同4.8%)。ここでも唯一の例外は21年のエアスピネルだった。

今年この条件に当てはまったのは、3年連続参戦となるレッドルゼルだけ。あくまでも今回は次走ドバイゴールデンシャヒーンの叩き台とみて、軽視したい。

【今年の該当馬】
・レッドルゼル


『前走時馬体重500kg未満』×『今回1~3枠』★0.0%★

4つのデータを終えた時点で、18頭中10頭を消去した。残る8頭の取捨は馬格と枠順の組み合わせに委ねたい。

最後のデータとして取り上げるのは、前走時馬体重が500kg未満で今回1~3枠に入った馬だ。過去10年で15頭がこの条件に当てはまったが、馬券に絡んだ馬はいなかった。

残っている8頭のうち前走時の馬体重が500kg未満だったのは以下の4頭。もし今回3枠以内に入った時は迷わず消去する。

【今年の該当候補】
・オーヴェルニュ
・ゴールドパラディン*
・セキフウ
・ヘリオス

5つの条件を終えて確実に残るのは、アドマイヤルプス、ケイアイターコイズ、シャールズスパイト、ドライスタウトの4頭。この中で上位人気に推されるのはドライスタウトくらいか。外国馬で実力未知数のシャールズスパイトはともかく、アドマイヤルプスとケイアイターコイズは単勝万馬券級の伏兵といえるだろう。

ただし、2頭とも買う要素がないわけではない。アドマイヤルプスは11着に敗れた前走・根岸Sでスタート直後に他馬と接触するなどスムーズさを欠いており、これは参考外の一戦だった。デビューから長らくC.ルメール騎手が主戦を務めていたように潜在能力は高いはず。

ケイアイターコイズも3走前の霜月Sや2走前のすばるSでドライスタウトと0秒3差の競馬をしている。前走・令月Sの勝ち方も悪くなかった。ダート馬の育成には定評がある新谷功一厩舎だけに無視できない一頭だ。

というわけで、今週も消去を免れた馬たちの三連複ボックス馬券で勝負する。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2022年の全重賞回収率は67.0%。今年は中山金杯からホープフルSまで、消去を免れた馬の三連複ボックスを買い続ける予定。

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